多肉植物の土・コノフィツムの植え替え
土の重さと保水量
色々な土の重さと保水量を測定した。土の重さは、ビーカーに100tをとり計量したもの。土の表面は水平とは限らないので、100ccはそれほど正確ではない。次に、この土をプラ鉢に入れ、水がこぼれるまで注いで、プラ鉢を軽く振って、重さを計測した。
保水量=注水後の重さ−注水前の重さ
表 土の重さと保水量
土の種類 | メーカー・販売店 | 100ccの重さ(g) | 100tあたり保水量(g) |
カインズ・サボテン多肉の土 | カインズ | 73.2 | 68.8 |
花ごころ・サボテン多肉の土 | 花ごころ | 42 | 44 |
大宮グリーンサービス・サボテン多肉の土 | 大宮グリーンサービス | 58.7 | 42.2 |
プロトリーフ・インドアグリーンの土 | プロトリーフ | 41.0 | 32.1 |
ハイポネックス・サボテン多肉ミニ観葉の土 | ハイポネックス | 62.8 | 36.1 |
軽石砂(細粒 2〜4mm程度) | 瀬戸ヶ原 | 47.5 | 52.4 |
軽石(小粒 6〜8mm程度) | カインズ | 71.5 | 27.9 |
鹿沼土(微粒)(1.5〜3mm程度) | 刀川平和 | 70.9 | 57.9 |
パーライト(黒曜石)(6〜8mm程度) | 刀川平和 | 10.4 | 30.0 |
パーライト(真珠石) | ダイソー | 15.0 | 43 |
バーミキュライト(径8mm程度の板状) | サンアンドホープ | 15.3 | 57.9 |
バーミキュライト粉(0.5mm〜1.5mm程度) | ダイソー | 21.0 | 77.0 |
ゼオライト | 廣田商店 | 73.6 | 36 |
ハイドロボール(中粒) | ダイソー | 60.9 | 0.9 |
川砂(1.5mm〜3mm程度) | − | 146.1 | 26.9 |
川砂(0.5mm以下) | − | 153.7 | 45.6 |
配合土 | − | 45.0 | 42.4 |
注)100ccあたりの重さ、100tあたり保水量共に実測値。
多肉植物の用土には赤玉土や腐葉土が使われることが多い。しかし、赤玉土は壊れやすいものが多く、腐葉土は虫が湧くことがあり、あまり使わないことにしているので、表の記載はない。
カインズの土は保水量が多いので、水やりを慎重にする必要があるだろう。これだけ保水量が多いのは、赤玉土や燻炭の粉が混合しているためと思われる。篩を使うと、燻炭の配合割合が減ってしまうように感じる。
花ごころの土は、軽くて、使い勝手が良い。しかし、木質堆肥が入っているため、キノコバエが発生することがある。
大宮グリーンサービスの土は2〜5mmの軽石がメインで、7o程度の赤玉土が混ぜられている。有機系の元肥混合なので、若干臭いがする。室内に使うと気になる人もいるだろう。キノコバエが発生することがありそうだ。
プロトリーフ・インドアグリーンの土は、粒径が3o〜5o程度にそろっているものが多いので、排水性が高いようだ。この土は、マグアンプK入りなので、多肉植物の場合は育ちすぎになることがあるだろう。鹿沼土・パーライト・赤玉土が主体で、有機系肥料はなさそうだ。土は軽く、保水性はあまりよくないが、多肉植物にはこのぐらいで十分。しかし、水を灌ぐと、若干臭いがする。赤玉土の影響だろう。また、少量、赤玉土の粉末が混じっているので、乾燥したとき風が当たると、微細粉塵がわずかに飛散するようだ。それほど気になるものではないが、もっと硬質の赤玉にするか、軽石にして、保水力を高めるためバーミキュライトを混ぜればよいのに、と思ってしまった。そういうわけで、「プロトリーフ」のインドアグリーンの土はもう買わない。
ハイポネックス・サボテン多肉ミニ観葉の土は嫌な臭いがしない。室内には最適。粒径が3o〜5o程度にそろっているので、小鉢に向いている。化成肥料入りなので、多肉植物の場合は育ちすぎになることがあるかもしれない。排水性が高いので、室内に向いている。日向土なので壊れにくく粉塵は少ない。しかし、日向土細粒が入手できるならば、植物種類に合わせて、日向土にマグアンプK、リキダスを混ぜればよいのではないかと思う。また、室内の場合で特に吊るすならば、もう少し軽いほうが嬉しい。この場合は、ダイソーのパーライトを混ぜるとよいと思う。
カインズ・サボテン多肉の土 原料:軽石、赤玉土、ゼオライト、くん炭、等 肥料成分無し
花ごころ・サボテン多肉の土 原料:軽石、パーライト、バーミキュライト、ゼオライト、等
大宮グリーンサービス・サボテン多肉の土 原料:軽石、二本線硬質赤玉、バーミキュライト、木炭、ゼオライト、パーライト、バッドグアノ、カニ殻、貝化石、海藻土等
プロトリーフ・インドアグリーンの土 原料:鹿沼土、パーライト、赤玉土、緩効性化成肥料(マグアンプK)、等 PH 5.0〜6.0(表示)
ハイポネックス・サボテン多肉ミニ観葉の土 原料:日向土、緩効性肥料(マグアンプK、リキダス) PH:5.0〜7.0(表示)
![]() |
![]() |
![]() |
大宮グリーンサービス サボテン多肉の土 |
プロトリーフ インドアグリーンの土 |
ハイポネックス サボテン多肉ミニ観葉の土 |
![]() |
![]() |
![]() |
瀬戸ヶ原 軽石砂 細粒 |
カインズ 小粒軽石 |
刀川平和 硬質鹿沼土 微粒 |
![]() |
![]() |
![]() |
刀川平和 パーライト たぶん黒曜石 |
サンアンドホープ バーミキュライト | 廣田商店 ゼオライト |
配合土の割合
軽石小粒30%、パーライト(黒曜石)20%、鹿沼土30%、バーミキュライト20%、ゼオライト5%、パーライト(真珠石)7%(パーセンテージは体積割合。合計が100%を超えているのは、粒径が違うので、体積が減るため。)
この配合は、重さと、保水量が『花ごころ・サボテン多肉の土』に近くなるようにした。有機質や肥料分は入っていないので、マグアンプKとリキダスを施肥する。
鹿沼土はPHを弱酸性にするためと保水性を上げるため。鹿沼土の保水性は一般にはあまりよくないが、この土は微粒なので、保水性は悪くない。バーミキュライトは保水性を上げるため。パーライト(黒曜石)は用土を軽くするため。ゼオライトは根腐れ予防のため。パーライト(真珠石)は、体積を100%にするために、追加した。
この配合土は軽石を主体としてバーミキュライトで保水量の調整をしたかった。しかし、軽石の粒径が少し大きいので、リトープスのような小型多肉植物には根が安定しないような気がする。このため、鹿沼土の微粒を混ぜた。鹿沼土は硬質のものだが、崩れて粉末になることがあるので、軽石細粒が入手でき、PH調整の知恵がうかべば、鹿沼土は入れたくない。
配合した用土のうち鹿沼土は弱酸性、ゼオライトは弱アルカリ性で、それ以外のものは中性。
多肉植物の土を自分で配合するときは、普通は、腐葉土など有機物を入れる。しかし、有機物を入れるとキノコバエが発生することがあるので、使っていない。
軽石・ゼオライト・パーライト・バーミキュライトは清潔。鹿沼土も、よほど悪いものでない限り、清潔。
配合土のPH
水道水と配合土のPHを試験紙で測定した。水道水は容器に入れて30分放置したもの。配合土は水道水に混ぜて30分放置したもの。水道水に比べて、PHで0.5〜1.0程度酸性になっている。なお、さらに数時間放置すると、水が空気中の二酸化炭素を吸って、酸性になり、両者の違いはなくなる。
多肉植物を含む多くの植物は弱酸性が好ましい。通常の雨水はPH5.6程度なので、雨水に当たっていれば自然に弱酸性になるが、いつも水道水使用だとそうも行かないので、もともとの用土は弱酸性が好ましい。このため、配合土では鹿沼土を多めにした。普通は、ピートモス(酸性になる)と燻炭(アルカリ性になる)で調整すればよい。
コノフィツムの植え替え
コノフィツムが窮屈になって来たので植え替えることにした。この前植え替えたのは、4年ほど前。
![]() |
![]() |
コノフィツムが窮屈になってきた | 適当にばらした 本当は1〜2頭ごとに分解した方が良いのだけれど |
2023/11/12日、配合土で2鉢に植え替えた。元肥はマグアンプKを3g/L入れた。メセン類は肥料をあまり必要としない。
コノフィツムやリトープスの植え替えは秋が適期。以前5月に植え替えたら、ブヨブヨになったことがある。この時は、掘り出して、夏の間、乾燥ケースに入れていたら、復活した。
ガステリア植え替え
ガステリアの植え替えは、春が適期。でも、鉢がパンパンになっていたので、2023/11/12日に植え替えた。土は配合土。元肥はマグアンプKを7g/L入れた。ガステリアにマグアンプKを与えると、葉が目立って大きくなる。
この土は、粒径や色の違う土を混ぜているので、統一感がない。