徐恭生/著 『中国・琉球交流史』ひるぎ社(1991.3) 西里喜行、上里賢一/共訳  (おきなわ文庫56)


 明治以前、琉球は中国を宗主国とした藩属国だったため、琉球王が交代するときには、中国から琉球王任命の施設がやってきた。この後、琉球からお礼のための使節が中国にわたった。また、朝貢貿易のため、琉球から中国に渡ったことも多い。
 本書は、中国・琉球交流の歴史のうち、琉球から中国に渡った人たちの、中国でのようすを、主に中国側資料によって明らかすることがメインテーマで、中国に残る琉球人墓、中国における琉球人留学生、について、詳しい説明がなされている。
 このほか、19世紀中ごろに起こったアメリカの中国人奴隷売買に対する中国の暴動−バウン号事件−と琉球の関係、天妃信仰、琉球国王印の研究成果も記されている。


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