岩下明裕/編著「領土という病」 北海道大学出版会(2014.7)
日本の領土問題について、複数の人の講演や対談がまとめられている。内容は一般的解説ではなく、研究者の講演・対談集。
領土問題の考え方、竹島問題、北方領土問題、尖閣問題、領土問題と政治の関連、領土問題と世論、等、幅広い内容。逆に言うと、個々の問題に対する深い解説は無い。このため、日本の領土問題にあまり詳しくない人が読んでも、話が散漫になっているように感じるだろう。しかし、ある程度、日本の領土問題を学んだ人ならば、領土問題に対して、どのような視点を持つべきかのヒントが得られるように思う。
10人の研究者が、各自、いろいろな立場で解説しており、参考になる内容は多いので、日本の領土問題に関心のある人には、一読の価値があるだろう。