生きものバンザイ

 
『生きものバンザイ―自然と生きる地域の取り組み』 横畑泰志・他/著、ロシナンテ社/編 (2011/4) アットワークス
 
本書には自然環境保全を訴える7件の論文が採録されている。
 
 このうち、横畑泰志/著『尖閣諸島魚釣島の野生ヤギ問題と国際生物多様性年』は魚釣島で繁殖して自然破壊をしているヤギの駆除を訴えるもの。
 
 沖縄がアメリカの占領地だった時代、尖閣は古賀氏の所有だった。この時代、所有者の許諾のもと、学術調査団が数度にわたって尖閣に上陸し動植物の調査をしている。沖縄が日本に返還される頃になると、尖閣の所有者は古賀氏から埼玉の栗原氏に移った。栗原氏所有時代の尖閣は、学術調査団の上陸を拒否する一方で、広域暴力団住吉会系右翼団体の上陸がなされていたが、この右翼団体が持ち込んだヤギが繁殖して、自然破壊が進んでいる。
 
 横畑泰志氏はモグラ研究の第一人者であり、尖閣の固有種であるセンカクモグラの保護の必要性を訴えている。