杉本嘉朗/著 『尖閣から日本列島へ 赤い触手新地政学の時代』 ルネッサンスアイ (2015/9)
尖閣は日本の領土であるとの立場での記述
尖閣は日本領であるとする解説。尖閣が日本の領土であるとする解説本はいくつもあるが、すでに絶版であったり、学術的高度な内容で一般人には読みにくいなど、普通の日本人が、この問題に対する日本側主張とその正当性を理解する上で適切な本は多くはない。
本書は、尖閣が日本の領土であるとの立場で、その根拠を明らかにしている。研究成果などの高度な内容はないが、文章も平易であり、尖閣問題に詳しくない人が、日本の根拠を知るうえで役に立つ本と言えるだろう。歴史的経緯から最近の日中衝突まで尖閣問題の主要テーマをすべて扱っており、尖閣問題に対する日本側主張のの全体像を理解することができる内容となっている。
ただし、日本側主張の総まとめのような感じで、すでに、いくつかの本を読んである程度この問題の知識がある人にとっては物足りない。