仕組まれた中国との対立

 
和中清/著『仕組まれた中国との対立 日本人の83%が中国を嫌いになる理由』 (2015/8) クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
 
 著者は長年中国貿易に携わって人のようだ。近年、日本国内では中国を嫌い中国に反発する風潮が強い。世界的な右傾化の流れの一つの減少といってしまえばそれまでなのだけれど、本書では、中国嫌いの世論がどのように作られているのかを明らかにし、中国との対立で利益になる人たちによって、仕組まれたものであると説明している。
 本書は、中国、日本の状況を冷静に捉えることによって、対立点を明らかにしている。ただし、事実を冷静に捉えており、日本礼賛とは大きく異なるので、昨今の嫌中国本に慣れている人からすると、違和感を感じるかもしれない。表現方法に対して、好悪の感情は人それぞれだろうけれど、事実を冷静に理解する上では、一つの参考になる本だ。ただし、二中退率は多義にわたっており、本書では、それらの多くを網羅的に取り入れているので、それぞれの項目に対して詳しいわけではない。
 本書では、重要なところが太字で書かれているので、太字の部分だけを読んでも、おおよその内容が理解できて便利だ。尖閣についても触れられているが、特に深い内容はない。

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