安里進/著 『琉球の王権とグスク』 (日本史リブレット)山川出版社 (2006/12)
統一国家誕生以前の琉球では、各地にグスクと言われる城が作られた。
本書は、琉球王県に関係の深い浦添グスク、首里グスク、今帰仁グスクなどを取り上げ、グスクを話題の中心として琉球王権成立の歴史を解説する。本書には、関連する写真もある程度掲載されていて、視覚的にもわかりやすい。
しかし、グスクの解説ガイドとしてみると、取り上げたグスクの数が少なく、いまひとつ物足りない。琉球の統一王権成立の歴史書としてみると、グスクなどの現地解説に力点が置かれすぎているように感じる。薄い本なので、解説が薄くなっているのでしかたないのかもしれない。ただし、逆に言えば、琉球王権とグスクの関連が簡便に理解できる本である。