王緝思、ジェラルド・カーティス、国分良成/編 『日米中トライアングル 三カ国協調への道』 (2010/11) 岩波書店
本の内容は、日米中、3国関係に関する12編の論文。
第6章に、マサチューセッツ工大准教授テイラー・フレイヴェルの23ページの論文、『日米中関係と尖閣諸島(釣魚島)』がある。
日本・中国以外の人による尖閣問題の論文は少ないので、その点でも興味が持てる。論文の内容は、尖閣が日中どちらに属するのかと言うことではない。領土問題がある場合は、関係国間で、解決の努力がはらわれるわけであるが、尖閣に関しては、日中両国ともに問題解決の意思が乏しく、先延ばしされてきた。お互いの主張が異なっているにもかかわらず、これまで、領土紛争が起こらなかった理由を、日中米3カ国の態度をもとに考察している。