尖閣列島問題参考書



栗原弘行/著『尖閣諸島売ります』 廣済堂出版 (2012/9/28)


尖閣列島は、以前は、古賀氏が所有していたが、その後、栗原家が所有した。最近、政府に売却した。
本書は、栗原家次男の栗原弘行による、尖閣と栗原家のかかわり合いの話。

・古賀氏が尖閣を所有した歴史的経緯
 これは従来から知られてきたことの繰り返し。

栗原家が古賀氏から尖閣を受け継いだ経緯
 栗原家が古賀氏から尖閣を受け継いだ経緯については、著者は知らないとのことで、何も書かれておらず残念。
 著者は大金を石垣島に運んだとの話が書かれているが、これは、古賀氏に渡したのだろう。古賀氏は大金をどうしたのだろう。何も書かれていない。

・栗原家の説明
 特に興味のある話ではなかった 

・栗原家と尖閣のかかわり合い、および、政治家とのかかわり合い
 栗原家が尖閣を所有してきた経緯でもあり、興味が持てる内容です。

・東京都に売却をしようとした理由
 東京都は財政が豊かである事と、東京都所属島嶼があること、それから、東京都が他県の土地を所有しているので、尖閣を所有してもおかしくないとの趣旨である。しかし、所属することと、所有することは違うことであり、また、所有している土地は、活用するために所有しているので、尖閣を東京都が所有するとなると、極めて異例なことなのに、そのあたりの説明が全く欠けている。地方自治体に所属することと、地方自治体が所有することの違いを理解していないのだろうか。

・一転して政府に売却した理由
 具体的なことは、何も書かれていない
 
 ところで、尖閣には、指定広域暴力団住吉会系の右翼団体・日本青年社の建てた灯台があって、かつては、この右翼団体が毎年のように尖閣に上陸していた。栗原家がどのようないきさつで、日本青年社に灯台を建てることを認めたのか興味のあるところであるが、何も書かれていない。日本青年社は、住吉会系の中でも、もっとも犯罪傾向の強い、小林一家会長・小林楠扶の作った団体なので、栗原家が、暴力団や犯罪組織とどのような関係があったのか興味のあるところである。


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