尖閣日本領論に批判的

村田忠禧/著 『尖閣列島・釣魚島問題をどう見るか―試される二十一世紀に生きるわれわれの英知 (隣人新書)』  (2004/7/1) 日本僑報社



 本の右側から70ページ余りが日本語、左から50ページ余りが中国語で書かれている。日本語だけを読む者にとって、新書版70ページの小さい本であるので、内容は豊かとはいえない。
 日本の尖閣領有の根拠は無主地先占であるが、本書では、この点を論駁している。無主地先占が否定されると、日本の領有の根拠が根幹から揺らぐので、本書の指摘は重要である。多くのページ数を、日本の尖閣領有批判に向けているが、中国の論拠にも批判的である。
 分量が少ない割には、ちょっと高いので、なかなか購入する気にはならないかもしれないが、図書館で借りるのならば、尖閣領有の論拠と欠陥の概要を知る上で、一読の価値はあるだろう。


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