山辺健太郎/著『日韓併合小史』 岩波新書(1966.2)
海野福寿/著『韓国併合』 岩波新書(1995.5)
今更、名著の解説をしても仕方ないが、最近、両者を比較して読んだので、忘れないように書いておきます。
どちらも、明治維新以降、韓国併合にいたる日本と韓国の歴史をテーマにしている。記述事項や説明に違いはあるが、基本的にはどちらも、正確な史実により、韓国併合の実態を明らかにするもの。
戦前には、日本に都合の良いように歴史が変えられてきたが、山辺は日韓の史実を明らかにすることに重要な研究をした。このためだろうが、山辺の本は原資料を提示して解説をする形式の書き方が多く、始めて読むには少し読みにくいかもしれない。原資料の部分は多少読み飛ばしてもそれほど困らないところも多いが。
海野の本は史実を丁寧に追った解説で、読みやすい。