鬱陵島の高所から竹島を撮影したとき、写る画角



　鬱陵島の高所から竹島を見ると、高さ方向の視角は6分（360秒）になります。これは、視力1.0の人が見える限界の6倍なので、気象条件が良い日には、通常の視力の人で、十分に認められる大きさです。人間の視力は優れているので、竹島を認めることはできるけれど、写真はそれほどに鋭い描写性能はないので、標準レンズや中望遠レンズで撮影することは困難です。

　ここでは、いろいろな焦点距離のレンズで、鬱陵島から竹島を撮影したとき、どの程度の大きさに写るものであるのかを計算して求めた図を示します。（フイルムは普通の35ミリとしています。）


f=400mmで撮影した場合（画角　5.4°×3.4°）
・画像の１ピクセルを、視力2.0の人が見ることができる30秒としたとき　

f=200mmで撮影した場合（画角　10.3°×6.9°）
・画像の１ピクセルを、視力2.0の人が見ることができる30秒としたとき
　　　注意：この画像を表示するためには1190×810ピクセル以上のディスプレイが必要　
・画像の１ピクセルを、視力1.0の人が見ることができる60秒としたとき　

f=135mmで撮影した場合（画角　15.2°×10.2°）
・画像の１ピクセルを、視力2.0の人が見ることができる30秒としたとき　
　　　注意：この画像を表示するためには1760×1200ピクセル以上のディスプレイが必要
・画像の１ピクセルを、視力1.0の人が見ることができる60秒としたとき　
　　　注意：この画像を表示するためには880×600ピクセル以上のディスプレイが必要

f=50mmで撮影した場合（画角　39.6°×27.0°）
・画像の１ピクセルを、視力2.0の人が見ることができる30秒としたとき　
　　　注意：この画像を表示するためには4572×3240ピクセル以上のディスプレイが必要
・画像の１ピクセルを、視力1.0の人が見ることができる60秒としたとき　
　　　注意：この画像を表示するためには2376×1620ピクセル以上のディスプレイが必要

東京から富士山を肉眼で見ることは、かなり困難？！

　東京から富士山が見えることはよく知られており、『東京から富士山を肉眼で見ることは、かなり困難』と主張しても、誰も相手にしないでしょう。ところが、『鬱陵島から竹島は見えない』との主張する人の中には、カシミール３Ｄを使って、まことしやかな嘘をついている人もいます。竹島は小さいので、嘘に気がつかない人も多いようなので、同じ手法で、『東京から富士山を肉眼で見ることは、かなり困難』との主張をして見ます。富士山は大きいので、この嘘は簡単に見破れるはずです。



（緑色の文字で書いた部分は嘘です)

　左の図は、皇居上空100mから、35mmレンズで富士山方向を撮影したときの状況を、カシミール３Dで計算したものです。普通、人の視野は35mmレンズの画角と同程度と言われています。このため、左の図は、普通の人の視野を書いています。富士山はあまり良く見えないでしょう。このように、カシミール３Dの計算結果から、『東京から富士山を肉眼で見ることは、かなり困難』であることが分かります。

　これが嘘であることは、容易に分かりますか。小さな図に、粗く描いたので、見えなくなっただけのことです。
　でも、この図も、考えてみれば、100％インチキと言うものでもありません。35mmレンズの水平方向画角は54.4°ですが、この図は水平方向に273ピクセルを割り当てています。すなわち、1ピクセルが12分になります。これは、視力0.08の人が見たときの解像度なので、この図からわかることは、『視力0.08の人は、東京から富士山を肉眼で見ることは、かなり困難』と言うことを示しています。ただし、良く見ると、ちょっとした突起程度は分かるので、視力0.08の人でも、富士山の存在程度は分かるかもしれません。
　このように、画像をディスプレイに表示するときは、１ピクセルの視角を実際の視力に対応した視角か、それよりも細かくする必要があります。（細かく表示したときはディスプレイを遠くから見る必要があります。）

　鬱陵島の高所から竹島を見た場合、視角は6分になります。このため、鬱陵島から見た竹島をディスプレイに表示する場合は、下表のピクセル数が必要です。