アルテモフスク(バフムト)解放    2023年05月08日

(この記事は2023年5月6日の情報をもとに書いています。)



ウクライナ・アルテモフスク(バフムト)完全解放が近づいてきた。

 バフムトの戦いに関する、これまでの西側報道は、ウクライナ軍の勝利を予測する、デタラメ報道だった。3月になって、ウクライナの敗北が濃厚になった以降も、デタラメ報道が続いた。

 「米シンクタンク、戦争研究所は19日、ロシア軍による「春の攻勢」が終わりに近づいている可能性があるとの戦況分析を発表した。ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトを制圧できず、他の前線でも大きな戦果を上げられていないと指摘。(サンスポ 3/20)」

 「英国防省は25日、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトで、ロシア軍が激しい人員の損失により失速しているとの戦況分析を発表した。(共同 3/26)」

 「ウクライナ軍の報道官は6日までに、ロシアの民間軍事会社ワグネルが10日にウクライナ東部バフムートから撤退する方針を決めたことに言及し、同市を巡る戦闘の「転換点」になりうるとの認識を示した。(CNNニュース 5/6)」

 ロシアの報道では、バフムトの情勢を正しく伝えていた。
 バフムトのロシア支配割合について、TASSでは以下のよう報道されていた。
  4/3 70% 、4/11 75% 、4/18 80% 、4/24 90%
 4月中旬になると、ウクライナ支配地域は、ずいぶん少なくなったが、4月下旬以降も、TASSの報道を見ると、ロシアの制圧が徐々に広がり、ウクライナ支配面積は、さらに小さくなってゆく状況が分かる。
  4/30 2.98 km2  5/1 2.9 km2  5/3 2.7 km2  5/6 2.52 km2
 
 5月5日、ワグネル代表プリゴジンは、5月10日にバフムトを撤退すると表明した。5月6日NHKニュースでは「ロシア側の混乱浮き彫り」と報じられたが、5月6日に、ウクライナ支配地域に大規模攻撃を仕掛けた。写真はRVvoenkoryによる、この時の動画を切り取ったもの。(https://t.me/RVvoenkor/44283)
 正確な場所はわからないが、おそらく、チャイコフスキー通りとコルスンスコゴ通りの間の三角地帯だと思う。この場所と、看護学校の西側には、高層のアパートがあって、ウクライナ軍の反撃拠点となっていた。ロシアによるウクライナの制圧が滞っているように見る向きもあるが、都市の制圧には、高層アパートの一室ごとに制圧する必要があり、かなり時間がかかるものである。ロシア軍は、4月8日に鉄道線路の東側をほぼ解放した。わずか一か月で、住宅地が広がるバフムト西部の解放にこぎつけたのだから、思ったよりも早かった。ウクライナ軍が、住民を盾にして住宅に立てこもったならば、制圧にはもっと時間が必要だったはずだ。
 
 5月6日深夜以降、ロシアが白燐弾を使用したとの報道がなされている。おそらく、ウクライナのデマ宣伝を、検証もせずに垂れ流しているのだろう。白燐弾とは、アメリカ軍が沖縄などで演習に使っている、非人道兵器で、白燐や酸化煙を浴びると、重症な火傷の恐れがある。
 ロシア軍はバフムトにTOSA-1を導入したとの報道があったので、搭載のサーモバリック爆薬を使った可能性が高い。
 
注)白燐はそれ自体が毒物だが、燃焼後は5酸化2燐が作られ、皮膚に対して腐食性の作用を及ぼすため、非人道兵器とされる。

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