戦争研究所    2023年05月09日

 ロシア・ウクライナ戦争に関する日本での報道は、誤報が極めて多い。このような誤報の原因は、ウクライナ・英・米の謀略情報をそのまま報じているためだ。アメリカの情報は、民間研究機関「戦争研究所」の情報が使われる。

3月8日の時事通信に以下の記事があった。

 ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトの攻防を巡り、米シンクタンク・戦争研究所は6日、包囲を進めるロシアが多大な痛手を負っていると分析した。ロシアは侵攻の一端を担う民間軍事会社「ワグネル」の精鋭部隊などを投入しており、ウクライナはロシアの戦力低下を狙い、消耗戦を仕掛ける可能性があるという。https://www.jiji.com/jc/article?k=2023030701029&g=ukr
 4月になって、アメリカの軍事機密文書が流出すると、2月終わりから3月初めには、ウクライナ軍の防空用砲弾が危機的に不足し、バフムトでは、ウクライナ軍が補給路の維持に苦しみ、危機的な状況にあると、米国が分析していたことが明らかとなり、戦争研究所の情報が誤りであることが、知られることとなった。https://news.yahoo.co.jp/articles/997bf37a35fd744444629f1c4c02ae849135b61e


 5月5日、ワグネルのプリゴジンは、5月10日にバフムトからの撤退を表明した。すると、アメリカ・戦争研究所の見解として「ロシア国防省はウクライナ反転攻勢の準備として、バフムト攻略の優先順位を下げた」との報道がなされた。(テレ朝ニュース 5月7日 https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000298244.html)
 しかし、この時、バフムトの95%をロシア側が攻略済みで、完全解放も間近だった。実際、この後、ワグネルによる、バフムト攻撃は激化し、さらに、撤退後はチェチェン舞台と交代すると報じられた。戦争研究所の見解は何を根拠としたものか、非常識な誤りだ。


戦争研究所
 戦争研究所は2007年にキンバリー・ケーガンによって設立されたシンクタンク。キンバリー・ケーガン自身、ネオコンだが、彼女の夫のフレデリック・ケーガンは軍事史家のネオコン。フレデリックの兄、ドナルド・ケーガンはネオコンの理論的支柱。また、ドナルドの息子のロバート・ケーガンは現在ではネオコンの代表的論客であるが、彼の夫人が国務次官のビクトリア・ヌーランドである。
 ロシア・ウクライナ戦争は、アメリカ・ネオコンが仕掛けたものであるが、仕掛け人の民主党内での中心人物がヌーランドであり、その一族が作ったシンクタンクが「戦争研究所」である。このため、戦争研究所がウクライナに都合の良いニセ情報を流すことは、当然に予想されることだ。

ネオコン
 ネオコン(Neoconservatism)とは、アメリカの新保守主義のこと。ネオコンの主な信念としては、アメリカが世界で最も強力な国であること、アメリカ中心の市場経済が世界中で広がることが重要であること、そして、アメリカの利益のためには軍事力行使も辞さないことが挙げられる。

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