アルテモフスク(バフムト)解放    2023年05月14日

(この記事は2023年5月13日の情報をもとに書いています。)

5月11日、信じがたい報道が現れた。幾つかの報道機関から同様の内容があったが、以下に、テレビ朝日の報道を書きます。
『激しい攻防が続いているウクライナ東部・バフムトの戦況についてウクライナ軍の司令官は、「効果的な反撃を行っている」と述べ、一部でロシア側を押し返している模様です。ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は11日、SNSに投稿し、「ウクライナ部隊のよく考えられた守備で効果的な成果が出ている。このため敵は最大で2キロ後退した」と述べました。https://news.yahoo.co.jp/articles/b34e196ba8f409ab67349fc34316206712dde42e』

 バフムトでは、これまで、ロシア・ワグネルが占領地を毎日100〜200メートルほど広げていた。ウクライナ軍がバフムトで一日で二キロ取り返したとしたら、驚くべき戦果になる。その後、詳細がわかると、ほとんど虚報であることが明らかとなった。


 
 この日、上図@の、バフムトの北西方向にある貯水池南側にウクライナ軍が移動し、ロシア軍は南東方向に若干移動した。貯水池南側は標高120mなのにたいして、ロシア軍はより守りやすい標高150mほどの地点に移動したものである。ウクライナ軍が、移動した理由はわからない。これら地域は、すべて、畑・荒地であり、町はない。
 バフムトでは、相変わらず、ロシア・ワグネルが、支配地を広げている。最近は、1日で100〜200メートル程度、広げることが多い。
 ウクライナ軍が立てこもって抵抗していた場所は、5月初め時点で上図ABである。ここは、どちらも、高層アパートが建っていて、ウクライナ軍が要塞化している。バフムト市内で、ウクライナ軍が掌握しているのは、この2地点のみ。
 
 

 
 上図はBの地域の拡大図。黄色線はチャイコフスキー通り。東側の赤色はロシア軍支配地域。中間の緑色は、4月末時点ではウクライナ軍が高層ビルに立てこもっていた。しかし、5月10日ごろにはウクライナ兵をすべて追い出し、ロシアが掌握した。
 
 

 
 上の図はAの地域の拡大図。赤色の地域は4月末時点で、すでにロシア軍が支配していた。緑色は、5月第2週目から13日までに、ロシア軍が支配した地域。色を塗っていないところは、ウクライナ軍支配地域で、奥行き600メートル程度。まだ、高層ビルが大きなものでも10棟以上残っているので、バフムト完全制圧には、もうしばらくかかるだろう。


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