2013年11月 人形峠ウラン鉱山跡 見学
○ウラン坑道跡 | (事前予約必要) |
○アトムサイエンス館 | (予約なしで見学可能) |
○人形峠展示館 | 既に閉館なのかもしれないが、アトムサイエンス館と一体化した施設 |
○スペースガードセンター | (予約なしで見学可能) |
ウラン坑道跡見学の事前予約は、原則2週間前までに申し込み、入場時には身分を証明する書類(運転免許証、パスポート、写真入り住基カードなど)が必要。ウラン坑道跡は、「人形峠環境技術センター」という名称の施設の中にある。
住所・電話番号はこちら。
今は閉館している人形峠展示館 最初に、ここで説明を聞いた |
人形峠環境技術センター入口。 坑道見学にはこの門から入る。ここから先は撮影禁止。 |
車で5分ぐらいと道端に、ウラン鉱床路頭発祥の地碑が建てられている。
下の写真は、人形峠展示館かアトムサイエンス館。一体化した施設だけれど、おそらく、人形峠展示館。
人形峠展示館は閉鎖した施設なので、普段は電気がついていないが、この日は、私のために、電気をつけてくれた。
庭の池には、オオサンショウウオ。 体長1mを超える大きなのと、ちょっと小ぶりなのがいる。 写真は、大きい方の頭です。 |
今上天皇が皇太子時代に訪れた記念碑 |
岡山県の施設 放射線等観測局舎 |
向かいは、原子力産業株式会社 |
放射能レンガ
人形峠のウラン残土は放射能を帯びているので、廃棄処分も大変だ。そこで、レンガに加工して一般販売を行った。大量に使われた場所は、茨城県大洗市の大洗研究開発センター、東海村の東海研究開発センターなど、関連施設で数十万個単位で使われている。人形峠環境技術センターの歩道にも、多数の放射能レンガが使われている。また、鳥取県・三朝町の三朝温泉入口の国道沿いには2万個の放射能レンガを敷き詰めたキュリー公園が作られた。
普通、レンガは焼き固めるが、人形峠の放射能レンガは、コンクリートで固めただけなので、屋外で使ったものは、すでにボロボロに壊れかかっている。人形峠ウラン残土は特別な処分場で処分する必要があるが、放射能レンガは、放射性廃棄物ではないため、一般ゴミとして処分され、環境にウランが流出する恐れがある。早めに壊れ、ウランが環境に流出して、回収不能になるように、壊れやすいレンガを作ったのだろうか。
人形峠展示館の傘立ては放射能レンガ製 | キュリー公園の放射能レンガはボロボロ |
屋内のレンガはしっかりしているけれど、三朝町・キュリー公園や、人形峠環境技術センターの歩道の放射能レンガは、かなり傷んでいた。そのうち、撤去して、環境に廃棄することになるのだろうか。キュリー公園の壊れた放射能レンガのクズが、あたりに散乱していた。
今のところ、それほど粉々ではなく、粉塵が立つほどではないが、今後、このままにしていたら、粉塵になるほど粉々になるかも知れない。そうなったら、ウラン粉塵を吸い込むことになるだろう。一旦、肺に入ったウランは、生涯被曝を続けることになるので、健康被害の恐れが生じる。三朝温泉には、行かないほうが良いかな。
キュリー公園 ここは、放射能レンガで作られている |
キュリー公園の夫妻像 | おまけ キュリー広場の婦人像 |
注)キュリー広場は、三朝温泉の中心にあり、キュリー夫人の胸像が建てられている。放射能レンガとは関係ない。
ウランガラス
ガラスにウラン化合物を添加すると、ガラスが黄色みを帯びた緑色に発色する。 添加するウラン化合物は、重ウラン酸ナトリウム(Na2U2O7)だと思う。
ウランガラスは、1830年代にボヘミアで作られるようになり、日本でも、戦前にはたくさん作られたが、戦後は、ほとんど作られなくなった。
人形峠環境技術センターでは、ウランガラス材料を作っており、岡山県苫田郡鏡野町にある『妖精の森ガラス美術館』では、このウランガラス原料を使って、ウランガラス製品を製造し販売している。下の写真は『妖精の森ガラス美術館』。
ウランガラスは、燐灰ウラン鉱同様、紫外線を当てると緑色に発色する。
妖精の森ガラス美術館を見学したが、ウランガラス製品はちょっと高かったので購入しなかった。ウランガラスは、かつて、大量に作られたので、現在でも、コップなどが残存していて、骨董品として、比較的安価に入手できる。また、壊れたウランガラス製品から、別の製品に作り直したものもあるようだ。
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