『日ソ戦争への道 ノモンハンから千島占領まで』 ボリス・スラヴィンスキー/著 加藤幸広/訳 共同通信社(1999.8.10)
 日ソが戦争に至った経緯を詳細に説明している。特に、なぜソ連は日本との戦争に突入したのか、この点の説明が詳しい。
 千島の占領に限って言えば、同じ著者による『千島占領』共同通信社(1993.7)の方がずっと詳しい。
 
『中国革命とソ連』 ボリス・スラヴィンスキー、ドミトリー・スラヴィンスキー/著 加藤幸広/訳 共同通信社(2002.11.8)
  1917年のソ連誕生から、1937年の中ソ不可侵条約までの期間の中ソ関係を各時代区分ごとに詳述。
 
『日ソ中立条約』 ボリス・スラヴィンスキー/著 岩波書店(1996)
 
『ソ連が満州に侵攻した夏』 半藤一利/著 文芸春秋(1999.7)
『ソ連が満州に侵攻した夏』 半藤一利/著 文春文庫(2002.8)
 大戦末期、満州における日ソ戦。千島の話はない。
 
『「九人の乙女」はなぜ死んだか  樺太・真岡郵便局電話交換手集団自決の真相』 川嶋康男/著 恒友出版(1989.8) (本の表紙はここをクリック
 この本は北方領土問題とは関係ない。
 太平洋戦争末期、ソ連侵攻のとき、樺太真岡郵便電信局の電話交換手12人のうち9人が集団自決する事件が有った。この事件は映画「氷雪の門」で、美談に仕立て上げられた。実際は集団ヒステリーに襲われた電話交換手のうちの9名が五月雨的に自殺したもので、他の郵便局員には当然のことながら自殺者はいない。戦後、自殺が美談として語られたため、生存した3名のものには、「なぜ死ななかったのか」などとあらぬ非難がなされたとのことである。映画では生存した3名のものは初めから存在しなかったかのように作られている。
 この本では、誤って伝えられ、美談とされた集団自殺のいきさつを正確に伝えることを目的として書かれている。稚内市には映画を記念する碑が立てられ、靖国神社の解説でも、映画が史実であるかのごとき誤った記述がなされている。樺太・真岡郵便局電話交換手集団自決に関心がある人は必読の書。
 
『九人の乙女一瞬の夏』 川嶋康男/著 響文社(2003.4.25)  (本の表紙はここをクリック
 上記『「九人の乙女」はなぜ死んだか』の改訂新版。内容はほとんど同じ。最後に、20ページほど補遺が追加されている。上記図書より出版は新しいが、出版数が少ないため、入手はむしろ困難かもしれない。
 
『完本・太平洋戦争(下)』 文藝春秋社/編 1991.12.1
 太平洋戦争に関する記事を集めたもの。文藝春秋の記事が多い。
 P412〜P420は桜井千代子の『女交換手真岡に散る』。この元記事は、『文藝春秋』昭和49年9月の『女交換手真岡に玉砕す』である。著者は、生き残りである川島の親戚筋に当たる交換手。この記事では、青酸カリは可香谷が恋人の憲兵隊員から入手したものであると、この日非番だった古屋百合子(旧姓八木橋)が可香谷から聞いた話として紹介している。また、川島・堺は青酸カリが少なかったので、死ななかったと説明している。岡田については触れられていない。高石・可香谷と年長者から順に自殺したとしている。
 
『証言・樺太朝鮮人虐殺事件』 林えいだい/著 風媒社 1991.9.1
 真岡攻略に関して発生した瑞穂虐殺事件が紹介されている。(虐殺被害朝鮮人十数名)
 
『樺太朝鮮人の悲劇-サハリン朝鮮人の現在-』崔吉城/著 第一書房、2007年5月
 樺太に残留した朝鮮人の話。聞き取り調査が多いが、学術研究結果を著したものなので、事実を冷静に喜寿すしている。特定の立場に立った意見を一方的に言っているものではない。
 
『悲しみの島サハリン−戦後責任の背景』 角田房子/著 新潮社(1994/3/15)
 戦後サハリンに取り残された朝鮮人の記録。北方領土問題とは直接関係ないが、北方領土でも朝鮮人は取り残されたので、北方領土残留朝鮮人問題を考える上で、参考になる。
 
『樺太朝鮮人の悲劇 サハリン朝鮮人の現在』 崔吉城/著 第一書房(2007.5) (本の表紙はここをクリック
 サハリンの歴史、朝鮮人強制連行、戦争末期の朝鮮人虐殺事件、戦後のサハリン朝鮮人の実態、が書かれている。研究成果をまとめた本なので、冷静・公正に書かれており、好感が持てる。   (もう少し詳しい感想はこちら
 
『「イエスかノーか」若きカメラマンのマレー・千島列島従軍記』 石井幸之助/著 光人社(1994.4.8)
 従軍カメラマンの手記。前半2/3はマレー従軍記で、後半の1/3が北千島・占守の従軍記。著者が北千島に従軍したのは、昭和19年の秋から、昭和20年の4月まで。この期間、北千島では目立った戦闘はなく、米軍相手に若干の衝突があったに過ぎないが、越冬しているので、そのときの様子などは詳しい。。ソ連との戦争の話はない。
 
『三儲軍談 北方派遣軍 下の勇士は語る』 北川省一 1984.9.17 現代企画室
 中千島に出征した兵士による回顧談。著者は日ソ戦以前に国内に配転になったため、日ソ戦の話は無い。
 
『天皇裕仁と地方都市空襲』 松浦総三/著 大月書店 1995.4.14
 昭和天皇独白等では、終戦の原因はソ連参戦であると説明している。
 
『日ソ交渉の舞台裏 ある外交官の記録』 新関欽哉/著 NHKブックス 日本放送出版協会(1989.1.20)
 1971年から1973年まで、大使としてモスクワに駐在した新関氏の日記。外交問題で微妙な話は全くない。大使がいつ誰と会見したのかを調べる上では重要。
 
『戦争責任』 家永三郎/著 岩波書店(1985.7)
  
『日本北方史の論理』 海保嶺夫/著 雄山閣(1974)
『アイヌ民族と日本の歴史』 宮島利光/著 三一新書(1996.7)
『先住民族アイヌの現在』 本田勝一/著 朝日文庫(1993.7)
  これらの書籍は、日本とアイヌの関係、さらには日本の北方進出の歴史を理解するために参考にしました。
  
『アイヌ民族の歴史』 榎森進/著 草風館(2007.3.1) 
 詳しい
 
『静かな大地 松浦武四郎とアイヌ民族』 花崎皋平/著 岩波書店(1988/9)  岩波書店同時代ライブラリー(1993.10.15) 
 幕末、北海道旅行をした探検家松浦武四郎の日誌の説明、当時の和人の横暴とアイヌの困窮を描いている。
 
『アジアの教科書に書かれた日本の戦争東アジア編』 越田稜/編・著 梨の木舎(1990.2)
『全訳 世界の歴史教科書シリーズ31 韓国』 帝国書院(1983)
『全訳 世界の歴史教科書シリーズ6 インド』 帝国書院(1981)
『全訳 世界の歴史教科書シリーズ22 ソヴィエト連邦W』 帝国書院(1981)
『概説韓国の歴史 韓国放送通信大学校歴史教科書』 宋讃燮・洪淳/権 著 藤井正昭/訳 明石書店(2004.1)
 ソ連対日参戦を含む第2次世界大戦を、日本周辺各国の教科書はどのように記述しているのか、これらの書籍を参考にした。
 
『帝国書院の復刻版地図帳』 帝国書院(2004.3)
 帝国書院がかつて発行した学校教科書地図の復刻版。昭和9年、昭和25年、昭和48年の地図がある。
   
『大日本帝国郵便始末』 篠原宏著/著 日本郵趣味出版(1980.3)
『明治郵便局名鑑』 二重丸印の会 二重丸印の会(1983/11)
『丸一印の分類と楽しみ方』 田中寛/著 日本郵趣味出版(1986/10)
『樺太の郵便』 山下精一/著 日本郵趣味出版(1978.7)
『わかりやすい外国郵便の手引き』 浜野寅四郎 財団法人国際通信文化協会(1982)
『「日専」を読み解くシリーズ 軍事郵便』 玉木淳一/著 日本郵趣協会(2005.7.20) 
 
『北海道の100年』 永井秀夫他 山川出版社(1999)
『北海道の歴史』 田端宏他 山川出版社(2000)
 北海道の歴史を知る上で、参考にしました。