『日露間領土問題の歴史に関する共同作成資料』 日本国外務省/編・ロシア連邦外務省/編 日本国外務省(1992年) (本の表紙はここをクリック
 日本とロシア政府による共同作成資料。右側からは日本語、左側からはロシア語で書かれている。
 日本語文は、外務省のホームページで見ることができる。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/1992.pdf 
 この文書は、日本とロシアの間で合意されたものであるため、領土交渉の基本になるとの考えをする学者も存在する。しかし、冷静に考えてみれば、日ロ間には過去にこのような文書が存在したという歴史的事実を両国間で認識したものであって、そこに書かれている内容が正しいとか、その通りに今後交渉するとか、そのようなことを意味するわけではないので、過剰に評価することは禁物である。
 
『北方領土問題資料集』 南方同胞援護会 (1966.6.30)
北方領土問題関連の、重要な外交文書等の資料集。日本語文のみであるところが残念であるが、北方領土問題研究には重要。
 
『新聞集成 北方領土 上巻 1947年〜1979年』 戸丸広安 大空社(1993)
『新聞集成 北方領土 下巻 1980年〜』 戸丸広安 大空社(1993)
   北方領土問題関連の新聞記事の切り抜き。重要な記事が必ずしも網羅されているわけではないが、北方領土問題研究には便利な書籍である。
   
『日本外交史27 サンフランシスコ平和条約』 西村熊雄/著 鹿島平和研究所/編 鹿島平和研究所出版会(1971)
 サンフランシスコ平和条約締結当事者による条約締結のいきさつの説明。交渉当事者の説明である為、非常に参考になるが、外交秘密との関係で、必ずしも明らかにしていない部分が多いようである。北方領土問題関連の話題は少ない。
 
『日ソ基本文書・資料集』 茂田宏 他/編 世界の動き社(1988.11)
 日ソ間の条約を初め、重要な外交文書等の資料集。日本語文のみであるところが残念であるが、北方領土問題に限らず、日ソ関係の研究には重要。
 
『北方領土の神社 千島・北方領土社寺教会日露共同調査報告書』北方領土文化日露共同学術交流実行委員会/編 北海道神社庁(2005.9.1)
 千島・北方領土の神社等の詳細なデータ。所在地・簡単な沿革の一覧があります。また、実地調査による現在の状況等、内容豊富。この分野の研究には欠かせない基礎資料です。
 
史料検証 日本の領土 百瀬孝/著 伊藤隆/監修 河出書房新社 (2010/8/25)  
 幕末から戦後まで、日本の領土問題関連の条約等の公文書を記載し、それに対して簡単な解説をしている。領土問題を原典から理解するためには便利な書籍。ただし、領土問題の解説書としては、解説文が少ないので、それほどこの問題に詳しくない人がいきなりこの本を読んでも、誤解の恐れもあり、領土問題の正しい理解は難しいかもしれない。
 この本の解説は、基本的に、日本側の文書なので、日本の領土認識である。現在、日本政府は現政権に都合の良いように説明されているが、この本は歴史的文書の解説であるために、必ずしも現在の日本の領土主張の解説にはなっていない。
 著者の力量だろうか、解説には疑問もある。 ・・・More・・・