竹島問題参考書


江戸時代の鳥取と朝鮮 (鳥取県史ブックレット5 )
鳥取県立公文書館県史編さん室/編集 (2010/3)鳥取県




この本が販売されている場所は、鳥取県内の限られた場所なので、読書する機会は多くないかもしれない。

本は90ページほどの薄いもので、内容は、江戸時代の鳥取県と朝鮮の関係史。ただし、鎖国の時代に、それほど交流があったわけではなく、本の半分は、大谷家の竹島渡海と安龍福事件などの竹島関連の史実、残りの大部分は、漂流民の話。

竹島は日韓両国の領土問題なので、自分に都合の良い歴史解釈で、領有の正統性を言うものが多いが、本書は、もっと史実を冷静に見る立場で書かれており、好感が持てる。ただし、日本の地方自治体による公的歴史編纂に位置づけられるものなので、日本政府の領有主張に反する解釈はない。
本書には、竹島問題を考える上で重要な、安龍福事件関連が簡潔に書かれているので、竹島問題を冷静に理解しようと思う人には有益だろう。ただし、内藤正中氏や池内敏氏の研究を参考にしている面が多いようなので、出来ることなら、両氏の著書を読んだほうがよいかもしれない。

島根県の竹島問題解説は、我田引水的な強引なものが多いのに対して、鳥取県は冷静に判断している点に好感が持てる。


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