日本の漁業問題に対する2冊の本

 
勝川俊雄/著『漁業という日本の問題』 エヌティティ出版 (2012/4)
 
濱田武士/著『日本漁業の真実』 筑摩書房 (2014/3)
 

 
 勝川俊雄の本は、日本の漁業の問題に、未成魚の乱獲があることと、資源管理が十分でないので、適切な資源管理の必要性を説いている。日本の資源管理は政治的な面が強いので、資源保護の観点が必要なことは論を待たないだろう。
 
 これに対して、濱田武士の本では漁獲規制強化に反対している。この本は、日本の漁業全般にわたって解説しているようではあるが、相互の関連が分かりにくく、水産行政の言い訳に感じる。日本の漁業が現状で問題ないのならばこのままでよいし、問題があるのならば対策が必要なのに、この点が見えない。