鬱陵島(ウルルン島)独島展望台から見た竹島
ウルルン島から竹島が見える日は多くはないけれど、良く見える日もあります。2007年にウルルン島の独島展望台から竹島を撮影した写真が、新聞に掲載されました。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=102700
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=102694
以下は、その写真を参考に、似たような絵を私が書いたもの(写真をそのまま使用すると、著作権違反になるので)。実際に、ウルルン島の独島展望台から竹島を見たときと、だいたい同じ色合い・大きさになるように描いています。
なお、竹島からウルルン島を撮った写真と、ウルルン島から竹島を撮った別の写真が、サイバー独島にあります。サイバー独島のなかの写真資料には、ウルルン島から竹島をもっと大きく撮った写真も有ります。
ウルルン島の独島展望台から竹島を肉眼で見たときと同じ大きさに見えるための方法
まず、ディスプレーに物差しを当てて、図の矢印の長さを測ってください。3cmのときは、3m離れてみると、ウルルン島の独島展望台から竹島を肉眼で見たときと同じ大きさになります。もし、矢印の長さが5.3cmのときは、5.3m離れて見ます。
2007年11月2日7時14分ごろに、ウルルン島の独島展望台から竹島を見たとき
2007年(日時不明)、ウルルン島の独島展望台から竹島を見たとき
<参考>写真の解説
2007年にウルルン島の独島展望台から竹島を撮影した写真が、中央日報に掲載されました。
この写真は、縦横比が35ミリフイルムと異なり、中央部がトリミングされています。このため、この写真を見ただけでは、撮影したレンズの焦点距離はわかりません。説明文では、200mmレンズで撮影に成功したとあります(この写真が200mmで撮影したものなのか、良く分からない)。もし、この写真が、200mmで撮影したものであるとするならば、写真を4つ切か6つ切にプリントして、パソコンのディスプレーに同じような大きさに表示されるようにトリミングしているようです。
画像の縦方向は、竹島の高さの25倍、横方向は55倍程度です。ウルルン島の独島展望台から見ると、竹島の高さは視角5分であるので、この写真は、縦方向2度、横方向4.5度であることが分かります。200mmレンズの画角は縦6.9度、横10.3度なので、200mmでの撮影とすると、縦方向で3倍強、横方向で2倍強にトリミングされています。400mmで撮影したのならば、横方向はほとんどトリミングしていないことになります。
この画像は、トリミングの他に、画像を間引いて粗くしているはずです。たとえば、EOS-1Ds Mark IIIで撮影したとすると、実際は5166×3744ピクセルであるのに対して、画像は540×247ピクセルです。200mmで撮影したとすると、トリミングは2倍、あるいは3倍なのに対して、間引きは5倍です。これ以上間引くと、画像が粗くなってしまい、実際に見た目と大きく乖離します。見た目とそれほど違わないように間引いて、投稿可能な大きさにトリミングしたのでしょう。(竹島の視角を考えると、目の良い人はもう少し鮮明に見えると思います。投稿の都合とは言え、ちょっと間引きすぎです。もう少し間引きを少なくして、トリミングを大きくしたほうが、実際の撮影により近づいたのではないかと思います。)
前景に鬱陵島の松が写っています。ウルルン島からの撮影であることが分かるように松を入れたのでしょう。竹島の大きさと、松の葉の大きさを比較すると、2〜3倍程度なので、視角10分〜15分になります。松の葉の実際の大きさが10cm〜15cmであるとすると、これは35m程度先にあることがわかります。200mmで撮影するとき、絞りをF32にすると、被写界深度は35m〜∞になります。ピントが合う、ちょうどよい場所に松の木を配置していることが分かります。このように、計算しつくして撮影しています、カメラマンの技量の高さに感心します。
(もし、横方向がトリミングされていないか僅かなトリミングであるとすると、400mmを使って、F64で撮影すると、このようになります。また、300mmF45で撮影して、横方向1.5倍強でトリミングしても同じような写真になります。でも、400mmでF64まで絞れるレンズや、300mmでF45まで絞れるレンズって、あったかどうか知りません。)(100mmF16で撮って、横方向4倍強にトリミングしても同じような写真になります。パソコンのディスプレイに表示するだけなら、それでも十分かもしれませんが、実際の写真でそれをすると、フィルムの荒れが目立って、見苦しい写真になります。描写性能の優れた50mmレンズをF8に絞って、1200万画素クラス以上のデジタルカメラで撮影して、中央部横方向8倍にトリミングした場合、パソコンのディスプレイに表示するだけなら、同じようになるかもしれません。もっとも、そんなに描写性能の優れた50mmレンズはないかもしれない。)
この写真では、竹島の高さ方向は10ピクセルになっています。竹島の高さ方向は300秒程度なので、この写真の1ピクセルは30秒程度です。視力2.0の人が見分けられる限界は30秒なので、この写真を良く見ると、視力2.0の人が見ている景色と同じでことです。
参考
納沙布岬から貝殻島を見ると、3.4kmと近いため貝殻島灯台を容易に見ることができます。
写真は納沙布岬から貝殻島灯台をEOS Kiss DN+300ミリで撮ったもの。35ミリサイズ換算で、レンズの焦点距離は480mmに相当します。
この日は、天気が少し悪かったので、ちょっとボンヤリしていますが、それでも、肉眼ではっきり見えました。ウルルン島の独島展望台から竹島を見たときに比べると、灯台の高さは2倍程度あるものの、幅は僅かです。大きさだけを比較するならば、納沙布岬から貝殻島灯台を見る場合に比べ、ウルルン島から竹島を見た方が、ずっと容易に見えるでしょう。しかし、距離が全く違うので、天候の影響を受けやすく、見ることができる機会は、大きく異なります。