鬱陵島(ウルルン島-ウルルンド)から竹島(独島-トクド)はどのように見えるか
類似地点として、湘南からみた利島−城山三郎/著 「湘南」から
作家、城山三郎は、茅ヶ崎の仕事場(マンションの7F)から見た情景を「湘南」に書いている。茅ヶ崎から利島は91km、茅ヶ崎の標高50m地点から利島を見ると、利島の半分は水平線下に没する。このため、城山のマンションから見た利島は、ウルルン島の標高500m地点から竹島を見たときに比べると、高さで1.5倍程度、海・空とのコントラストは、気象条件が同じならば、ほぼ同程度である。
結局、城山よりも視力が1.5倍優れた人が、ウルルン島から竹島を見たときと同じように見えることになる。城山が「湘南」を執筆したのは50代後半だったので、普通の青年の視力は、1.5倍よりも、良いことが多いだろう。
城山は「よく晴れた日には、水平線上に伊豆七島の二島、大島と利島が浮き上がる」と書いている。この記述は、高麗史地理志の「風日清明、則可望見」と似ていなくもない。
以下、参考のため、城山三郎/著 「湘南」の最初の部分を掲げる。
城山三郎 湘南 海光る窓 1997年1月10日文春文庫(文藝春秋)
「海の見える家に住みたい」
とういうのが、わたしの長い間の夢であった。
・・・(中略)・・・
最初わたしは海岸の近くに住んだ。
だが、塩害などに悩まされ、結局、一キロあまり奥へとひきこんだ。
平坦地であるために、もちろん家から海は見えない。それが残念であった。なんとか海から離れて海が見えないものか。
山が海に迫った町にでも移ればよいが、この町に未練がある。この町に住んだまま、窓から海が見たい。
「子供みたいなわがまま」と笑われたが、その夢がようやく変則的に叶った。駅近くにマンションが建ち、七階に仕事部屋をとることができたからである。
ビルの高さを借りるとはちょっとカンニングめいた気もするが、それでも、窓からの海の眺めに抗し切れなかった。
そこから海岸まで、やはり一キロあまりある。だが、高さに助けられ、窓から真南に海を望める。
左手いっぱいに伸ばした感じの三浦半島。右手遠くに伊豆半島。その間の広い帯状の空間に、相模湾というより太平洋の一部がひらいている。岸近くには烏帽子岩と岩礁群。そして、よく晴れた日には、水平線上に伊豆七島の二島、大島と利島が浮き上がる。
この部屋をわたしは戯れに『月洋亭』と呼ぶ。
・・・(以下省略)・・・
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