ソテツと似たシダ

 維管束植物は種子を作るか胞子を作るかで、種子植物とシダ植物に分けられる。ソテツは種子植物のうちの裸子植物で、シダ植物とはかなり縁遠い。しかし、見た感じの形状が何となく似ているものもある。

 
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クサソテツ

 クサソテツはイワデンダ科クサソテツ属のシダ植物。名前にソテツとつくが、シダの代表のような姿で、ソテツと見間違えることはないだろう。
 山菜の「コゴミ」はクサソテツの新芽のことを言う。

撮影場所:国立科学博物館筑波実験植物園


ヤマソテツ

 ヤマソテツはキジノオシダ科キジノオシダ属のシダ植物。名前にソテツとつくが、これもシダの代表のような姿で、ソテツと見間違えることはないだろう。

撮影場所:東京大学小石川植物園温室


ヤブソテツ (シダ類 オシダ科ヤブソテツ属の植物)

 シダ類の中でオシダ科ヤブソテツ属の植物は、名前に「ソテツ」とつくが、ソテツとは縁遠い。特に、ソテツと似ているということもない。


オニヤブソテツ(学名:Cyrtomium falcatum C.Presl)
撮影場所:国立科学博物館筑波実験植物園
オニヤブソテツ(学名:Cyrtomium falcatum C.Presl)
撮影場所:愛媛県佐田岬

ナガバヤブオニソテツ
撮影:東京都赤塚公園
マムシオニヤブソテツ
撮影場所:国立科学博物館筑波実験植物園

クマヤブソテツ
撮影場所:筑波実験植物園  2022/6/4
ヒロハヤブソテツ
撮影場所:筑波実験植物園  2022/6/4


メヤブソテツ(Cyrtomium caryotideum) と ヤマヤブソテツ
撮影場所:国立科学博物館筑波実験植物園
ヤマヤブソテツの胞子
撮影場所:国立科学博物館筑波実験植物園



リュウビンタイ

リュウビンタイは大型のシダで熱帯・亜熱帯に自生する。温帯性植物しか見たことがない人だと、ソテツと誤解するかもしれないが、よく見ると全く違う。

ナンヨウリュウビンタイ(別名ホソバリュウビンタイ) 学名:Angiopteris evecta
 (奄美、琉球、小笠原、台湾、フィリピンなどに分布)   撮影場所:国立科学博物館筑波実験植物園

学名:Angiopteris pruinosa
撮影場所:国立科学博物館筑波実験植物園
リュウビンタイ(Angiopteris lygodiifolia)の根元
撮影場所:熱川バナナワニ園



木生シダ

日本本土では見られないが、シダの中には木生のものがある。幹はあまり太くないので、ソテツとはあまり似ていない。


 熱川バナナワニ園の屋外に木生のシダが植えられている。結構大きい。



ヒカゲヘゴ(Cyathea lepifera)
 ヒカゲヘゴは沖縄、台湾、フィリピンなどに自生するヘゴ科のシダで、尖閣にも自生する。


撮影場所:熱川バナナワニ園


メヘゴ(Cyathea ogurae)
 メヘゴは小笠原に自生するヘゴ科のシダ。

撮影場所:熱川バナナワニ園


タカワラビ科の木生シダ
 木生シダはヘゴ科のものが多いが、タカワラビ科のシダにも木生のものがある。

撮影場所:熱川バナナワニ園 Dicksonia artarctia
撮影場所:小石川植物園 2022/5



 下の写真はシシガシラ科ヒリュウシダ属のブレクヌム・ギッブム(Blechnum gibbum)。小型の木生シダでニューカレドニア・ニューヘブリデスの原産。

撮影場所:熱川バナナワニ園



 木生シダのほかにも、シダ類ではシシガシラ科(Blechnaceae)のソテツワラビ(Brainea insignis)のように、太めの茎が小さいソテツの雰囲気をしているものもある。しかし、このような植物は台湾や中国大陸には分布しているが、尖閣では知られていない。


最終更新 2022.6



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