福島原発事故後の30km圏(2) 後編ー浪江町・葛尾村・他

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福島原発事故から1ヵ月半あまりたった、2011年5月上旬に、福島県をドライブした。
それからさらに5ヵ月後の、2011年10月上旬、再び福島県に行った。


浪江町 

 汚染が激しい浪江町に入る。ここは、原発事故数日後には町民全員が退避した。特に汚染が激しい浪江町赤宇木の道端に、栗が落ちていた。誰も拾わないし、汚染されているので食べられない。




浪江町津島の診療所。傘立てには、5月にたずねたときと同じ傘があった。張り紙も変わっていない。




津島小学校の張り紙。5月と同じだが、ガムテープが古くなっていた。




津島小学校の校庭には、雑草が生い茂り、コスモスが咲いていた。学校には誰もいないようだったが、町には人が少しいた。犬の散歩の人もいた。




モノクロフィルムで撮ってみた。カメラはZorki-4、レンズはJupiter-8。人がいなくなって、だんだん自然に帰っていく。本来子供たちがいるはずのところに、誰もいないのは、恐ろしい。




津島では検問により、通行止め。この先にダッシュ村がある。神奈川県警の若い警察官が検問していたが、一日中、こんなに汚染が激しいところにいるのだろうか。




猫がバッタを狙っていた。猫は自分でバッタを採って食べられるけれど、犬は気の毒だ。途中、犬にもあった。人を見かけると喜んでよって来たので、ソーセージをやったあと、車を飛ばして、追いすがる犬を振り切った。しかし、特に痩せこけてはいなかったので、飼い主が、時折、えさやりに訪れるのだろうか。




主要道には検問の警察官がいるけれど、地方道は通行止めの看板と車止めだけ。




特に汚染が激しい、浪江町赤宇木で拾った栗。




空間線量計に反応する。

 この線量計は日本製のシンチレーションカウンターでかなり高精度だが、環境放射線強度を測る道具であって、食品の放射能検査に使うものではない。左写真は普通の状態。鉄筋コンクリートの屋内内で計測したので、放射線は低く0.026μSv/hを示している。右写真は浪江町赤宇木で拾った栗を置いた状態。明らかに数値が上がっている。

葛尾村

 葛尾村もある程度汚染されている。役場はひっそりしていて、誰もいない。5月にたずねたときは、役場の庭には車がいっぱいあったけれど、今はほんの数台。避難先に持って行ったのだろう。




向かいの小学校の校庭は草ぼうぼう。




人はほとんどいないけれど、時折、警察のパトカーが走っている。多摩ナンバーの警視庁のパトカー。





川内村


 川内村の汚染はそれほどではないので、そろそろ村民の帰宅が始まるようだ。しかし、小学校の除染作業は手付かず。児童が戻る当てはないのだろうか。




川内郵便局は営業中。5月に行ったときも営業していた。




川内村の畑。草ぼうぼう。来年以降の作付のためにも、草刈をしたほうが良いのだが。




防護服の人。日立アロカ製のシンチレーション型空間線量計を持っているようだ。この線量計は高精度。




地震で壊れた屋根の応急処置に草が生えていた。




阿武隈洞



30km圏を離れて、阿武隈洞へ。

風車群。風力発電や太陽光発電は事故を起こしても、原発事故のような被害は起こらない。




 阿武隈洞。秋の行楽シーズンの日曜日なのに、観光客が誰もいなかった。このあたりの放射能汚染は少なく、普通に生活して問題ないのだが、やはり観光客は来ないようだ。わざわざ、子供を、阿武隈につれてくる理由もないのだろう。この状態では、観光は成り立たない。




阿武隈洞の駐車場も閑散。


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