北方領土問題参考書
『流亡 日露に追われた北千島アイヌ』小坂洋右/著 道新選書(1992.7)
樺太千島交換条約で、北千島が日本の領土になると、国防上の観点から、北千島に住んでいたアイヌは、色丹島に強制移住させられた。生活の手段を失われた北千島アイヌは、色丹島で、人口を大きく減らし、民族として滅亡した。
第1章はイントロで、第2章から第4章が日露の北千島進出の歴史の説明。第5章6章は、日露の衝突から樺太千島交換条約までの歴史の説明。第2章から第6章までは、北千島アイヌのそのものの話よりも、日露の千島進出史が中心。この分野の歴史解説としては、かなり詳細。
第7章から第9章は、日本の領土になった以降の北千島アイヌの悲劇の歴史の説明。
第10章は、日立島アイヌが現在どのような状況におかれているのかを説明している。この本が執筆される20年前に、最後の北千島アイヌの生き残りが死亡し、北千島アイヌは絶えてしまっていた。この人は生前に北千島アイヌのことを語ることはなかった。
しかし、ポーランドに樺太千島交換条約のときにロシアに渡った北千島アイヌの末裔が住んでおり、その人の話が記載されている。
なお、『千島アイヌの軌跡 ザヨンツ・マウゴジャータ/著 草風館 (2009/04) 』では、ポーランドに北千島アイヌの末裔がいることに否定的である。
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