北方領土問題 参考文献:

 太字はお薦め本です


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北方領土問題 総合的な参考書


『北方領土問題を考える』 和田春樹/著 岩波書店(1990.3) 
 北方領土の歴史から説き起こし、外交文書の検討等、詳細緻密な考察により、北方領土問題を冷静に考察している。また、その上に立って、日露関係を見直している。北方領土問題を、感情に流されることなく、まともに考えようとする人には恰好の参考書。 北方領土がサンフランシスコ条約で放棄した千島列島(Kuril Islands)に含まれるのか否かを議論するために、重要な研究を含んでいる。
 
『北方領土問題 歴史と未来』 和田春樹/著 朝日新聞社(1999.3)  (本の表紙はここをクリック
 北方領土の歴史から説き起こし、外交文書の検討等、詳細緻密な考察により、北方領土問題を冷静に考察している。また、その上に立って、日露関係を見直している。北方領土問題を、感情に流されることなく、まともに考えようとする人には恰好の参考書。
 岩波書店の和田春樹の著書と内容的にはかなり重複するが、一般向け参考書の面が強い。
 
『北方領土問題と日露関係』 長谷川毅/著 筑摩書房(2000.4)  (本の表紙はここをクリック
 北方領土の歴史から法的問題、返還交渉全般にわたる詳しい解説。北方領土問題を正しく理解する目的では最適な図書のひとつ。日本国内向け返還運動の宣伝ではないただし、日ソ国交回復までの話は60ページ程度と少ないので、この部分は、要旨のみの記述である。ゴルバチョフ時代以降の北方領土交渉が詳しい。
 
『北方領土の歴史と将来』 洞富雄/著 新樹社(1973.5)
 本の半分は、千島、樺太の詳しい近代史である。北方領土問題にとどまらず、山靼交易など、日本北辺史が記述されている。北方領土問題に関しては、学術的立場から法的・歴史的な解説。ただし、他の図書に比べて、歴史的な視点が強い。
   
『北方領土を考える』 木村汎/編 北海道新聞社(1981.12)
 北方領土問題に対する多面的解説。中立的立場からの説明と、北方領土返還要求との両方が書かれている。
 
『日露国境交渉史 領土問題にいかに取り組むか』 木村汎/著 中公新書(1993.9)
 北方領土問題の解説書として有名。著者は、北方領土問題の第一人者として知られている、北大スラブ研所長だった木村汎氏。北方領土返還運動を日本国内向けに推し進めるために役に立つ、日本に都合の良い解釈を緻密な論旨で説明している。北方領土返還運動を、日本国内向けにのみ展開するための、知識がほしいと思っている人には、最適。しかし、北方領土問題を正確に知ろうとする人は、木村説を無批判に受け入れると、とんだ誤りを犯すことになるかも知れません。
   
『新版日露国境交渉史 北方領土返還への道』 木村汎/著 角川選書(2005.10) (本の表紙はここをクリック
 上記図書の改訂新版。北方領土問題理解のための参考書の1つではあるけれど、北方領土問題を正確に知ろうとする人は、木村説を無批判に受け入れると、とんだ誤りを犯すことになるかも知れない。
 
望月喜市/著『日ロ平和条約締結の活路―北方領土の解決策』 (ブックレットロゴス No. 11)(2015.10)  
 本書は、日ロの歴史を概説した後、北方領土問題についてふれ、平和条約の必要性と条約締結の障害について論じている。90ページ余りと薄い本なので、あまり詳しい内容はないが、日ロ交流史や北方領土問題・解決提言と、基本的なことはしっかり押さえられている。この問題を冷静に考えたい人には、参考になるだろう。
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『北方領土 Q&A80』下斗米伸夫/著 小学館文庫(2000.1.1)  (本の表紙はここをクリック
 北方領土問題の主要な項目がQ&Aの形でコンパクトにまとめられている。北方領土問題の全体像を簡易に理解するためには便利な本です。
 ロシアの経済は2000年以降急激に回復し、それに伴って、北方四島の経済も急回復します。この本は、ロシア経済がまだ回復する前の解説です。
 
北海道新聞社/編・著『イチから分かる北方領土』 (2019/6)
 126ページの薄い本。北海道新聞に連載された記事がもとになっているようで読みやすい。  ・・・More・・・
 
『アイヌ・モシリ アイヌ民族から見た「北方領土返還」交渉』 アイヌ・モシリの自治区を取り戻す会/編 御茶ノ水書房(1992.11) 
 アイヌの立場から、現在の北方領土返還要求批判。
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『北方領土はないという現実』 V・N・べレジン/著 江川昌/訳 世紀社(1979.9)
 北方領土はソ連・ロシアの領土であるとの立場からの解説。木村汎らの北方領土日本領にくらべ、論旨がこなれていないように思える。日ソ間の北方領土問題の関心の違いだろうか。
 
『千島問題の大洋における島々』ユ べ ゲオルギエフ/著 木村正孝/訳 本の風景社(2003年7月30日) (本の表紙はここをクリック) 
 ロシア側からの北方領土問題の解説。歴史問題、法的問題と多面的に扱い、更に、日ロ双方の主張を紹介している。本は自費出版のため入手しにくく、また、翻訳もこなれていないため読みにくい。
  
『国境・誰がこの線を引いたのか−日本とユーラシア』 岩下明祐/編著 北海道大学出版会(2006.6.25) (本の表紙はここをクリック
 この本は7つの章からなり、それぞれ執筆者が異なる。5つの章はコーカサス、中央アジア、印パ・中印国境、南シナ海、中ロ国境のそれぞれに対して、国境問題の現状や歴史的経緯、あるいは解決に至った道筋などの事実を説明している。これらの国境問題について、日本ではあまり知られていないので、国境問題を考える上で大いに参考になる。
 これらの章とは異なって、第一章は林忠行氏の『日本の外で固有の領土論は説得力をもつのか』との章題で、ドイツの事例を参照して、固有の領土論が国際社会で説得力をもたないことを説明している。
 
『日本の領土問題』 明石康/吹浦忠正/コンスタンチン・サルキソフ/袴田茂樹/著 自由国民社(虎ノ門DOJOブックス)(2002.10.1)
 4人の著者がそれぞれの別々に書いており、4つの章には特に関連性はない。明石氏の章は、国際情勢に関する説明であり、北方領土問題とは直接関係はない。吹浦氏の章は、日本の領土問題全般に関する説明。北方領土問題にも触れているが、ページ数が少なく、概略の解説のとどまる。サルキソフ氏の章は、北方領土問題を解決するに当たってのロシア側の問題を中心に書かれているが、ロシアの立場の主張ではなく、冷静に問題を取り扱っている。袴田氏の章は、最近の北方領土交渉に重点がおかれているが、内容は、鈴木宗男氏の個人的非難に終始している。この中で、袴田氏は二元外交と鈴木氏を非難しているが、鈴木氏は交渉に当たって常に総理大臣親書を携えていたので、袴田氏の非難には正当性はない。官邸主導の外交に対して、袴田氏らが外野席から自分の主張をごり押しして、政治を捻じ曲げることができなかったことに対する、ヤッカミではないかと思える。
 
『北方四島返還のすすめ 在住ロシア・ジャーナリストの提言』オレグ・ボンダレンコ/著 木村汎/監修 上月豊汎・赤地活喜/訳 日本放送出版協会(1994.6)
   色丹島在住ソ連人ジャーナリストによる、北方領土返還論。ソ連に都合の良い恣意的解釈を批判するところから、歴史・法律の解説を行っている。しかし、日本に都合の良い恣意的解釈に陥っているわけではなく、冷静に事実を分析している。結論で北方領土返還を主張しているが、これは、ソ連崩壊期の混乱した状況で日本の経済投資に期待するナイーブな感情からの返還論と思われる。このような考えは、ソ連・ロシアの混乱期に見られたが、少数意見に止まった。さらに、最近、ロシアの経済が好調なので、北方領土返還論は、ロシアでは、ほとんど見られなくなってしまった。
 ソ連・ロシアの混乱期に見られた北方領土返還論を、ロシア国内の大きな世論にする努力を、日本は全く行っていない。日本国内における北方領土返還運動の反省点である。
 
『北方領土』 総理府北方対策本部(1968.3)
『北方領土』 総理府北方対策本部(1973.3) (本の表紙はここをクリック
初期の『われらの北方領土』と同じようなパンフレット。本文10ページ、付属資料34ページと薄く、内容は乏しい。現在では、『われらの北方領土』のほうが内容が豊富でよいでしょう。
 
『われらの北方領土』 外務省情報文化局(1969.11) (本の表紙はここをクリック
『われらの北方領土 1978年版』 外務省情報文化局(1978.10)
『われらの北方領土 1991年版』 外務省大臣官房国内広報課(1991.3) (本の表紙はここをクリック
『われらの北方領土 1998年版』 外務省大臣官房国内広報課(1999.3)
『われらの北方領土 2002年版』 外務省国内広報課(2002.9) (本の表紙はここをクリック
『われらの北方領土 2003年版』 外務省国内広報課(2003)
『われらの北方領土 2004年版』 外務省国内広報課(2004.12)
『われらの北方領土 2005年版』 外務省国内広報課(2006.2)
『われらの北方領土 2006年版』 外務省国内広報課(2007.3)
『われらの北方領土 2007年版』 外務省国内広報課(2008.3) (本の表紙はここをクリック
『われらの北方領土 2008年版』 外務省国内広報課(2009.3)
『われらの北方領土 2009年版』 外務省国内広報課(2010.3)(本の表紙はここをクリック
 外務省発行の国内広報冊子。北方領土は日本の領土であることを説明している。このため、中立的立場で学習するためには、不十分である。ただし、日本政府の公式な立場の解説のため、北方領土問題学習のためには重要。外務省国内広報課に申し込めば、最新版を無料で入手できる。またインターネットでPDFファイルがダウンロードできる。
   
『北方領土』 北海道(1971.10.1) (本の表紙はここをクリック
 75ページの冊子。文字が大きく、難しい漢字にはルビが振ってある。子供向けに書かれているとも思えるが、内容はそこそこのレベルであり、大人が読んでも十分に参考になる。歴史的、地理的な内容は、外務省の『われらの北方領土』よりも、むしろ詳しい。
 
『北方領土のあらまし』 北海道(1973.8.1) (本の表紙はここをクリック
 北方領土の歴史・地理を初めとして、領土要求の正当性、および返還運動に対する説明がある。『われらの北方領土』に比べても、ずっと詳しい。特に、返還運動の説明は詳しい。歴史および領土要求の正当性の根拠は、日本に都合のよい部分を抜書きしたような説明であるため、この本だけでは正しい理解は不可能だろう。
 P18にちょっといただけない説明がある。歯舞色丹が千島列島に含まれない根拠に、SCAPIN677で歯舞色丹が千島列島とは区別されていることを挙げている。もし、これを根拠とするならば、国後択捉は千島列島に含まれているので、その点の説明が必要であるにもかかわらず、国後択捉が千島列島に含まれない根拠の説明では、SCAPIN677に全く触れていない。結局、理論的に明快な説明を目的としたものではなくて、知識が乏しい日本人に北海道の方針に賛成させるように仕向ける目的で書かれているのだろう。
  
『日本の北方領土』 北方領土問題対策協会(1974.8.15) 
『われらの北方領土』と類似した内容であるが、歴史的経緯の説明が多い。ただし、日本に都合よく書かれているので、一面的な記述との感は否めない。和田春樹氏の詳細な解説が世に出ている現在、この図書のような記述は学習の意義は少ないだろう。 
 
『沖縄 北方領土 付・小笠原諸島』 時局研究会/編 南方同胞援護会・北方領土復帰期成同盟/協力 埼玉新聞社(1971年3月25日)
 沖縄がメインであるが、北方領土の説明もある。戦前の写真が豊富。解説は、北方領土に本領との立場であるが、内容は、『われらの北方領土』の域を出ない。
 
『北方領土』吉田嗣延/著 時事通信社(1978.3 初版1968) (本の表紙はここをクリック
 外務省発行の国内広報冊子と同様な視点で書かれている。資料を含めて、ずっと詳しい。特に、戦前の千島の状況が詳しい。『われらの北方領土』の学習をさらに深めたい場合には有用。ただし、出版が若干古いので、新しい研究成果が含まれていない。
 
『日本の領土 北方領土』 根室市総務部企画課領土対策係/編 北海道根室市(1970.6.1) (本の表紙はここをクリック
『北方領土 日本の領土』 根室市役所総務部国際交流課領土対策係/編 根室市(1994.10) (本の表紙はここをクリック
 版を重ねて出版している。パンフレットではなく、300ページを越える本である(1970年発行のものは200ページ強)。外務省パンフレット『われらの北方領土』と同じような立場で書かれているが、戦前の北方領土の状況や、戦後、地元での返還運動が詳しく説明されている。
 北方領土は日本の領土であることの根拠を「固有の領土」に置いているが、固有の領土の用語の定義が一定しない。すなわち、固有の領土とは、もともと日本の領土であったところと説明しておきながら、ロシアが先に開発した北千島を、日本の固有の領土であると主張している箇所がある。このように、最大の論拠である「固有の領土」の定義が一定しないことは、とりもなおさず、日本の領土要求は根拠が十分でないことを示しているようで、興味が持てる。 
 
『北方領土の地位−千島・樺太をめぐる諸問題−』 吉田嗣延/編 南方同胞援護会(1962.3.31)
発行が古く、入手は困難かもしれない。北方領土の歴史・法的問題・漁業・政治・返還運動に関して十数名の専門家がそれぞれの立場で解説している。
 
『日ソ平和の条件』 進藤栄一/監修 国際親善交流センター/編 にんげん社(1987.1.20)
 1970年代から1980年代前半にかけて、1985年危機説が言われたことがあった。即ち、1985年にソ連が第三次世界大戦を起こして、日本に戦争を仕掛けてくるような荒唐無稽な話だった。このような宣伝により、自衛隊の増強、右傾化を果たしたわけであるが、1985年を過ぎると、当然のごとく、1985年危機説は根拠のない作り話であったことが明らかになった。
 本書は、このような反省に立って、日ソ関係をどのように進めたらよいのか、20名弱の人たちの論説集である。すべて、日ソ平和を説くものであり、日本の軍拡を解くものは一つもない。
 北方領土問題に関しては、グレゴリー・クラーク、竹岡勝美、和田敏明、伏田昌義氏により、それぞれの立場で、現実的解決方法が提言されている。
 
『北方領土問題 4でも0でも、2でもなく』 岩下明裕/著 中公新書(2005.12)
 著者は、ロシア・中国国境画定問題の研究者として知られています。この本では、前半で、ロシア・中国国境が、お互いの妥協によって確定されたことを説明しています。後半では、この経験をどのように日ロ国境画定に生かすべきかを考察しています。 北方領土は、どのように解決すべきなのだろうかとの視点で、問題を考える場合には、たいへん、参考になる書籍です。
 
『いま、北方領土は』 北海道新聞調査研究室 北海道新聞社 道新ブックレット18(1989.2)
 薄い本では有るが、北方領土問題の概要から、日ソ両国の主張、北海道における北方領土返還要求のアンケート調査まで、コンパクトにまとめられている。
 
『北方領土 ソ連の五つの選択肢』 木村汎編/著 ボリス・スラヴィンスキー 読売新聞社外報部協力 読売出版社(1991.5)
 北方領土問題について、ソ連側のいろいろな主張が詳しくまとめられている。ソ連の主張を知る上で重要。
 
『日ソ領土問題の真実』 西口光/編著 新日本出版社(1981.6)
 日本共産党の全千島返還論主張。日本共産党は、日本の有力政党の中で唯一、全千島の返還を主張している。本書はその根拠を明らかにしたものである。樺太千島交換条約により日本の領土になった千島を、ソ連が占領しているのは、レーニン主義の原則に反したスターリン主義であるとの主張である。しかし、もともとの住民であるアイヌの立場をまったく考慮しないで、樺太千島交換条約を絶対視し、さらに、レーニンの理想が政治の根本原則であるかのような主張は、日本共産党のためだけの政治宣伝に過ぎないだろう。
 なお、参考資料として、『日ソ両共産党の南千島に関する合意(1959年)』が掲載されている。『日本政府の側からソ連邦にたいして領土要求を出すことは、なんらの合法的根拠をもっていない』と明記されており、日本共産党は、北方領土返還に反対していたことが分かる。
 
『アジア集団安全保障とクリール(千島)問題』 志賀義男/著 四谷書林(1973.9.10)
 著者は元日本共産党幹部で、宮本との路線対立により、共産党を離れた人。本の1/3程度は、北方領土の歴史と北方領土問題の解説。この部分は、いろいろな文献を元に、手際よくまとめている。残りの多くは、宮本路線の批判。
 
『北方領土の地政学』 恵谷治/著 光文社(1989.6)
 江戸時代からの歴史的経緯を含めて、北方領土問題の全容がコンパクトにまとめられている。条約解釈など法律問題に関しては、北方領土は日本の領土であるとの立場からの説明であるが、議論の精密さに欠ける。北方領土問題全体を簡単に理解するために、便利な書籍。
 
『アイヌ・北方領土学習にチャレンジ』 平山裕人/著 明石書店(2005.1.10)
 著者は小学校教諭。小中学生にアイヌ・樺太千島問題を教えるための資料として書かれている。子供に教えることを目的としているため、平易に書かれているが、論証の厳密欠ける感は否めない。本の半分はアイヌ問題及びアイヌ史であり、残りの半分のうち多くは南樺太におけるソ連との戦闘を扱っており、北方領土の記述は少ない。
 記述は日本政府の立場とは明らかに異なる。ソ連・ロシアの立場ではない。アイヌが関係しているところはアイヌの立場で書かれています。アイヌが関係ないところは中立的です。
  
『北方領土 その歴史と将来展望』 酒井良一/著 教育社
 北方領土は日本の領土であるとの立場からの説明であるが、内容が少なく、特に、日本に都合の良い事実が多く取り上げられており、この本だけを読んだのでは、正しい理解は得られないだろう。
 
『北方領土』 六角弘/著 ぴいふる社(1991.12)
 歯舞・色丹・国後・択捉島の地理・歴史・現状の記述が詳しい。領土問題としての記述もあるが、こちらは北方領土日本領論の立場からの概説。
  
『ソ連より日本人へ 北方領土が還ったら我々に何をしてくれるのか?』 ノーボスチ通信社 川上洸/訳 新森書房(1991.1.10)
 本のタイトルは、どぎついけれど、内容はおとなしい。北方領土問題は少なく、ソ連の内政問題・日ソ関係問題が多い。ゴルバチョフ時代の混乱期に、ソ連のこれまでの政治をある程度反省した内容になっている。この時期、ソ連は経済的に苦境に立たされていた。このため、北方領土問題を解決して、日本からの経済援助を期待する論調があった。この本の北方領土問題に触れた部分は、そのような期待は、幻想に過ぎないとしている。
 冷静に現状を分析し、それを解説している態度には好感が持てる。しかし、ゴルバチョフ末期のソ連混乱期の分析であるため、現在のロシアにはそのまま当てはまることも無い。今となっては、北方領土問題の理解には、あまり役に立たないかも知れない
 
『北方領土と日本海経済圏』 板橋守邦/著 東洋経済新報社(1991年3月14日)
北方領土・サハリン・極東地域の歴史と、経済・産業の現状の説明。歴史の部分は中立的観点でコンパクトにまとまっている。経済・産業の部分は出版当時のものなので、現在では、だいぶ変わってしまっている。
 
『我が北方領土の航跡を辿る 』 今野宗郎/著 鳥影社(2000.1)
 江戸時代から樺太千島交換条約までの歴史と、返還運動の解説が詳しい。幾つかの本を参考にして書いているようであるが、独善的、があるなど、内容の信頼性には若干疑問を感じる。参考書として、和田春樹の本を挙げている章が多い(特に歴史解説)が、この本を読むよりも和田の本を読んだほうが間違いが無くてよいだろう。
 
『奪われた北の島々 北方領土返還を求めて」 細谷典男/著 かや書房(1984.10.1)
 著者は、執筆当時、日本電信電話公社(現NTT)労働組合員。現在、民主党所属、茨城県取手市議。
 第2次大戦後のソ連の領土拡張をレーニン主義に反すると批判している。このような、ナイーブな議論が当時の革新陣営にあったという、歴史的事実はおもしろいが、ソ連批判の理由にはならない。北方領土問題の歴史的経緯にも触れているが、日本に都合よくかける事実のみをつまみ食いしているような記述で、役に立たないだろう。
 北方四島返還論に立つ主張であるが、多くは、政府パンフレットの域を出ない。特徴的なところは、レーニン主義の原則により、北方四島返還論を主張ている点である。しかし、ソ連政治は、レーニン主義の原則にしたがっていたわけではないので、無意味な主張に思える。
 
山県泰三/著 『千島は訴える 屈従の29年』 昭和48年(教文社)
 古い本なので、あまり読む機会はないだろう。内容もあまり参考になるものではない。著者は国後島元校長。本書は、@ソ連進駐、A漁船拿捕、B千島のいくつかの話、C北方領土返還主張関連 と 独立した話題が記載されている。 ・・・More・・・
 
志位和夫/著『領土問題をどう解決するか―尖閣、竹島、千島』
  共産党・志位和夫委員長の領土問題解説。
 日本の領土問題である、北方領土・竹島・尖閣について、歴史的・国際法的立場からの解説と、共産党の解決案あるいは政策の説明。歴史的・国際法的立場の解説は、基本的に、日本政府の説明と特に変わったところはないので、この部分に関心のある人に、本書はあまり参考にならないかもしれない。 ・・・More・・・
 
新崎盛暉、岡田充、高原明生、東郷和彦、最上敏樹/著 『岩波ブックレット 「領土問題」の論じ方』 (2013/1) 岩波書店
 領土問題では、とかく自国の主張だけが絶対に正しいとする、偏狭なナショナリズムが主張されがちであるが、外交的解決を目指すならば、お互いに冷静な判断が必要である。 本書は、5人の著者が領土問題に取り組む姿勢(ことを荒立たせない智恵)を論じている。冷静になるためには、このような主張に耳を傾ける必要があるだろう。  ・・・More・・・
 
舟田次郎/著 千島問題を考える 1979.4 たいまつ新書(たいまつ社) 
  北海道新聞記者による北方領土問題の解説。北方領土は日本固有の領土であり、日本の権利回復要求として、叫ばれているが、このような単純な図式に疑問を持った視点で、北方領土問題が捉えられている。
 本の内容は、国際法上の問題、返還交渉の経緯、地元の利益と密漁など、筆者独自の視点で描かれている。特に、法理の章では、北島丸事件と寺沢鑑定を取り上げることにより、日本に都合の悪い事実もまじめに取り上げて、検討しようとする態度に、好感が持てる。
 本書は、出版からだいぶ経ち、すでに、絶版となって久しいが、今なお、学習の価値は失われていない。  ・・・More・・・
 
小笠原信之、 大沼安史/著『「北方領土問題」読本』(2012/11)緑風出版 
  北方領土問題の総合的な解説書。冷静な分析に好感が持てる。
 本の内容は、北方領土問題を18のテーマ間に分けて、それぞれについて解説している。北方領土問題の歴史的経緯、冷戦下の米ソ対立と北方領土交渉の関係、ソ連崩壊後の領土交渉など、内容は、北方領土問題をほぼすべて網羅している。 ・・・More・・・
 
和田春樹/著『領土問題をどう解決するか 対立から対話へ』 平凡社新書(2012.10.15) 
 著者は、ロシア史が専門であり、北方領土問題で日本政府の論に反対する論客として有名。本書は、日本の領土問題である、北方領土・竹島・尖閣の解説であるが、大半は北方領土問題に当てられ、竹島・尖閣は少ない。
 本書は、「固有の領土」論の欺瞞性を指摘し、領土問題の解決のために、「固有の領土論」を捨てることを主張する。
そのうえで、北方領土問題の経緯と、クナシリ、エトロフを日本が放棄した事実を指摘し、2島返還+αの解決を主張している。 
・・・More・・
 
論点整理 北方領土問題 石郷岡建/著、東洋書店 (2012/04)(ユーラシアブックレット) 
  北方領土問題が日本で語られるとき、日本政府に都合のよい主張のみが繰り返される傾向にある。
 本書は、中立的観点から、日ロの論点を整理したもの。北方領土問題に関心のある人は、一通り目を通しておく価値がある本だ。ただし、60ページあまりと短いので、詳しいことには触れられていない。 ・・・More・・・
 
山県泰三/著 なぜ「北方領土」か 三省堂(1983.1) 
  北方領土の地誌、領土問題の発生のいきさつ、千島列島の歴史、領土交渉など、北方領土問題について幅広く扱っている。著者はそれなりに、詳しい知識を持っているように思える。
 しかし、知らないことに、自分勝手な、推論を展開して、独りよがりな結論に達している点が多々見られる。 ・・・More・・・
 
ロシアへの反論(安全保障問題研究会編) 
 1999年に文春新書から『変わる日ロ関係(安全保障問題研究会編)』が出版された。この本は、Q&A形式で、北方領土問題を解説している。内容は、同じ頃出版された『北方領土 Q&A80(下斗米伸夫/著)』にくらべ、日本に都合の良い我田引水的解説が目立つものと感じる。 ・・・More・・・
 
『日本の領土』 芹田健太郎/著 中央公論新社(2002.5)
 
『元島民が語る われらの北方四島 ソ連占領編』  (1988年3月)   制作:北方ライブラリー制作委員会 委員長:木村汎
 古い本であり、販売されたものではないので、大きな図書館に蔵書がある程度で、一般には、ほとんど 見る機会はないが、ソ連占領当時のようすを、旧島民の証言を元に、まとめた本なので、この問題 に関心のある者にとっては、欠かせない一冊。しかし、住民の証言は良いとして、タイトルや、編者の解説はいただけない。内容と異なることを平気で書いて 、事実でないことが、さも事実であるように書かれている箇所が散見される。    ・・・More・・・
 
『北方領土・竹島・尖閣、これが解決策 』 岩下明裕/著 (朝日新書 2013/7) 
 本のタイトル通り、日本の領土問題解決策の提案。
 著者は、ロシア関係が専門だが、最近は、境界問題の研究者として有名。ロシアと中国では、長年の懸案であったアムール川の中島の領有権問題を折半する形で解決した。歴史的には中国領だったが、近現代の歴史の中でロシア領となったところなので、現状からすると、ロシアの大きな譲歩だった。著者はこの時の解決を元に、2005年には、北方領土解決策の提案を著わしている。本書は、北方領土のほかに、竹島・尖閣についても、解決策を提示しているもの。 
  ・・・More・・・
 
『領土問題から「国境画定問題」へ -紛争解決論の視点から考える尖閣・竹島・北方四島-』 名嘉憲夫/著 (2013/7) 明石選書
 日本の領土問題である、北方領土・竹島・尖閣を、日本では、これらを固有の領土であると主張しているが、著者は、過去に平和裏に解決したときのように、国境画定問題として対処すべきと説いている。 文献の引用箇所の情報が詳しく、領土問題を研究する上で、便利な本。  ・・・More・・・ 
 
須田諭一/著『北方領土問題、その原点はなにか?』メトロポリタン新書(2015/11)  
本書は、これまで日本でいろいろと言われている北方領土問題の研究・解説・解釈をまとめたもの。日本政府の主張に都合のよいことを書くのではなくて、おおむね史実に沿った中立的な記述がなされている。北方領土問題に対する新しい知見があるわけではない。
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北方領土問題 法律関係の参考書


『国際法からみた北方領土』 高野雄一 岩波ブックレット(1986.5)
   薄いブックレットであるが、北方領土問題を国際法の立場から明快に説明している。
   
『戦後日本の再構築 領土 外国人参政権 九条と集団的自衛権 東京裁判』広瀬善男/著 信山社(2006.8.30)(本の表紙はここをクリック
  戦後日本の領土・外国人参政権・集団自衛権・東京裁判の問題を、主に国際法の立場から専門的に検討している。テーマが多義にわたるため、個々の問題に対しては、説明不足の感がある。北方領土問題に関しては、最初の30ページほど。著者は、日本には北方領土を要求することは可能との論であるとの見解であり、また、竹島問題については、日本の領有権要求に対して、かなり否定的な見解である。しかし、どちらの問題も、もう少しいろいろな視点から検討して欲しかった。
 
『サンフランシスコ平和条約の盲点』 原貴美恵/著 渓水社(2006.6.10) (本の表紙はここをクリック
 この本は、学術論文であって、一般向けの解説本ではない。サンフランシスコ条約における領土問題処理のうち、戦後冷戦構造の中で問題点として残された事項を詳細に説明。
 内容は、朝鮮処理・台湾処理・千島処理・ミクロネシア処理・南極・南沙西沙処理・琉球処理のそれぞれに対して、詳述されている。参考文献も多い。
  
『日ソ国交回復の史的研究 戦後日ソ関係の起点:1945〜1956』 田中孝彦/著 有斐閣(1993.9.30)
 8章のうち、最初の1章はサンフランシスコ条約交渉における、北方領土の扱いであり、他の章は、日ソ国交回復交渉の経緯について書かれている。内容は、詳細厳密である。日ソ国交回復交渉の専門的研究書。
 
『北方領土問題の真相 千島列島とヤルタ会談』遠藤晴久/著 有信堂(1968.6.1)
 ヤルタ協定のいきさつと法的問題を中心に、北方領土問題を説明している。ただし、その後明らかになったことや、新たな議論もあって、今ではこの本の内容は時代遅れになっているように感じられる。
 
『世界の領土・境界紛争と国際裁判 外交交渉と司法的解決を目指して』 金子利喜男/著 明石書店(2001.5.31)
 日本の領土問題の解説、領土問題における国際裁判の利用、領土問題に関する国際裁判の解説の3つからなる。領土問題に関する国際裁判の解説では、北方領土問題などと国際裁判の関連を知るために重点が置かれている。日本の領土問題解決に国際裁判を利用すべきと主張している。
 1933年の東部グリーンランドの法的地位事件の解説では、地理上の名称を用いた条約では、名称は普通の意味で解釈されなくてはならないとの原則が示された。このため、国際司法の場では、サンフランシスコ条約で日本が放棄した千島には、国後・択捉が含まれると解説している。
 
『領土帰属の国際法』 太寿堂鼎/著 東信堂(現代国際法叢書)(1998.8.28)
 領土の先占は国際法上どのように成立してきたのかを説明し、そのあとで、竹島・北方領土問題に当てはめて、領有権問題を説明している。ただし、昔の論文・講義をまとめたような内容で、一冊の本として、突っ込んだ議論が十分なされていないような印象を受ける。竹島問題については、すでに誤りが指摘されている点が多い、川上氏の研究成果をそのまま事実としているなど、今となっては、事実関係の点で既に時代遅れの感を受ける。北方領土に対しては、国際法の観点からの説明は少なく、歴史的観点の説明が大部分を占める。しかし、それも、記述の内容が少ないため、この本だけで満足な理解は得られないだろう。
 
国際判例研究 領土・国境紛争 波多野里望、筒井若水/編著 東京大学出版会(1979.2.28)
 領土問題に関する紛争で、仲裁裁判・司法裁判の判例の解説
  
『東京裁判 上巻・中巻・下巻』 朝日新聞法廷記者団/編 東京裁判刊行会(1962)
 東京裁判の起訴状・弁護側反論・判決・少数意見の多くが日本語に翻訳されている。東京裁判を知る上で欠かせない資料。
 
『東京裁判 上・下』 朝日新聞東京裁判記者団 講談社(1983)
 東京裁判の経緯の説明。


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北方領土問題 重要な資料集


『日露間領土問題の歴史に関する共同作成資料』 日本国外務省/編・ロシア連邦外務省/編 日本国外務省(1992年) (本の表紙はここをクリック
 日本とロシア政府による共同作成資料。右側からは日本語、左側からはロシア語で書かれている。
 日本語文は、外務省のホームページで見ることができる。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/1992.pdf 
 この文書は、日本とロシアの間で合意されたものであるため、領土交渉の基本になるとの考えをする学者も存在する。しかし、冷静に考えてみれば、日ロ間には過去にこのような文書が存在したという歴史的事実を両国間で認識したものであって、そこに書かれている内容が正しいとか、その通りに今後交渉するとか、そのようなことを意味するわけではないので、過剰に評価することは禁物である。
 
『北方領土問題資料集』 南方同胞援護会 (1966.6.30)
北方領土問題関連の、重要な外交文書等の資料集。日本語文のみであるところが残念であるが、北方領土問題研究には重要。
 
『新聞集成 北方領土 上巻 1947年〜1979年』 戸丸広安 大空社(1993)
『新聞集成 北方領土 下巻 1980年〜』 戸丸広安 大空社(1993)
   北方領土問題関連の新聞記事の切り抜き。重要な記事が必ずしも網羅されているわけではないが、北方領土問題研究には便利な書籍である。
   
『日本外交史27 サンフランシスコ平和条約』 西村熊雄/著 鹿島平和研究所/編 鹿島平和研究所出版会(1971)
 サンフランシスコ平和条約締結当事者による条約締結のいきさつの説明。交渉当事者の説明である為、非常に参考になるが、外交秘密との関係で、必ずしも明らかにしていない部分が多いようである。北方領土問題関連の話題は少ない。
 
『日ソ基本文書・資料集』 茂田宏 他/編 世界の動き社(1988.11)
 日ソ間の条約を初め、重要な外交文書等の資料集。日本語文のみであるところが残念であるが、北方領土問題に限らず、日ソ関係の研究には重要。
 
『北方領土の神社 千島・北方領土社寺教会日露共同調査報告書』北方領土文化日露共同学術交流実行委員会/編 北海道神社庁(2005.9.1)
 千島・北方領土の神社等の詳細なデータ。所在地・簡単な沿革の一覧があります。また、実地調査による現在の状況等、内容豊富。この分野の研究には欠かせない基礎資料です。
 
史料検証 日本の領土 百瀬孝/著 伊藤隆/監修 河出書房新社 (2010/8/25)  
 幕末から戦後まで、日本の領土問題関連の条約等の公文書を記載し、それに対して簡単な解説をしている。領土問題を原典から理解するためには便利な書籍。ただし、領土問題の解説書としては、解説文が少ないので、それほどこの問題に詳しくない人がいきなりこの本を読んでも、誤解の恐れもあり、領土問題の正しい理解は難しいかもしれない。
 この本の解説は、基本的に、日本側の文書なので、日本の領土認識である。現在、日本政府は現政権に都合の良いように説明されているが、この本は歴史的文書の解説であるために、必ずしも現在の日本の領土主張の解説にはなっていない。
 著者の力量だろうか、解説には疑問もある。 ・・・More・・・


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北方領土問題 歴史解説



北方領土問題 歴史解説
北方領土問題関連の歴史 北方領土問題関連の現代史 アイヌ・北辺史 日露・日ソ関係史



北方領土問題関連の歴史

『北方領土の歴史と将来』 洞富雄/著 新樹社(1973.5)
 本の半分は、千島、樺太の詳しい近代史である。北方領土問題にとどまらず、山靼交易など、日本北辺史が記述されている。北方領土問題に関しては、学術的立場から法的・歴史的な解説。ただし、他の図書に比べて、歴史的な視点が強い。
『クリル諸島の文献学的研究』 村山七郎/著 三一書房(1987.8)
 文献学的に、北方領土は千島列島(Kuril Islands)に含まれることを明らかにした専門的研究書。北方領土がサンフランシスコ条約で放棄した千島列島(Kuril Islands)に含まれるのか否かを議論するために、重要な研究である。
『千島はだれのものか―先住民・日本人・ロシア人 』(ユーラシア・ブックレット) 黒岩幸子/著 (2013/12)東洋書店
 1960年代に、政治的に、北方領土の概念が作られたことにより、日本人の中では、南千島と北千島が別個のものとして認識されるようになった。本書では、このような立場から離れて、千島列島全体を、そこに関与したアイヌ・日本人・、ロシア人たちの歴史としてとらえる。北方領土問題を直接取り扱った本ではないが、長い間、膠着状態にある北方領土問題の解決策を考える上で参考になる。
  ・・・More・・
『樺太・千島考古・民族誌 1』 馬場脩/著 北海道出版企画センター(北方歴史文化叢書)(1979/3)
 馬場脩は、明治末から昭和初期にかけて、千島や樺太などで考古学調査を行い、北方地域の考古学研究の先鞭をつけた研究者。
 本書は、馬場脩の幾つかの論文をまとめたもの。この中に、北千島・占守島の3回にわたる発掘調査の記録がある。
 ・・・More・・・
『蝦夷地の征服 1590-1800 日本の領土拡張に見る生態学と文化』 ブレット・ヴォーカー/著 秋月俊幸/訳 北海道大学出版会(2007.4) (本の表紙はここをクリック
 北海道に日本が進出し、征服した歴史を克明に記述している。千島については、日本の進出のほかに、ロシアの進出の歴史も詳しく記述されている。この分野の学習には最適な教科書の一つ。
『岩波講座 近代日本と植民地 1 植民地帝国日本』 大江志乃夫・他/編 岩波書店(1992.11.5)
 戦前日本の植民地形成・統治の歴史全般を扱っている。全12章のうち、第4章では北海道を内国化した歴史(田村貞雄)、第6章では日本が千島を領有・統治した歴史(秋月俊幸)を解説している。
 本書は、日本の植民地進出過程を扱った専門的な解説書であり、大学の教養以上のレベルの内容である。「北方領土は日本の固有の領土」などと言う、低俗なスローガンでは物足りないと考え、正確な知識を得たいと思う人には、ぜひとも読んでもらいたい内容である。
『千島概史』 高倉新一郎/著 (昭和35年)南方同法援護会
古い本なので、読む機会はほとんどないと思う。千島の歴史を、ざっと理解しようとする人には好適かもしれない。 ・・・More・・・
『北方領土の幻覚』 和田敏明/著 叢文社(1981.6)
 幕末に締結された下田条約(日露修好条約)までの、千島における日露の歴史が詳しい。北方領土問題に関しては、二島返還論を主張しているが、この部分は本書の内容の主題ではない。
『北方領土と日ソ打開』 和田敏明/著 叢文社(昭和57年11月25日発行)
 ロシアの千島進出から日露和親条約までの北方領土の歴史が詳しく説明されている。この地域の1850年以前の歴史を知る上で格好の参考書。「北方領土は日本の固有の領土」など言う、ずさんな歴史認識を改める上でも、多くの人に読んで欲しい著書である
『サハリンの歴史』 M・Sヴィソーコフ他/著 北海道撮影社(2000.1)
 ロシア人による、サハリン・千島史。日本人著者と違った視点があって面白い。
『幕末北方関係史攷』大熊良一/著 北方領土問題対策協会(1972.9.25)
 以下の6つの論文を収録。近代、前近代の千島などに対する日露の進出の様子を説明している。独立した論文6編を収録しているため、内容に重複がある。『岡本文平とその北門鎖鈴の理念』『日露通好史におけるプチャーチン』『北地探検の地理学者松浦武四郎』『毛皮を求めるロシア人の東漸史』『ロシア人による北方海域探検の歴史』『カムチャツカの探検航海の一駒』
『エトロフ島 つくられた国境』 菊池勇夫/著 歴史文化ライブラリー 吉川弘文館(1999.11)
 択捉島へは、日ロ双方が進出しているが、そのうち、択捉島へ日本が進出して言った様子が克明に示されている。ロシアの進出については詳しくない。
『北方領土物語』 戸部新十郎/著 国土社(1975.11.25)
 幕末期の北方史を、小学生向けに、書いたもの。ハンペンゴロウの警告からゴローニン事件までを扱っている。小学生向けであるので、言葉のニュアンス等に若干の問題は有るが、おおむね正確な歴史書。現在の北方領土問題の話はない。
『三十七本のイナウ』 根室シンポジウム実行委員会/編 北海道出版企画センター(1990.10)  (本の表紙はここをクリック
 クナシリ・メナシの戦いを総合的に説明している。江戸末期における北方領土の歴史を知るうえで重要。
『クナシリ・メナシの戦い』 根室市博物館開設準備室 根室歴史研究会(1994.9) (本の表紙はここをクリック
 クナシリ・メナシの戦いをコンパクトに説明している。
『最上徳内』 島谷良吉/著 吉川弘文館(1977.8.1)
 最上徳内の伝記。最上徳内は日本で最初にエトロフ島を探検した人。北方領土が日本の領土とされた経緯を知るのに役に立つ。この本では、千島がもともと日本の領土であることを前提とした記述になっている。最初に探検する以前から日本の領土であることを前提にした記述になっている部分は理解しにくい。
『北の時代』秦恒平/著 筑摩書房(1984.6.30)
 文章が冗長なので、最初の部分を読んだだけです。最上徳内の伝記を扱っています。
『北方の王者 高田屋嘉兵衛』 柴村洋五/著 亜紀書房(1978.7.5)
 国後・択捉島間の航路を開いた高田屋嘉兵衛の伝記。択捉島航路、択捉島経営までの話は、全体の1/3たらずで、残りの大半はゴローニン事件とその関連の話題。司馬遼太郎『菜の花の沖』とあわせて読むと面白い。
『菜の花の沖』 司馬遼太郎/著 文芸春秋(1983)
 ノンフィクション小説。択捉島航路を開き、択捉島開発に功績のあった高田屋嘉兵衛の足跡。日露の出会いから、日露国境交渉の話題まで、詳しく説明してあります。
『流亡 日露に追われた北千島アイヌ』小坂洋右/著 道新選書(1992.7)
 樺太千島交換条約で、北千島が日本の領土になると、国防上の観点から、 北千島に住んでいたアイヌは、色丹島に強制移住させられた。生活の手段を失われた北千島アイヌは、色 丹島で、人口を大きく減らし、民族として滅亡した。  第1章はイントロで、第2章から第4章が日露の北千島進出の歴史の説明。第5章6章は、日露の衝突 から樺太千島交換条約までの歴史の説明。第2章から第6章までは、北千島アイヌのそのものの話よりも 、日露の千島進出史が中心。この分野の歴史解説としては、かなり詳細。  第7章から第9章は、日本の領土になった以降の北千島アイヌの悲劇の歴史の説明。  第10章は、日立島アイヌが現在どのような状況におかれているのかを説明している。この本が執筆さ れる20年前に、最後の北千島アイヌの生き残りが死亡し、北千島アイヌは絶えてしまっていた。この人 は生前に北千島アイヌのことを語ることはなかった。  しかし、ポーランドに樺太千島交換条約のときにロシアに渡った北千島アイヌの末裔が住んでおり、そ の人の話が記載されている。 ・・・More・・・
千島アイヌの軌跡 ザヨンツ・マウゴジャータ/著 草風館 (2009/04)
 著者は、北海道大学・千葉大学で千島アイヌ研究を行っている。  千島アイヌとは、北千島・占守島を中心に、北千島に居住してた100人ばかりのアイヌのこと。北海道 アイヌとは異なった言語を持っていた。樺太千島交換条約以降に色丹島に強制移住させられ、そこで次第 に人口を減らす。戦後の生き残りは日本に移住したが、千島アイヌ語を話すものはいなくなった。  これまで、色丹島強制移住後の千島アイヌの状況を紹介する本はあったが、ロシア統治下の千島アイヌ の研究はなされていなかった。本書は、日ロ双方の資料を基に、ロシア統治下から終戦までの千島アイヌ のおかれた状況を詳細に研究している。 ・・・More・・・
『ロシア人宣教師の 蝦夷地旅行記』 セルギー/著 佐藤康彦/訳 新読書者(1999.7.25)
 1889年に北海道の正教徒を布教のために、北海道旅行した正教会の掌院(主教と司祭の中間職で主教職候補者)セルギーの手記を翻訳したもの。
 セルギーは主教ニコライと共に、8月6日函館に到着し、根室・色丹・エトロフを回った。8月13日、シコタン島で、北千島アイヌのために祈祷を行った。このとき、北千島アイヌにはロシア語を話せるものもいたが、日本語の方がわかりやすかったので、祈祷は日本語で行っている。その後、8月24日に、主教ニコライは帰京した。
 ニコライ帰京後、セルギーは日本人司祭とともに、札幌・幌向・室蘭・旭川・増毛・稚内・小樽・岩内などをまわり、信者慰問・祈祷をおこない、10月12日に函館に戻った。
『千島紀行』 ステン・ベルクマン/著 加納一郎/訳 時事新書(1961.4)   (本の表紙はここをクリック
『千島紀行』 ステン・ベルクマン/著 アサヒ文庫(1992.8)
『千島列島をめぐる日本とロシア』 秋月俊幸/著 北海道大学出版会 (2014/5/25)
 日本北辺史研究の大御所による執筆なので、研究の集大成だろうと思って期待して読んだ。しかし、ちょっと、違ったようで、研究の集大成ではなくて、一般向けの歴史解説を目指しているものと思われる。参考文献も、たくさん記載されているが、どの記述に、どの文献の、どこを参考にしたのか、分からないので、研究の手助けにする目的では、使いにくい。本の内容は、日露の千島進出から、近年の領土問題まで歴史の順を追って説明している。  ・・・More・・・
『千島列島に生きるアイヌと日露・交流の記憶』 北海道立北方民族博物館 2009/7
 北海道立北方民族博物館で行われた、特別展示の図録。
 本の前半は、千島列島の歴史・オホーツク文化の歴史・千島列島への日露両国の進出史・戦前の北洋漁業など、千島列島史の詳しい内容が、コンパクトにまとめられている。 本の後半は展示品の写真。占守島で収集された生活用具・十字架等の遺物、色丹島に移住した千島アイヌの生活用具など、珍しいものがある。
 ・・・More・・・
『関熊太郎伝 北方領土の探検家』 桐原光明/著 (1996.4)暁印書館
 北千島の探検家では、報效義会の郡司成忠が有名であるが、関熊太郎は郡司の一年前に、北千島の探検を試みている。しかし、関熊太郎は、当時1000人程度の人口があった、エトロフ島を一部探検しただけで、資金が枯渇して、北千島に到着することなく、事業は終了した。 ・・・More・・・

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北方領土問題関連の現代史

『日ソ国交回復の史的研究 戦後日ソ関係の起点:1945〜1956』 田中孝彦/著 有斐閣(1993.9.30)
 8章のうち、最初の1章はサンフランシスコ条約交渉における、北方領土の扱いであり、他の章は、日ソ国交回復交渉の経緯について書かれている。内容は、詳細厳密である。日ソ国交回復交渉の専門的研究書。
『北方領土 悲しみの島々』三田英彬/著 講談社(昭和48年2月24日)
 北千島・南千島ソ連占領の状況、ソ連占領下の住民の状況の説明が詳しい。日本側の資料をもとにした記述であるが、証言を鵜呑みにするのではなく、綿密に検証しようとしている姿勢がうかがえる。水津満の証言については、証言自体は事実としてなんら疑いを挟んでいないが、水津の解釈に疑問を呈している。
『北方領土 終戦前後の記録』 根室市総務部企画課領土対策係/編 北海道根室市(1970.3.30) (本の表紙はここをクリック
 終戦前後の北方領土及び、北千島の様子について、関係者の証言をまとめている。
『千島占領』 ボリス・スラヴィンスキー/著 共同通信社(1993.7)  (本の表紙はここをクリック
 第2次世界大戦末期、ソ連が千島を占領してゆく過程をロシアに残る資料を基に克明に説明。
『朝鮮人強制連行強制労働の記録 北海道・千島・樺太編』 朝鮮人強制連行真相調査団/編 現代史出版会 1976年3月15日(第3刷)
 戦前・戦中における朝鮮人強制連行強制労働のうち、北海道・千島・樺太をまとめたもの。千島での朝鮮人強制労働の実態についてはほとんど知られていないが、実際に千島で強制労働に従事させられた朝鮮人の証言が記載されている。金成伯は幌筵島で、奴隷労働(タコ部屋)に従事し、そこで、病気になった朝鮮人労働者が生き埋めにされ殺されている実態を目撃している。文泰煕は、徴用で国後島で労働に従事しているが、この間、多数の死亡・自殺を目撃している。ただし、彼は、反乱を起こして、管理者を殺害、逮捕後懲役となり終戦を迎えた。金鐘化は、労働者を指導する立場であった。かれは、択捉島蕊取で軍属として仕事中に、事故で負傷した。彼もまた、タコ部屋の労働者や、殴り殺されるものを目撃している。
千島国郵便局七0年の軌跡 小山田恭一/編 2000年10月発行
・・・More・・・
厳寒の地、北千島の郵便局物語
・・・More・・・
エトロフ島の俄教師の手記 ソ連軍進駐下の三年三ヶ月  高田弥彦/著 文芸社(2003.1.15)  
残置諜報員の記録―ソ連治下、エトロフ島に於ける三年三ヵ月 (前編)  高田弥彦/著 講談社出版サー ビスセンター(1990.1 ) 
エトロフの教室 高田彌彦/著 文芸社 (2010/12/11) 
 上記3つの本は、ほぼ同じ内容。
 著者は、敗戦当時、エトロフ島で残置諜報員として現地除隊となり、ソ連進駐後は豊浜で現地小学校の教師を務める。翌年2月には天寧に移り、校長としてソ連軍政当局との折衝に当たった。11月にソ連が民政に移管し、紗那が行政府になると、入里節に写って小学校教師を務めた。
 本の内容は、このうちの、豊浜・天寧時代の1年数ヶ月の著者の体験を書いたノンフィクション小説。書かれている内容のすべてが事実ということはないが、ソ連軍政下のエトロフ島残留日本人(民間人)の生活の様子が良く分る。豊浜での話は、ソ連進駐当初の住民の様子
の記述が興味深い。天寧では、日本人とロシア人との交流の様子も詳しく記されている。
 『エトロフ島の俄教師の手記』『エトロフの教室』には、数ページ入里節時代の概要が書かれている。
 ・・・More・・・      
『千島物語』 山県泰三/著 東陽書房(1981.9.24)
 元国後島学校教師による北方領土問題の解説。戦前・戦中の国後島での生活の様子が詳しい。北方領土占領やその後の国際法などは日本に都合よい解釈であるが、出版が古いため、その後、誤りが分かったものもある。この部分については、外務省国内広報課のわれらの北方領土を読んだほうがよいだろう。
『幻のオホーツク共和国』 畑山博/著 学習研究社(1984.10) (本の表紙はここをクリック
 戦前の北方領土の暮らしや、終戦時期ソ連占領のようすが、旧居住者の聞き取りを元に、まとめられている。
『昭和史の天皇7 愛蔵版 北方領土』  読売新聞社(1976)
『昭和史の天皇6 ああ北方領土』  読売新聞社(1980)
 太平洋戦争期の樺太・千島の戦争の状況を説明している。北方領土に関しては、占領の様子と領土要求の説明がなされている。占領の様子については、今となっては誤解(あるいは捏造)があることが知られている水津満の証言を絶対的に正しいものとの前提で説明しており、今となっては、そのまま受け入れるわけには行かない。領土要求や歴史問題の説明もあるが、元色丹島村長や北海庁の役人の説明を、そのまま掲載しているだけであり、学問的検討がなされていない。大雑把な知識だけで満足する場合はともかく、正確な知識を得ようとする人には、あまり役に立たない解説かもしれない。もっとも、大雑把な知識だけで良いならば、外務省発行の『われらの北方領土』で十分です。
『激録 日本大戦争 第三十九巻 満州・北方領土の悲闘』  原康史/著 東京スポーツ新聞社(1993年6月12日) 
 満州・千島の戦争の様子を詳述。千島の戦闘の記述はほとんどが占守島に割かれている。占守等以外の千島の記述はほとんどない。
『北千島 占守島の五十年』 池田誠/編 国書刊行会 平成9年7月22日発行
  占守島での戦闘当事者やその子孫等、関係者の随想。日本側から見た、戦闘の個々の様子を断片的に知るためには重要であるが、戦争の全体を知るためには不十分。
『わが北千島記 占守島に生きた一庶民の記録』 別所二郎蔵/著 講談社(昭和52年8月28日)
 著者の別所氏は北千島最北端の占守島片岡に生まれ、敗戦後まで占守島で暮らした。この本は、別所氏による、占守島の地誌、自身の生活の様子が詳細に記されている。また、戦後ソ連占領下の暮らしぶりについても詳しい。終戦末期の対ソ戦の記述は少ない。
 戦後、占守島に残留した民間人1500名ほどのほとんどは、日本に帰国した。この本のP142によると、ソ連将校は、日本人にこのまま千島・樺太に留まることを懇請したが、何をいわれても、一途に帰国を願ったとのことである。
『望郷の島々 千島・樺太引揚者の記録』 創価学会青年部反戦出版委員会/編 第三文明社(1976.9.10)
終戦後、樺太・千島から引き上げた人25人の体験記。
エレーナ・I. サヴェーリエヴァ /著『日本領樺太・千島からソ連領サハリン州へ−九四五年‐一九四七年』 成文社 (2015/11)  
 1945年、日本の敗戦によって、南サハリンと千島はソ連の支配するところとなった。本書は、1945年から1947年の間、ソ連の支配がどのように進んでいったのかを各項目ごとに示している。
 ・・・More・・・
吉武輝子/著『置き去り サハリン残留日本女性たちの六十年』(2005.6)海竜社  
 終戦後、ソ連に支配されたサハリンや千島に在住していた日本人は希望すれば帰国することができたが、朝鮮国籍のものは帰国が許されなかった。このため、朝鮮人と結婚した日本女性は子供を置いて離婚して帰国するか、サハリンに滞在するかの選択を迫られた。本書は、サハリンに残留した日本人女性の話で、個々の事例が詳しい。   ・・・More・・
玄武岩・他/著 『サハリン 残留』 高文研 (2016/4)  
 戦前日本領だった南樺太は敗戦によってソ連・ロシアの領土となった。南樺太に居住していた日本人の多くは帰国したが、そのまま残量した人も多い。
 本書では、サハリンに残留した日本人・朝鮮人10家族を取り上げて、どのように生きて来たのかを記している。

      ・・・More・・・
野添憲治/著『樺太(サハリン)が宝の島と呼ばれていたころ 』 社会評論社 (2015/12)  
本書は、戦前に樺太で暮らしていた日本人18人から、当時の樺太での生活様子を聞き書きしたもの。1970年代後半に語られたものが多い。 
   ・・・More・・・
『ジョバンニの島』 杉田成道/著 集英社 (2014/2/21)
 終戦前後から本土引き揚げまでの色丹島の物語。本書は、アニメ映画になっている。・・・More・・・

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アイヌ・北辺史

菊池俊彦/著『オホーツクの古代史』 平凡社新書 (2009/10)
 かつて、オホーツク沿岸に栄えた海洋文化「オホーツク文化」が存在した。本書は、オホーツク文化に関連する考古学の解説書。オホーツク文化の領域には、日本が含まれるが、日本史の授業で習うことも少ないので、多くの人にはあまりなじみがない文化だろう。本書は一般の人を対象にしたもので、特に予備知識がなくても読むことはできるが、ある程度オホーツク文化を知っていないと、読み進むのが大変かもしれない。  ・・・More・・・
天野哲也/著 『古代の海洋民オホーツク人の世界 アイヌ文化をさかのぼる 』雄山閣 (2008/11)  
 礼文島などのオホーツク文化の遺跡調査結果の詳細が示されるなど、オホーツク文化研究には重要な書だと思うが、素人には専門的すぎる。遺跡の発掘調査に興味のある人には面白い本かもしれない。  本のメインはオホーツク文化研究ではあるが、擦文文化の解説もある。  ・・・More・・・
大西秀之/著『トビニタイ文化からのアイヌ文化史』 同成社 (2009/03)  
 5から10数世紀ごろ、アムール河口域・樺太・千島・カムチャツカ・北海道北部・北海道北部のオホーツク海沿岸地域に、オホーツク文化が起こっている。この時期、北海道では擦文文化だった。オホーツクは突如として消滅するが、北海道東部ではオホーツク文化を引き継ぐ形でトビニタイ文化が起こった。この文化は、擦文文化とともに消滅して、北海道はアイヌ文化になった。    
 本書は、トビニタイ文化の研究書。トビニタイ文化については、北海道古代史の中で数ページ触れられた本はあるが、1冊の本にまとめられたものは本書が唯一だろう。
   ・・・More・・・
『北の内海世界―北奥羽・蝦夷ヶ島と地域諸集団』 入間田宣夫,斉藤利男,小林真人/編 山川出版社 (1999/7)
 北奥羽と蝦夷地世界の形成という主題の基に行われた第22回北海道高等学校日本史教育研究大会のシンポジウムの報告。 擦紋文化・サハリン・沿海州の関係の問題 中世〜近世における蝦夷地仏教布教の問題などが論じられている。 ・・・More・・・
瀬川拓郎/著『アイヌと縄文−もうひとつの日本の歴史』 筑摩書房 (2016/2)  
  縄文、続縄文、擦文、アイヌ文化、各時代のアイヌ民族史。オホーツク文化にも触れられているが多くはない。   ・・・More・・・
『東北アジアの歴史と文化』 菊池俊彦/編 北海道大学出版会
 第一線の研究者によって、この分野の研究の現状と課題が提示される。一人の研究者が一つの章を担当。 ・・・More・・・
長沼孝、榎森進、田端宏、他/著『新版北海道の歴史 上』北海道新聞社(2011/12)  
 北海道の歴史は本州の歴史と大きく異なった独自のものがある。本書は北海道の通史であるが、同種の他書に比べて分量も多く詳しい。本書の扱う範囲は縄文時代から幕末の箱館開港までの時期で、時代順に書かれている。巻末の年表も詳しい。
 このうち、第一章は考古学から見た北海道で、縄文時代から続縄文・擦文・アイヌ文化期の北海道の歴史が示される。この部分は全体の1/4におよび、内容豊富。ただし、オホーツク文化の記述は多くないので、オホーツク文化について他の本を読んだほうがよいかもしれない。
 第2章は鎌倉期以降松前藩以前の期間で、サハリンでの元・明との関係にも触れられている。この章はコシャマインの乱と安藤・蠣崎氏の説明も詳しい。第3章は松前藩成立からクナシリ・メナシの乱までのアイヌと和人の歴史。この時期、和人によるアイヌ支配が確立してゆく。
 第4章は対外関係で、特にロシアの南下に対する幕府の対応の説明。第6章は箱館開港から明治までで、対外的には国境画定・外国との交易がなされ、国内的には蝦夷地の近代化がなされた。
 第5章は他の章とはちょっと変わって、アイヌの文化と和人の文化について。
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『コロポックルとはだれか 中世の千島列島とアイヌ伝説』瀬川拓郎/著 新典社 (2012/4) (新典社新書58)
 コロポックルとは、北海道に伝わる小人伝説。本書は、コロポックル伝説の色々なバリエーションや、語られている地域を説明し、 さらに千島アイヌの歴史を示したのち、コロポックルは千島アイヌのことであろうとの推定をしている。コロポックルを、単なるおとぎ話ではなく、 辺境民族史として捉えることにより、歴史のロマンに思いが至る。  ・・・More・・・
『アイヌの沈黙交易  奇習をめぐる北東アジアと日本』瀬川拓郎/著 新典社 (2013/5)(新典社新書61)
 同じ著者の『コロポックルとはだれか 中世の千島列島とアイヌ伝説』の関連図書。
 千島アイヌと、北海道アイヌとの間に行われていた交易は『沈黙交易』だった。本書では、沈黙交易がどのようなものだったか、なぜ、 このような交易形態になったのか、その背後にある、穢れ祓いの説明がなされている。
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天野哲也・臼杵勲・菊池俊彦/編『北方世界の交流と変容 中世の北東アジアと日本列島』 山川出版社(2006/8)  
 シンポジウムの講演集。東北アジア・サハリン地域の考古学とこれら地域の歴史教育がテーマの論文が収録されている。     
 中世東北アジアと北海道・東北とは活発な交流が行われていたことが、近年、明らかになっている。このシンポジウムは、これら考古学上の成果の解説と、成果を日本の歴史教育にどのように反映させていくかが考察されている。
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『北方古代文化の邂逅・カリカリウス遺跡』 椙田光明/著(2014/12)新泉社
 カリカリウス遺跡は、北海道東部の標津町の伊茶仁川の流域に広がる遺跡で、ポー川史跡自然公園として整備されている。 歴史民俗資料館には出土品が多数展示されており、また、竪穴式住居の復元家屋も展示されている。
 本書の内容は、カリカリウス遺跡発掘のようすと遺跡の説明、および、オホーツク文化・トビニタイ文化・擦文文化の説明。 
 カリカリウス遺跡はオホーツク文化末期からトビニタイ文化へ至る時代のものだが、ここは、擦文文化と出会った地だった。
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武田修/著『常呂遺跡群 先史オホーツク沿岸の大遺跡群』 (2006/7)同成社
 常呂遺跡は全長3キロメートル弱にわたるオホーツク沿岸の広大な遺跡群。旧石器時代から縄文・続縄文・擦文・オホーツク・アイヌ文化と北海道のほとんど全ての時代区分の遺跡が広がっている。
 本書は、常呂遺跡発掘研究のあらましに触れた後、各時代区分ごとの遺跡について解説している。常呂遺跡は大規模であり、本書は一冊ですべてを解説しているため、詳しいことは書かれていない。本土にはなじみのないオホーツク文化の解説は、他の時代区分よりも若干詳しい。
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『オホーツク海沿岸の遺跡とアイヌ文化』 菊池徹夫・宇田川洋/編北海道出版企画センター(2014.7)
 本書は、標津町から枝幸町にいたるオホーツク海沿岸地域の遺跡の発見・発掘・史跡としての指定の経緯を解説した後、各遺跡の詳細を記述している。 モヨロ、常呂、カリカリウス周辺が記述の中心。このほかに、根室半島のチャシ群の話もある。また、根室のコタンケシ遺跡、宗谷のオンコロマナイ遺跡にも触れられているが、 これらの記述は少ない。  ・・・More・・・
新岡武彦、宇田川洋/著 『サハリン南部の遺跡』北海道出版企画センター (1990/10)  ・・・More・・・  
宇田川洋/著『サハリン南部の考古資料』北海道出版企画センター (1992/12)   ・・・More・・・
H・チースリク/編『北方探検記―元和年間に於ける外国人の蝦夷報告書』 吉川弘文館 (1962)
  江戸時代初期のころ、キリスト教の布教のために東北から北海道を訪れた伝道師ジェロニモ・デ・アンジェリスとカルワーリュの報告書簡の翻訳。二人は商人や工夫に変装して禁止されたキリスト教を伝道したが、最後にはとらえられて火刑となった。 ・・・More・・・
北海道新聞社/編『蝦夷錦の来た道』 (1991/9) 北海道新聞社 
 北海道から、サハリン、中国東北部、北京、中国南部と蝦夷錦が日本に伝来したのとは逆にたどって、それらがどのような地域なのか、また蝦夷錦が現在どのように保管されているのか、等を追っている。 ・・・More・・・ 
網野善彦、石井進/編『中世の風景を読む 1 蝦夷の世界と北方交易』新人物往来社 (1995/11)
  中世の東北・北海道の歴史の説明。9人の著者による9件の論文が収められている。東北の話題が多い。福田豊彦「鉄を中心にみた北方世界」、菊池徹夫「遺跡にみる中世蝦夷地の風景」の2論文は北海道の話題。 ・・・More・・・
『幕府天文方書物奉行 高橋景保一件』 二宮陸雄/著 愛育社(2005.11.15)
 高橋景保は日本で最初に精密な世界地図を作成した。本書は樺太地図作成を中心に、景保の世界地図作成に至る経緯、シーボルト事件に連座して処刑されるに至る経緯を中心に描かれた物語である。北方領土や千島の話は無い。
吉田武三/著『北方史入門―日本人とロシア人の大探検史』 伝統と現代社(1974/7)
 江戸時代から明治に至る期間の北方地域(主に千島樺太)に日本人がどのように進出したか、あるいはロシア人などと、どのような交流があったのかを、主に人物の活動を中心に記述している。人物中心のため歴史事項としてみると若干まとまりに欠ける記述となっていて読みにくい。 ・・・More・・・
更科源藏/著『北海道と名づけた男 松浦武四郎の生涯』淡交社 (2018/11)
 幕末に北海道・樺太・千島を探検した松浦武四郎の伝記。  ・・・More・・・
川治和香/著『がいなもん 松浦武四郎一代』2018.6 小学館
 松浦武四郎の伝記小説。  ・・・More・・・
北海道・東北史研究会/編『メナシの世界 根室シンポジウム「北からの日本史」』 北海道出版企画センター(1996/5)
 1992年、根室で開催された北海道・東北史研究会の講演研究報告をまとめたもの。内容は次の6章からなる。  
  北構保男/著『オホーツク文化研究の過去・現在・未来抄』
  秋月俊幸/著『日本北辺地図にみる東西の接触』
  豊原煕司/著『チャシとその機能』
  児玉恭子/著『「えぞが住む」地の東漸 メナシとは何か』
  川上淳/著『一八世紀〜一九世紀初頭の千島アイヌと千島交易ルート』
  井上研一郎/著『《夷酋列像》と現代』
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『蝦夷島と北方世界 (日本の時代史)』 菊池勇夫/編 (2003/12) 吉川弘文館
 アイヌを中心とした北海道の前近代史を学習するための好適な教科書。
 最初の1/3程度は、菊池勇夫氏による、アイヌ・オホーツク人等の蝦夷通史。あまり知られていない、アイヌ関連の歴史の概略が理解できる。
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『アイヌ民族と日本人―東アジアのなかの蝦夷地』 菊池勇夫/著 (朝日選書) (1994/09)
 アイヌ民族の歴史を日本との係わり合いで解説している。「アイヌと日本人との交流史」と言った感じです。・・・More・・・
『アイヌ学入門 (講談社現代新書)』 瀬川拓郎/著 (2015/2)
 アイヌとはどのような人たちなのかを、幾つかのテーマによって説明。序章を除いて、各章には特に関連はないので、どこから読んでもいいと思う。 北海道アイヌのほか、樺太アイヌや北千島アイヌ(コロボックル)にも触れられている。  ・・・More・・・
『アイヌの歴史―日本の先住民族を理解するための160話』 平山裕人/著 明石書店 (2014/5)
 本書は第一編と第二編に分かれる。第一編はアイヌ史を学習する上で必要な「歴史観」や「アイヌとは何か」などの問題に対する言及。第二編がアイヌ史。  ・・・More・・・
関口明、桑原真人、他/編 『アイヌ民族の歴史』 (2015/8) 山川出版社
 アイヌの通史。最初に、アイヌ文化以前の擦文文化に触れた後、アイヌ民族の歴史全般に渡った記述が為されている。本の前半は明治維新以前で、後半は明治維新以降。
 特に、予備知識なしに読めるので、中学生以上ならば十分に理解できると思う。
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『近代北方史 アイヌ民族と女性と』 海保洋子/著 (1992/6)三一書房
 本の前半は近代アイヌ民族の歴史。
 後半は、アイヌ女性が和人に蹂躙された歴史と、北海道の遊所の話がある。この問題を取り扱った本は少ないので、北海道開拓を理解する上で参考になるだろう。
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『アイヌ民族否定論に抗する』 岡和田晃、マーク・ウィンチェスター編 河出書房新社 (2015/1)
 ギャグマンガ家・小林よしのりが、アイヌ民族はいないなどと、おかしなことを言っていた。本書は、歴史学者・文学者・作家・精神科医師など、 いろいろな分野の人により、小林よしのりのような無知を正すことを目的として執筆されている。  ・・・More・・・
川越宗一/著『熱源』(2019/8)文藝春秋
 樺太アイヌ(対雁アイヌ)・人類学者ピウスツキを中心としたノンフィクション小説。
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山本博文/著 『あなたの知らない北海道の歴史 (歴史新書)』(2012.9)洋泉社
 北海道史の古代から現代まで、70のトピックスを取り上げて、それらの解説をしている。各トピックは2ないし4ページであるため、概要程度。現代史の部分には、銘菓「白い恋人」の由来など、くだらない内容もあるが、総じて、取り上げている項目も、解説もしっかりしている。   ・・・More・・・
『北海道の歴史がわかる本』 桑原真人、川上淳/著 亜璃西社 (2008/3)
 文章は易しく書かれており、予備知識も特に必要とせず、北海道の歴史が容易に理解できるように書かれている。 内容は正確なので、気楽に正しい知識を得ることができるようになっている。   ・・・More・・・ 
新藤透/著『北海道戦国史と松前氏 (歴史新書)』洋泉社 (2016/2)
本書の内容は、主に松前藩成立の歴史。前史として安藤氏の話や、松前藩成立以降の転封などにも多少触れている。  ・・・More・・・
三上次男・神田信夫/編 『東北アジアの民族と歴史 民族の世界史3』 山川出版社 (1989/10)
 本書が対象としている地域は、シベリア・中国東北部・朝鮮。
 3部構成。第1部はこのちいきの「自然」「民族文化」「言語」。第2部は3地域の歴史。このうち、シベリアの歴史はこの地域へのロシアの進出による先住民族の変容が主題になっている。 第3部は主に中国の近代史で、本書の対象地域とは若干外れるように感じる。
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『北海道立北方民族博物館総合案内』 第4版(2006.3)   初版は1993.3
 網走市にある道立北方民族博物館の展示品の解説図録で、展示品の写真と簡単な解説が記載されている。 ・・・More・・・
『講座「サハリン少数民族の過去と現在」』 北海道立北方民族博物館 1998/3
 北海道立北方民族博物館で行われた、特別展示に関連して行われた講座の報告。 ・・・More・・・
『北太平洋世界とアラスカ毛皮交易』 森永貴子/著 (2014/05) 東洋書店(ユーラシアブックレット)
 本書の著者は2008年に「ロシアの拡大と毛皮交易―16〜19世紀シベリア・北太平洋の商人世界」の表題で、近世のロシア極東・アラスカ進出と毛皮交易の関係を示した 単行本を出版している。本書は、同様な内容だが、ブックレットということもあり、コンパクトにまとめられている。  ・・・More・・・
『アジアの境界を越えて』 国立歴史民俗博物館/編 2010.7
 国立歴史民俗博物館で2010年7月13日〜9月12日におこなわれ、その後、国立民族学博物館で2010年10月14日〜12月7日に行われた企画展示の図録。 写真は豊富なのだけれど、解説がちょっと貧弱。 ・・・More・・・

『古代北方世界に生きた人びと 〜交流と交易〜』 (2008.4)
 新潟県立歴史博物館、東北歴史博物館、北海道開拓記念館で2008年4月〜11月に順次行われた企画展の展示解説図録。 ・・・More・・・

『北方から来た交易民 絹と毛皮とサンタン人』 佐々木史郎/著NHKブックス(1996/6)
 江戸時代、アムール川流域に住む人たちを「山丹人」と言い、樺太アイヌを介しての彼らとの交易を「山丹交易」と言った。 本書は、いわゆる山丹人の人々、明との関係、ロシアとの関係、清との関係、樺太アイヌを介しての日本との関係など、山丹人の民族誌。このほか、樺太アイヌにも触れられている。   ・・・More・・・
洞富雄/著『幕末維新の異文化交流 外圧をよみとく』(有隣堂、1995年)
 歴史学者・洞富雄、最晩年の著作。実際には、それまでに書いた論文や著書の内容を再編集したものが多いようだ。
 第1章では、最初の節で北方探検時期の国際環境を記載し、「間宮林蔵」「最上徳内」「高橋景保」「伊能忠敬」「シーボルト」をとりあげて、日本の北方探検・北方認識史を記述する。各個人の北方関連伝記であるが、個人を通して日本の北方認識の歴史がわかるようになっている。最後に、北方における日ロの進出を記載する。最上徳内や間宮林蔵のところでロシア人との関連にも触れられているなど、日ロ関係の記述もあるが、多くない。 ・・・More・・・
『幕末維新論集A 開国』 井上勝生/編吉川弘文館(2001.7)
  『幕末維新論集 全12巻』の一冊。 本書の中に、次の論文が収められている。  
  秋月俊幸/著・『サハリン島における日本人とアイヌ人  一九世紀中葉のロシア人の報告から』
  麓慎一/著・『蝦夷地第二次直轄期のアイヌ政策』

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『関熊太郎伝 北方領土の探検家』 桐原光明/著 (1996.4)暁印書館
 北千島の探検家では、報效義会の郡司成忠が有名であるが、関熊太郎は郡司の一年前に、北千島の探検を試みている。 しかし、関熊太郎は、当時1000人程度の人口があった、エトロフ島を一部探検しただけで、資金が枯渇して、北千島に到着することなく、事業は終了した。 ・・・More・・・
『間宮林蔵』 洞富雄/著 吉川弘文館(1986.12)
 間宮林蔵の伝記。択捉島襲撃の話が少しあるが、多くは、樺太探検・間宮海峡発見の話。
我部政男、桑原真人/編『幕末維新論集9 蝦夷地と琉球』吉川弘文館(2001.5)
 本書は、前半と後半に分かれていて、前半では蝦夷地を、後半では琉球を扱う。
 前半には5論文があり、このうち2論文は幕末期の蝦夷地経営に関するもので、運上屋など旧来の経済勢力との関係を解明するもの。また2論文は開拓使の設置と開拓使政策を扱う。アイヌ問題を扱った1論文は次のもので、アイヌを日本人に同化させてゆく過程を通史的に扱っている。
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鈴木荘一/著『幕末会津藩松平容保の慟哭 北方領土を守った男たちの最期』 勉誠出版 (2018/10)
 幕末から明治にかけて、京都守護をになった会津藩は歴史に翻弄される。本書は、この時の歴史がメイン。
 それより前、文化5年に会津藩は樺太・宗谷を警備したので、この点にも少し触れられている。

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中江秀雄/著『大砲からみた幕末・明治 近代化と鋳造技術』 法政大学出版局 (2016/9)
 ペリー来航で大砲の威力を思い知った幕府や各藩は大砲の鋳造に走る。しかし、砂鉄を原料としたタタラ製鉄で鋼を作っていた日本の伝統製鉄では粘りのある銑鉄を作ることはできず、まともな大砲は作れなかった。本書は、幕末以降の日本の製鉄の歴史のほか、製鉄技術の解説が詳しい。
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『国境の植民地・樺太』 三木理史/著 塙書房(2006.5.15)
 樺太の歴史、樺太に日露が進出した歴史と、現在の樺太の状況が説明されている。あまり知られていないことも多く書かれており、この分野に関心のある人には役に立つ書籍である。ただし、歴史の話と現在の話が明瞭に分離されて記述していないので、若干読みにくい。
『樺太一九〇五−四五 日本領時代の少数民族』 北海道立北方民族博物館 1997/7
 網走市にある、北海道立北方民族博物館で行われた、特別展示の図録。 本書前半は、「南樺太日本統治時代の先住民族の状況(人口など)の説明」「北川アイ子氏(ウイルタ)のオタスでの生活状況の説明」 「ウイルタ語のはなし」の3つの解説がある。 どれも、数ページにコンパクトにまとめられている。特に、最初の項は、樺太少数民族の状況が非常にコンパクトにまとめられている。  ・・・More・・・
『対雁の碑―樺太アイヌ強制移住の歴史』 樺太アイヌ史研究会/編北海道出版企画センター (1992/10)
 樺太千島交換条約で樺太全島がロシア領になると、これまで南樺太に居住していたカラフトアイヌは国籍を選択する必要が生じた。 日本国籍を取得したカラフトアイヌは樺太に滞在することができなかった。日本人は樺太に滞在しても問題なかったのだから、明らかな差別待遇だった。
 本書は、日本に移住させられたカラフトアイヌの軌跡を追っている。カラフトアイヌについて書かれた本は少ないので、貴重な本だ。

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林芙美子/著, 立松和平/編『下駄で歩いた巴里 林芙美子紀行集』 岩波文庫 (2003/6)
 林芙美子の短編集。20編の紀行文が収録されている。「樺太の旅」は昭和十年に樺太を訪れた時の紀行文。
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堀内光一/著 『アイヌモシリ奪回』 社会評論社(2004.1.15) 
 明治以前、北海道の広い範囲は、そこに暮らすアイヌたちの共有地だった。明治になると、アイヌは旧土人の名の下に激しい差別を受け、ごく一部の土地を残して、日本人の土地として接収された。名目上アイヌに残された共有地の多くは、北海道の管理とされた。1997年に成立したアイヌ文化法により、アイヌ共有財産の返還が決定されたが、その財産には土地や漁業権は全くなく、146万円の現金のみで、アイヌ共有地は、アイヌの知らぬ間に奪われてた。なお、北海道は委託された共有地の管理をどのようにしたのか、その明細を明らかにしておらず、奪い取った手口はあまり解明されていない。
 この本の多くは、厚岸アイヌ共有地がどのようにして奪われたかについて、詳細な説明がなされている。アイヌ共有地の管理委託された北海道は、この土地を日本人に極端に安価な価格で貸付け、アイヌに課した税額を下回ることになった。このため、アイヌは知らずに借金を背負わされることになり、未納の税金を返済するために、土地を売らされた。こうしてアイヌの土地は奪われていった。 ・・・More・・・
 
加藤九祚/著『シベリアの歴史』(2018.5)紀伊国屋書店
 旧石器時代からロシア革命までのシベリアの歴史。および、文献・先住民族の説明。 ・・・More・・・
ウラジーミル・サンギ/著『ケヴォングの嫁取り』 群像社 (2015/11)
 サハリンの少数民族ニブフ(ギリヤーク)の物語。
 19世紀後半になると、ロシア資本主義の影響が辺境のサハリンにも及ぶようになってくる。こうした波に少数民族の人たちは翻弄される。本書は、ニブフの作家によるこの時代をテーマにした小説。
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日露・日ソ関係史(幕末から日露戦争)


『開国以前の日露関係 東北アジア研究センターシンポジウム』  寺山恭輔/編 東北アジア研究シリーズ 東北大学東北アジア研究センター 2006.6
『ロシア人の日本発見』 S・ズナメンスキー/著 秋月利幸/訳 北海道大学(1979)
 ロシア人による北太平洋探険の歴史。日ロ関係の前史。
『漂流民とロシア』 木崎良平/著 中公新書(1991.6)
 日露外交関係以前に、船の難破で心ならずもロシアに渡ることになった人たちの足跡を詳述。これらの人たちが、日露国交に果たした役割を、記述。
瀬藤祝/著『ロシア漂流民・ソウザとゴンザの謎 サンクトペテルブルクの幻影』新読書社 (2004/04)
ソウザとゴンザは、享保13年(1728年)、ロシアに漂流した薩摩の青年。本書はソウザとゴンザに関連した歴史書ではなく、史実らしきをもとにした物語を、お芝居風に描いたもの。
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『大黒屋光太夫』  山下恒夫/著 岩波新書(2004.2)
『ロシアと日本−その交流の歴史−』ファインベルク/小川政邦訳 新時代社(1973年6月20日発行) (本の表紙はここをクリック
 日本の資料だけではなくソ連側資料を駆使し、幕末期の日露の交渉の歴史を詳述。日本の資料のみで歴史を記述しようとする本が多い中で、両国の資料を使用している点で貴重な文献。
『開国 日露国境交渉』 和田春樹/著 NHKブックス 日本放送出版(1991.4)
 幕末、プチャーチン使節団が来日し、日露修好条約を締結した。このときの詳細な経緯を解説している。交渉はどのように行われ、なぜ、択捉島・ウルップ島間に国境線が引かれたのか。
東洋文庫・生田美智子/監、牧野元紀/編『ロマノフ王朝時代の日露交流』 勉誠出版 (2020/8)
 12人による13の論文と、いくつかのコラム。
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生田美智子/著『外交儀礼から見た幕末日露文化交流史』ミネルヴァ書房 (2008/8)
 幕末の日ロ外交交渉は「ラックスマン来航」「レザノフ来航」「プチャーチン来航」の3回ある。
 本書は、この時の外交儀礼、すなわち、畳に座るか椅子に座るか、帯剣はどうするか、交渉は畳何枚あけるか、などの形式的なことが、どのように行われたのか、詳細に研究している。

   ・・・More・・・
『ロシアから来た黒船』 大南勝彦/著 静岡新聞社(1991.3)
 幕末、プチャーチン使節団が来日し、日露修好条約を締結した。プチャーチンと下田住民との関係等、プチャーチンの行動について、史跡の写真を含めて解説。
『黒船前夜 ロシア・アイヌ・日本の三国志 』 渡辺京二/著(2010.2) 洋泉社
  日露関係は日本の開国に一定の役割を果たしているので、日本開国にとって重要であるが、まとまって書 かれた本は少ない。この本は、幕末の日露関係史のうち、ハンペンゴロウの警告からコローニンの事件ま でを詳述している。参考文献も随所に記載されており、この分野の研究の手助けとなる好適な書となって いる。  ・・・ More・・・
『日本とロシアの交流』 尾形征己/著 下田開国博物館(平成16年12月)
 幕末のプチャーチン来航のときの様子をまとめた50ページほどの冊子。下田開国博物館の売店で販売している。
『海にむすぶきずな』 清水達也、 斎藤博之/著 岩崎書店(1982)
 児童用絵本 小学校中学年程度向き
 幕末に日ロ和親条約を締結のため来航したプチャーチンは安政東海沖地震でディアナ号を失い、戸田で船舶を造った。このときの話を絵本にしたもの。
『ディアナ号の軌跡』 富士市立博物館(H17/1)
 平成17年1月15日〜2月13日、富士市立博物館で行われた特別展示の図録。
 1854年、プチャーチン率いるディアナ号は、日露条約交渉のために、日本にやってきた。下田沖に停泊し、下田にて条約交渉の最中、安政大地震に遭遇し、富士市沖で沈没した。
・・・More・・・
『北の黒船 岩手県立博物館第59回企画展』 岩手県立博物館/編 岩手県文化振興事業団(2008/3)
 本書は、岩手県立博物館企画展の展示品解説図録。盛岡藩を中心とする蝦夷地警備の様子を、絵図や古記録、勤番日記類によって紹介している。展示品の多くは、岩手県内にある資料を掲載しており、岩手と蝦夷地の関係を理解する上でも有用な内容になっている。  ・・・More・・・
出久根達郎/著 『桜奉行 幕末奈良を再生した男 川路聖謨』養徳社 (2016/11)
 川路聖謨は日露和親条約締結に際してプチャーチンと交渉した。本書は、それより前、奈良奉行時代の川路聖謨の伝記。 本書の著者は直木賞作家。 ・・・More・・・
『魯西亜から来た日本人』 大島幹雄/著 廣済堂出版(1996)
 江戸末期、漂流してロシアに帰化した善六の生涯を中心に漂流民たちの足跡
『知られざる日露の二百年』アレクセイ・A・キリチェンコ/著, 川村秀/編, 名越陽子/訳 (2013/3/6) 現代思潮新社
 著者は旧ソ連の資料に接する機会がある程度あったようで、そのような視点から書かれていると思える記述もあり、 日ソ関係の歴史を解明する上で、一応の参考になる本だろう。しかし、資料に基づく記述なのか、単なる思い込みのよるものなのか判然とせず、 本書の記述をそのまま事実と受け止めることは出来ない。  ・・・More・・・

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日露・日ソ関係史(日露戦争から第2次世界大戦)

大熊秀治/著 『日露戦争の裏側“第二の開国” 日本列島に上陸したロシア軍捕虜七万人』 彩流社 (2011/02) 
日露戦争では、多数のロシア兵捕虜が日本各地に抑留された。本書はその話。
 ・・・More・・・ 
ニコライ・カサートキン/著、中村健之介/編・訳 『ニコライの日記(下)ロシア人宣教師が生きた明治日本』岩波文庫 (2011/12)
 日露戦争のとき、日本はロシア兵捕虜の扱いが人道的であったとされている。実際、松山捕虜収容所のように、外国人記者の目が届くところでは残虐行為はなかったようだ。しかし、外国人記者の目の届かないサハリンでは、時には100人を超える規模での捕虜虐殺や住民処刑が知られている。ニコライ堂の大司教ニコライ・カサートキンはその点を記載している。 ・・・More・・・
原暉之/編『日露戦争とサハリン島』(2011/10)北海道大学出版会
 日露戦争期あるいはその後ののサハリンに関する13人の研究論文。
   ・・・More・・・
セルゲイ・P.フェドルチューク/著、板橋政樹/訳『樺太に生きたロシア人 故郷と国家のはざまで…』 日本ユーラシア協会北海道連合会「サハリン研究会」 (2004/05)
 日露戦争・ポーツマス条約で南樺太が日本へ割譲されると、ロシア人の多くは本国へ帰国した。しかし、数百人のロシア人は帰国することなく南樺太にとどまった。また逆に、ポーツマス条約後に、南樺太に移住したロシア人も存在する。当時、ポーランドはロシアの領土だったため、残留ロシア人の中にはその後ポーランド国籍を得たものも存在する。
 本書は南樺太残留ロシア人(ポーランド人などを含む)の13家族を対象に、彼らがなぜ留まったか、日本領時代をどのように生きたか、第二次大戦後どのように生きたか、このような点を詳述する。
  ・・・More・・・
麻田雅文/著『シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争』(2016/9)中公新書
シベリア出兵は日本の侵略戦争の失敗だったので、戦前においては、あまり多く語られることはなかった。戦後になってからは、正しく歴史を利愛する上で必須項目とも思えるのだけれど、日本史教科書などでは、あまり行数を割いていない。  本書は、新書版で出版されたシベリア出兵の通史。 ・・・More・・・
ノモンハン 隠された「戦争」 鎌倉英也/著 NHK出版(2001.3)
 ノモンハンとは、モンゴルと満州の国境地域の名称。1939年5月から9月中旬まで日本軍とソ連・モンゴル連合軍が戦争し、日本軍が敗北した。本書は、NHK番組を書籍として出版したもので、ロシア・モンゴルを取材してノモンハン事件を明らかにしている。 ・・・More・・・
シーシキン・他/著、田中克彦/編訳『ノモンハンの戦い』 岩波現代文庫 (2006/1)
 ノモンハン事件(ハルハ河戦争)は日本の負け戦だったため、日本では秘密にされ、資料が廃棄た部分が多い。本書は、ソ連側の戦争の経緯を示した資料の翻訳。
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田中雄一/著『ノモンハン責任なき戦い』 講談社新書 (2019/8)
 2018年8月15日に放送されたNHKスペシャルの新書本。
 同じような内容の番組として、1998年8月に放映された『ドキュメント・ノモンハン事件〜六〇年目の真実』があり、こちらは『ノモンハン隠された戦争』として書籍化されている。

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田嶋信雄/著『日本陸軍の対ソ謀略:日独防共協定とユーラシア政策』吉川弘文館 (2017/2)
 戦前の日独防共協定締結への歴史の解明。
 非常に専門性の高い内容で戦前の日独防共協定締結への歴史の解明。 ・・・More・・・

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日露・日ソ関係史(第2次世界大戦とシベリア抑留)

五百旗頭真・下斗米伸夫・他/編 『日ロ関係史 パラレル・ヒストリーの挑戦』 東京大学出版会 (2015/10)
 日ロの日ロ関係研究者による、近代日ロ関係史。日本の学者・ロシアの学者がそれぞれ自分の視点で執筆し、両者を比較できるようになっている。
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『ヤルタ会談』 倉田保雄/著 ちくまライブラリー(1988)
ロバート・J.C.ビュートー/著、大井篤/訳『終戦外史―無条件降服までの経緯』時事通信社 (1958)
日本がポツダム宣言受諾に至るまでの日本政治を追ったもの。戦後13年の時点で出版されているので(原書は2年前)、その後の研究の基礎になっている。
『北海道の捕虜収容所 もう一つの戦争責任』白戸仁康/著  北海道新聞社(道新選書) (2008/08)
 太平洋戦争中、連合軍捕虜を収容するため、函館に捕虜収容所が作られた。本所は函館だが、北海道各地に分所が作られ、さらに、炭鉱労働などに使役された捕虜は、民間会社の管理となったこともある。
 本書は、函館捕虜収容所(本所・分所等)の詳細を明らかにしたもの。日本軍管理俘虜収容所の実態に関する類書が少ないので、本書は、これらの問題理解に大いに参考になる。
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小林 弘忠/著『満州開拓団の真実』七つ森書館 (2017/8)
 長野県高社郷出身の500人にのぼる集団自決の原因と経緯を解明したもの。太平洋戦争末期、ソ連が対日参戦すると、現地日本軍は開拓団民に対して退去するように命令した。しかし、高社郷出身者の開拓団では集団自殺することを決め、退去しなかった。このため、日本軍は再び退去を命令したため、命令に従って退去をしたが、逃げ遅れ、日本軍と合流することができなかった。その後、各地をさまよい、最終的に、多くの自殺者を出した。   ・・・More・・・
『北の軍隊と軍都: 北海道・東北 (地域のなかの軍隊 1)』 山本和重/編  吉川弘文館 (2015/2)
 本の後半は、北海道における徴兵の実態、アイヌの徴兵について 等。  ・・・More・・・
北原道子/著『北方部隊の朝鮮人兵士 日本陸軍に動員された植民地の若者たち』 現代企画室 (2014/3)
 樺太・千島など北方に動員された朝鮮人兵士の状況を明らかにしている。本書では、最初の章で朝鮮人が日本軍兵士となったいきさつ(布告など)を示し、以下の章で、樺太・千島等の朝鮮人兵士の日本軍での状況を明らかにしている。また、本書後半では、北方部隊の日本軍兵士となった朝鮮人の回想。
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『北千島に眠る』編集委員会/編 「千島に眠る「太平丸事件」と朝鮮人強制連行」(2002.4)
 太平洋戦争末期の1944年7月、軍人・軍属ら総勢2000人余りを乗せた太平丸は、北千島・幌筵島沖で、魚雷攻撃され撃沈した。本書は、強制徴用された朝鮮人軍属の生き残りの証言を中心にこの事件の概要をまとめたもの。全体の死者数は1000人程度で、そのうち少なくとも半数は朝鮮人だった。
 生き残った朝鮮人軍属は、その後、幌筵島の飛行場建設のために、奴隷労働として使役された。当時、北千島では、食糧は豊富で、日本軍人が食糧不足だったことはなかったが、朝鮮人軍属には、満足な食料は与えられず、飢餓状態だった。
 本書は、事件を順を追って説明したものではなく、幾つかの解説や新聞記事の切り抜きのコピーなどをまとめたもの。総数80ページのうち、半分が日本語で半分が韓国語であり、内容は少ない。
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NHKスペシャル取材班/著『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ2 樺太地上戦 終戦後7日間の悲劇』KADOKAWA (2019/10)
 本書は、2017/8/14に放送された45分程度の番組「NHKスペシャル 樺太地上戦」の書籍版。番組はDVDで販売されている。
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富田武/著『日ソ戦争 1945年8月 棄てられた兵士と居留民』みすず書房 (2020/7)
 太平洋戦争末期、8月9日に、ソ連は対日参戦した。本書は、この時の戦争のようすを解明した研究書。
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アンドリュー・バーシェイ/著 富田武/訳『神々は真っ先に逃げ帰った 棄民棄兵とシベリア抑留』(2020.5)人文書院
 太平洋戦争末期、ソ連が対日参戦すると、満州の日本軍は、神社のご神体特訓高級幹部をいち早く日本に退避させた。また、満鉄も上級職員と家族をいち早く退避させたため、一般日本軍人や一般居留民は満州後に取り残され、通の死者を出した。さらに、生き残った日本軍人の多くはシベリア抑留されることとなった。
 本書のタイトルは、このような事実を示している。しかし、本書の内容は高級軍人たちが逃げ帰った原因を明らかにするものではなく、シベリア抑留の実態を解明する研究書。

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ニコライ・V.ヴィシネフスキー/著、小山内道子/訳、他『樺太における日ソ戦争の終結-知取協定』御茶の水書房 (2020/8)
 樺太の日ソ戦が終結した知取協定および関連事項。協定のほか、南樺太における日ソ戦の様子や、協定後の南樺太の様子、関連したソ連将校たちのその後などが書かれている。
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『満洲・北鮮・樺太・千島における日本人の日ソ開戦以後の概況』 厚生省引揚援護局 未帰還調査部(1959.5) 
 (この本の千島・樺太関連の主要箇所です。
 ソ連との戦争の様子、占領・抑留・残留の調査資料。第一次資料として重要。古い資料であるため、現在では訂正されるべき内容もある。
『引揚と援護 三十年の歩み』 厚生省援護局/編 厚生省(1977.10.18)
 終戦後、外地からの引き上げ状況が詳述されている。 北方領土の話は少ないが、シベリア抑留の状況、残留日本人についても記載されており、この分野の研究には欠かせない資料。
加藤九祚/著『シベリア記 遥かなる旅の原点』 論創社 (2020/8)
 本書の内容は、シベリアと日本の関係が記述の中心になっている。革命前にウラジオストックに進出していた日本人の話や、シベリア出兵の話、それから、著者自身のシベリア抑留体験など。
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村山常男/著 シベリアに逝きし46300名を刻む
 著者は膨大な資料を分析し、シベリア抑留死者46300の氏名、死亡場所などを特定し、インターネットに公開している。 http://yokuryu.huu.cc/  シベリア抑留死者数には諸説あるが、著者が特定した46300人を大きく上回ることは無いだろう。これまで言われてきた死者数のうち、数十万人説は、冷戦期にアメリカが謀略宣伝として日本政府に言わせた数値であり事実と異なる。また、10数万程度の数値は、重複する死亡者名簿の人数を単純に加えた杜撰カウントの結果である。  著者はこのようないい加減な数値を出すことではなく、一人一人、丹念に名簿を照合し、名簿に記載された死者46300名を特定した。  本書は、死者46300名を特定する作業が、どのように行われたのかを明らかにするもの。
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朝日新聞社/編『復刻 日本新聞 T,U,V』 (1991)朝日新聞社
 シベリア抑留日本人が読むため、イワン・コワレンコを中心として「日本新聞」が発行された。本書は「日本新聞」のコピーで大型本、全3冊。
 日本新聞はソ連が日本人捕虜向けに発行した新聞なので、ソ連を肯定する内容。しかし、日本が降伏して降伏文書調印式が行われた等の、一般的な内容も多い。

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イワン コワレンコ/著『対日工作の回想』加藤昭/監、清田彰/訳 (1996/11)文藝春秋
 太平洋戦争で、日本が敗北すると、ソ連との間ではジャリコーボ村で極東ソ連軍総司令官ワシレフスキー元帥と秦彦三郎関東軍総参謀長との間で、停戦協定が締結された。交渉と言うより、勝者が敗者に指示を出すと言った会談だった。この会談に通訳として参加したのが、本書の著者のイワン・コワレンコである。瀬島隆三もこの会談に立ち会っている。コワレンコは、終戦後はシベリア抑留日本人への共産主義化活動に携わり、浅原正基等とともに「日本新聞」を作成した。また、対日工作にも深く関与している。
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浅原正基/著『苦悩のなかをゆく―私のシベリア抑留記断章』朝日新聞社 (1991/12)
 著者の浅原正基は東大在学時代に共産主義運動で逮捕された人で、シベリア抑留初期の段階で、対日工作将校イワン・コワレンコに従って、シベリア抑留日本人向けの共産主義教育を行うための日本新聞の作成に携わった。なお、イワン・コワレンコは関東軍の降伏に際して通訳をした人物。 
 浅原正基は抑留者でありながら、ソ連側の人間としてふるまった。しかし、抑留中にスパイ容疑で逮捕され、その後は受刑者として懲役刑に服することになった。1956年に日ソ共同宣言が成立して帰国した。

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草地貞吾/著『関東軍作戦参謀の証言』(1979.10)芙蓉書房 
 著者は関東軍作戦参謀として戦争に従事した後、捕虜としてシベリア抑留となり、裁判で受刑者となった。日ソ国交回復の時に、日本に帰国した。本書は、シベリア抑留の時の様子を著者の立場で書いている。
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『シベリアにうずめたカルテ』平出節雄/著 (2001/03)文芸社
 シベリア抑留体験者の体験記はいくつも出版されているが、本書も、このような本の一つ。  
 軍医だった著者は、満州でソ連軍に武装解除され、シベリア抑留となった。当時の日記を出版したような雰囲気ではあるが、実際には、帰国後に、当時を思い起こして、日記風にまとめたものを、著者の死後に、遺族が出版した。
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『最後のシベリヤ捕虜記 実体験から「抑留問題」を問う』 松本宏/著 1993.3 (MBC21)
 本書の内容は、シベリア抑留されたいきさつや、期間の様子なども記載されているが、なんと言っても、抑留中の食料支給方法が述べられている点で、類書との大きな違いがある。シベリア抑留の実態を理解するうえで、必要不可欠の本だ。
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栗原俊雄/著『シベリア抑留最後の帰還者 家族をつないだ52通のハガキ』 KADOKAWA (2018/1)
 シベリア抑留には「戦争捕虜」と「犯罪受刑者」の2種類があった。このうち戦争捕虜は昭和25年春までに生存者全員が帰還している。犯罪受刑者は昭和31年の日ソ共同宣言によって、全員が帰国することが合意された。
 本書は犯罪受刑者だった佐藤健雄がシベリア抑留中に往復した葉書を取り上げて、佐藤の抑留体験を著している。ただし、取り上げられた葉書は少ない。

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富田武/著『シベリア抑留 - スターリン独裁下、「収容所群島」の実像』 (中公新書) 中央公論新社 (2016/12)
 シベリア抑留関連本の多くは、抑留が大変だった等の旧・日本兵体験談が主流だったが、本書の著者は『シベリア抑留者たちの戦後: 冷戦下の世論と運動 1945-56年 (2013/12)人文書院 』を出版して、抑留体験者が日本に帰国した後に、日本においてどのような状況になったかを明らかにした。
 本書は、シベリア抑留を「ソ連の矯正収容所」「ドイツ兵のシベリア抑留」「日本兵のシベリア抑留」「満州・北朝鮮・サハリン等の外地居留日本人の状況」と広い視点で描いている。
  
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多田茂治/著『内なるシベリア抑留体験』 社会思想社(1994/5)
 戦犯としてシベリア抑留(受刑)した3人の日本人「菅李治」「鹿野武一」「石原吉郎」に関するノンフィクション。シベリア抑留の一端と、帰国後の日本社会に受け入れられなかった帰国者の状況を垣間見ることができる。
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泉友三郎/著 『ソ連南樺太 ソ連官吏になった日本人の記録』 妙義出版社(昭和27年7月)
 昭和27年発行の古い本。著者は、戦前樺太庁の役人だったため、戦後ソ連に占領されたときに、ソ連の管理として任用された。昭和22年に帰国したのちは、日本の官吏となる。本書は、著者がソ連官吏だった時代の話。今では信じられないことだが、当時、日本国内のは、ソ連を理想社会であるかのように考える人もいた。本書は、ソ連支配層をつぶさに見た著者が、ソ連の実態を著わしたもの。著者は、日本人ソ連官吏として食料調達にあたったため、ソ連が日本人住民への食糧供給に腐心している様子が分かる
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小林昭菜『シベリア抑留 米ソ関係の中での変容』(2018/3)岩波書店
 シベリア抑留と言うと、今から20年ほど前ごろまでは、単に「シベリア抑留はつらかった」「ソ連の対応が悪かった」「日本は悪くない」そんな内容ばかりだった。抑留体験者の多くが故人となった今、シベリア抑留で死亡した原因の一つに、日本人将校の対応の悪さが原因の一つであることが明らかになっており、客観的に史実を解明する研究も増えてきた。しかし、多くは日本の資料が中心だった。本書は、ロシア側資料やGHQ史料も利用することにより、シベリア抑留の実態を明らかにしようとしている。このため、シベリア抑留を知るうえで欠かせない図書と言えるだろう。
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『最後の鎮魂 シベリヤ物語』  松下忠/著 (1996) 光人社
 シベリア抑留を扱った物語。シベリア抑留・抑留生活などについて、いくつもの項目ごとに、数ページづつ書かれている。本のタイトルは物語であるが、かなり史実には近い内容と思う。  ・・・More・・・
田中宏巳/著『BC級戦犯 』(2002/7)ちくま新書
 本書は太平洋戦争のBC級戦犯について書かれた本だが、戦犯の話にとどまらず、戦争の状況や捕虜となった日本将兵がどのように扱われたかなどにも触れられる。
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増田弘/著『南方からの帰還:日本軍兵士の抑留と復員』慶應義塾大学出版会 (2019/7)
 日本軍将兵は連合国軍に降伏することになった。このうち、東南アジアの日本軍はアメリカ・イギリスなどに降伏した。本書は、これら日本軍将兵の抑留に関する研究。第一章はイギリス軍管轄、第二章はオランダ軍管轄、第三章はオーストラリア軍管轄、第四章はアメリカ軍管轄下のフィリピンをそれぞれ対象としている。
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永井均/著『フィリピンBC級戦犯裁判』(講談社選書メチエ)(2013/4)
 本書は、フィリピンの軍事法廷でのBC級戦犯の解説。
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『サハリンに残されて 領土交渉の谷間に棄てられた残留日本人』 粟野仁雄/著 三一書房 1994年4月15日
 出版当時のサハリン残留日本人の話。全体的な統計ではなく、個々人の状況を取材等により記述している。 また、色丹島残留日本人女性の子息が日本にやってきた時の話もある。
『樺太・瑞穂村の悲劇』コンスタンチン・ガポネンコ著 井上紘一/徐満洙=訳
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樺太(サハリン)・シベリアに生きる 戦後60年の証言 小川よう一/編著 社会評論社(2005.8.15)
 本書の内容は、サハリン残留日本人とシベリア残留日本人の話。  敗戦後、サハリンの日本人の多くは帰国したが、一部の人はそのままサハリンに残留した。第1章では、サハリン残留日本人数名の座談会。どのような理由で残留したのか、あるいは、残留後の苦労話など、個人的な事情が語られている。個人的な話なので、サハリン残留問題の全体像は分からない。
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片山道夫/著『追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯』凱風社 2010.8
 ジャーナリスト、片山道夫のノンフィクション。  朝鮮半島が日本の領土だった時代に、樺太の炭鉱で働き、その後九州の炭鉱で働き、終戦後は、再び樺太に密入国し、そこで生涯を終えた朝鮮人とその家族を追ったもの。  この中に、作者がサハリンの新聞社で見た、終戦のときに、樺太の朝鮮人が日本人に虐殺された事件を捜査したKGBの資料について、数ページにわたって書かれている。
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片山通夫写真集  『サハリン』未知谷 (2005/08)
片山通夫写真集  『サハリン逍遥』群像社 (2017/03)
  どちらの本も、サハリンやサハリン残留朝鮮人のモノクロ写真集。
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サハリンに生きた朝鮮人 ディアスポラ・私の回想記 李炳律/著 2008/1/30 北海道新聞社
 日本に生まれて、幼いときに家族の都合で樺太・東柵丹に移住し、そこで農業を営んだ作者の伝記。李は戦前は農民だったがソ連統治下の1947年、農業をやめて炭鉱労働者となり、その後、共産党員、職場長となった。  朝鮮人の立場ではあるが、サハリンの戦前、戦中、終戦の混乱期、ソ連占領期の様子が良く分かる。また、サハリン残留朝鮮人が南韓国に帰国できなかった理由を、ソ連が南韓国を承認していなかったとしている。冷静な判断だ。事実を淡々と記載している点で好感が持てる。
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朴亨柱/著、民涛社/編『サハリンからのレポート 棄てられた朝鮮人の歴史と証言』 御茶の水書房 (1991/1)
  本の主要部分は、戦後サハリンに残留した朝鮮人の生活を個々の事例を挙げて、詳しく説明。残留朝鮮人を通した、ソ連史を垣間見ることができるが、個人の事例なので一般化して考えることはできないだろう。
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『戦争と北方少数民族 あるウィルタの生涯』 田中了/著 草の根出版会(1994.4.11)
 千島ではなくて樺太の話。
 南樺太にはアイヌの他に北方少数民族ウィルタが居住していた。ウィルタのゲンダーヌ北川は、戦争末期、日本軍に徴兵され諜報活動に従事し、戦後戦争犯罪人としてシベリア抑留された。抑留解除後は日本に帰国して網走に居住した。帰国後、軍人恩給を請求するも、正式な徴兵でないとの理由で、恩給は認められなかった。
 本書は、ゲンダーヌ北川の少年時代から、諜報活動、シベリア抑留、帰国後の記録。


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北方領土問題 古文書の復刻


『蝦夷草紙』 最上徳内/著 須藤十郎/編 東京経済(1994.5.30)  (本の表紙はここをクリック
 原書は幕末に書かれたもの。最上徳内は日本で最初に択捉島を探検した人。本書は最上徳内の著した『蝦夷草紙』を活字に起こしたものである。北海道・樺太・千島の当時の様子を知るため、あるいは、北方領土に日露がどのように進出したのかを知る上で欠かせない文献である。原著は幕末に書かれたものであるため、現代語とは多少異なるが、それほど読みにくいものではない。
 
北方未公開古文書集成 第三巻 『赤蝦夷風説考 工藤平助 三国通覧図説 林子平 赤蝦動静 本田利明』   寺澤一、和田敏明、黒田秀俊/編 叢文社(昭和53年7月15日)
(18世紀末、工藤をトップに北方問題の先覚者が、ロシアの南下を警告し、幕府を動かし国防を強化させた一連の代表的策論)
  
北方未公開古文書集成 第四巻 『休明光記 羽太正養』   寺澤一、和田敏明、黒田秀俊/編 叢文社(昭和53年6月20日)
(ロシアの南下に対応して、1802年、幕府が蝦夷地の直轄を断行したとき蝦夷奉行になったエリート官僚が北辺を描いたドキュメント)
 
北方未公開古文書集成 第五巻 『奉使日本紀行』   寺澤一、和田敏明、黒田秀俊/編 叢文社(昭和53年6月)
 1804年に通商を求めて長崎に来航したレザノフ一行の海軍提督・クルーゼンシュテルンの航海記。オランダ語版を入手した幕府天文方・高橋景保を中心に翻訳された。
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『サハリン島占領日記1853-1854 ロシア人の見た日本人とアイヌ』ニコライ・ブッセ/著 秋月俊幸/訳 平凡社東洋文庫715 2003.4.23
 1853年秋、ネブルスコイはアニワ湾に面したクシュンコタンにムラビヨフの砦を作った。本書は、長官ブッセの日記。当時の南樺太の日本人、アイヌの様子が詳しい。
  
『長崎日記・下田日記』川路聖謨/著 藤田貞文・川田貞夫/校注 平凡社東洋文庫124 1968.10.10
 日露和親条約締結交渉の交渉当事者による日記。川路の日記よりも、注が詳しく、当時の交渉の様子が良く分かる。
 
『千島・シベリア探検史』北構保男/編著 名著出版(1982.3.29)
 全体の1/4は北構保男による、ロシアのシベリア・千島への進出史。日本との出合までの期間について説明されている。本の残りの3/4はG・F・ミュラーのロシア人による北東シベリア・日本・アメリカ発見史の翻訳。この本は、1760年ごろ書かれたもので、この分野の研究の基礎文献となっている。
 
『武四郎千島日誌 松浦武四郎−「三航蝦夷日誌」より』 松浦武四郎/〔原著〕 榊原正文/編著 北海道出版企画センター(1996.2)
 幕末の嘉永2年に、松浦武四郎が国後・択捉を旅行したときの日記。現代語に訳されており読みやすい。当時のアイヌの置かれた状況を垣間見ることができる。
 
『知床紀行』 松浦武四郎/〔原著〕 秋葉實/編著 北海道出版企画センター(2006.11)
 幕末、松浦武四郎が3度にわたって知床半島を旅行したときの日記。現代語に訳されており読みやすい。最後の旅行では、当時アイヌの置かれた現状・和人の横暴を鋭く告発している。
 
『色丹島記』 長見義三/著 新宿書房(1998.12)
 昭和17年に千島アイヌの調査の目的で色丹島を訪れた長見義三の色丹島滞在日記。
 
『北の民俗誌 −サハリン・千島の民族−』日本民族文化資料集成23 谷川健一/編 三一書房(1997.11.15)
 明治・大正期に書かれた、サハリン・千島の民族(オロッコ・ギリヤーク・樺太アイヌ・千島アイヌ)に関する論文・調査報告を集成したもの。千島アイヌについては、鳥居龍蔵の『千島アイヌ』が有名であるが、この本には収録されていない。
 巻末に掲げられた菊池俊彦の解説「サハリン・千島の民俗誌概略」は簡潔でわかりやすい。(簡潔すぎるけれど。)
 
中俣満/偏訳 松永靖夫/監修 『北夷談 樺太探検・北方経営の先駆者 松田伝十郎の蝦夷地見聞録』  新潟日報事業社(2009年4月30日)
 1799年、蝦夷地が幕府の直轄地になると、松田伝十郎は蝦夷地取締御用係となり、エトロフ島・カラフトなどの赴任した。これは、1822年に蝦夷地が松前藩に返還されるまで続いた。
 本の内容は、数度に渡る松田伝十郎の蝦夷地赴任記録の現代語訳。文章は読みやすい。 ・・・More・・・
 
私残記  森荘已/著 中公文庫(1977年10月10日)
 本の内容は、1807年、フォボストフのエトロフ島襲撃事件に遭遇、ロシア捕虜になり、警備不備の責任をとがめられた大村治五平の手記、およびその現代文・解説。
 この本は、昭和18年に刊行されたものの復刻版であるが、序文とあとがきは新たに追記された。 ・・・More・・・
 
ジャン・フランソワ・ガロー・ド ラペルーズ/著『ラペルーズ世界周航記〈日本近海編〉』白水社 (1988/02)  
 宗谷海峡の欧米名にラ・ペルーズ海峡として名を残すラ・ペルーズは、1787年、東シナ海・日本海を北上しサハリン西岸を調査して、世界で初めて近代測量によりサハリンが島であることを確認した。沿海州東岸、サハリン西岸の調査が詳しい。さらに、最狭部に進むにしたがって水深が浅くなることを測定し、大型帆船の通行は困難であると判断した。その後、宗谷海峡を通って千島東側からカムチャツカに至った。ここで、調査記録を部下に託して陸路フランスに届けた。
 本書は、ラ・ペルーズの航海記の日本語訳。最終章にはラ・ペルーズ遭難調査について書かれている。 ・・・More・・・  
 
ゲオルク・ハインリヒ・フォン ラングスドルフ/著、山本秀峰/訳『ラングスドルフ日本紀行 クルーゼンシュテルン世界周航・レザーノフ遣日使節随行記 』露蘭堂(2016/08)  
 幕末の1804年、レザーノフを隊長とする使節団が長崎に来航し、通商を求めた。この時、幕府は、レザーノフ一行を半年間、幽閉状態に置いた末、通商を拒否した。ラングスドルフは医師・自然科学者として、この航海に同行した。本書は、ラングスドルフによる日本やアイヌの観察記。長崎の滞在は6か月の長きにわたったが、ほとんど幽閉状態だったため、日本の風俗や自然に対する記述は限られていて残念だ。日本で通商を拒否されたレザーノフ一行はその後、北海道・樺太に立ち寄った。 アイヌとは自由に交流したため、アイヌの習俗の記述がある。  ・・・More・・・    
 
『武四郎千島日誌 松浦武四郎−「三航蝦夷日誌」より』 松浦武四郎/〔原著〕 榊原正文/編著 北海道出版企画センター(1996.2)  
 幕末の嘉永2年に、松浦武四郎が国後・択捉を旅行したときの日記。現代語に訳されており読みやすい。当時のアイヌの置かれた状況を垣間見ることができる。
 内容は旅行の日記なので、いつ・どこで何を見たとか、船が動かないとかそういう記述が多い。 ・・・More・・・  
 
ワシリー・ゴロウニン/著、徳力真太郎/訳『南千島探検始末記』 同時代社 (1994/01)   
 19世紀初め頃、ゴロウニンを艦長とするディアナ号は、ロシア極東海域の精密測量を行った。中部千島の松輪島から南下してウルップ島、エトロフ島、シコタン島を調査し、クナシリ島を調査したときに、日本人役人は偽計を用いてゴロウニンを逮捕した。
 ゴロウニンは、その後、2年3か月間、松前藩に投獄された。  
 本書の前半は、千島測量の記録。千島に属する各島の経度・緯度を記録するとともに、自然状況や居住するアイヌの人たちの様子が記される。千島の正確な地図が出来上がった経緯がわかる。  後半は、逮捕されたいきさつが詳しく記されている。   ・・・More・・・  
 
 
 


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北方領土問題 北辺地図


『古地図と歴史‐北方領土』 北方領土問題調査会編同盟通信社(1971.1)
 北方領土を含むオホーツク地域の地図の変遷を説明。地図のコピーも掲載されており分かりやすい。また、北方領土の歴史の解説も詳しい。書籍が大判なので、地図は見やすい。
   
『日本北辺の探検と地図の歴史』 秋月利幸/著 北海道大学図書刊行会(1999.7)
   北方領土を含むシベリア・オホーツク地域の探検と地図の歴史の説明。地図のコピーも掲載されており分かりやすい。出版が新しいので、最近の研究成果も加えられており、さらに、地図のコピーも見やすい。
 
『北方図の歴史』 船越昭生 講談社(1976) (本の表紙はここをクリック
   北方領土を含むシベリア・オホーツク地域の探検と地図の歴史の説明。地図のコピーも掲載されており分かりやすい。
 
『ロシア歴史地図』 マーチン・ギルバート/著 菅野敏子/訳 東洋書林 1997.5
 樺太・千島は特に関係ない
 
『日本地図史』 金田章裕・上杉和央/著 吉川弘文館 (2012/2/16)
 地図に描かれているからと言って、日本が実効支配していたと短絡的に判断することは出来ない。日本の地図はどのように作られてきたか、特に、国絵図はどのような変遷をしているのかを知ることは、領土問題理解のうえでも必要なことである。
 本書は、古代地図から、中世地図、江戸幕府の国絵図、東西交流による世界図、近世地図にわたり、日本地図史の全体像を説明している。 ・・・More・・・
 
『蝦夷古地図物語』 梅木通徳/著 北海道新聞社 (1974) 
 本書は、1974年に出版され、100ページ程度と少ないためで、掲載されている地図も、解説も少ないが、日本・ヨーロッパ・ロシアの地図をいろいろと掲載してあり、それなりに、地図の変遷が理解できる。 ・・・More・・・ 
 
『近世日本の北方図研究』 高木崇世芝/著 北海道出版企画センター (2011/11) 

江戸時代から明治初期にかけて日本で作られた北海道・樺太・千島の地図(北方図)の変遷を記述したもの。 ・・・More・・・ 

 
三好唯義・他/著『図説 日本古地図コレクション』河出書房新社 新装版 (2014/6)
   江戸時代末期までの日本地図の変遷を説明した本。古地図のカラー図版が多く、日本地図の変遷が視覚的にもよくわかる。しかし、図版が小さいので詳しいところはわからない。  ・・・More・・・  
 
上杉和央/著『地図から読む江戸時代』(2015/9)ちくま新書
中世の日本地図は奈良時代の僧侶・行基に由来するとされる行基式日本地図だった。本書は、江戸時代の初めごろに流布していた行基式地図が徐々に形を変えて、伊能図に変化していく過程を追っている。  本書は、江戸時代の日本地図の変遷史を解明するものであって、「古地図で見る江戸散歩」のような類ではない。 ・・・More・・・   
  
  

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北方領土問題 返還交渉


若宮啓文/著『ドキュメント北方領土問題の内幕: クレムリン・東京・ワシントン』 (筑摩選書) 筑摩書房 (2016/8/10)
 1956年、日ソ共同宣言という名前の条約が成立して、日ソ間で国交が回復した。この条約の中で、平和条約締結後に、歯舞・色丹を日本にひき渡すことが決められた。しかし、その後60年以上たっても、いまだに平和条約は締結されていない。  本書は、朝日新聞論説主幹を務めた若宮啓文による、日ソ共同宣言の交渉経緯の解説。  ・・・More・・・  
松本俊一/著『モスクワにかける虹:日ソ国交回復秘録』 朝日新聞社(1966.10.15)
 この本は、長らく絶版になっていたが、2002年に「ゆまに書房」より復刻された。
松本俊一/著, 佐藤優(解説)/著 『日ソ国交回復秘録 北方領土交渉の真実』 (朝日選書) 朝日新聞出版 (2012/8/10)
 上記図書の新版。2012年、佐藤優の解説をつけて、再版された。
松本俊一/著、佐藤優/著『【増補】日ソ国交回復秘録 北方領土交渉の真実』朝日新聞出版(2019/3)
 1956年の日ソ国交回復交渉の日本側責任者だった松本俊一の回想録。北方領土問題を理解するうえで、きわめて重要な資料。
 上記図書の増補版   ・・・More・・・
『さようなら、みなさん! 鳩山日ソ交渉五十年目の真相』堀徹男 木本書店(2007.2.17) (本の表紙はここをクリック
 1956年、日ソ国交回復のときの日ソ交渉を鳩山訪ソを中心に記述。河野・フルシチョフ、鳩山・フルシチョフ会談の、日本側・ソ連側両方の記録が掲載されている。
『クレムリンへの使節 北方領土交渉1955-1983』 久保田正明/著 文藝春秋(1983.2.5) 
 著者はサンケイ新聞記者として、1956年に重光外相の日ソ交渉に特派員としてモスクワ、ロンドンに同行した。日ソ国交回復のときの交渉が詳細に記述されている。日ソ交渉を知る上で、きわめて重要な資料。
重光晶/著『北方領土とソ連外交』  時事通信社(1983.1)
 外務省外交官による北方領土問題の解説。戦争末期から日ソ共同宣言までの期間が詳しく書かれている。外交官の解説であるため、内容は緻密で、北方領土に対する日本の正当性を主張している。この本が発行された当時としては、最大限の知識を動員して書かれたものと思える。しかし、その後、大戦末期の日ソ関係については、ボリス・スラビンスキーの研究が現れた。サンフランシスコ条約のいきさつについては、原貴美恵氏の研究成果が出版されている。さらに、日ソ共同宣言については、田中孝彦氏の詳細な研究成果が出版されている。これら、優れた研究成果を踏まえると、重光氏の著書はその細部に対して大幅な訂正が必要かもしれない。
 本書は、原貴美恵氏や田中孝彦氏の著書に比べて、だいぶ薄いので、概要を有る程度正確に知りたい人には、今でも役に立つ著書である。
『重光葵』 渡邊行男/著 中公新書(1996.8.25)
 外交官としての重光の伝記。個人の伝記ではあるが、日本外交が垣間見える。最終章は日ソ国交回復交渉の話。北方領土に対する重光の態度、二島変換で妥結することをダレスに厳しく叱責されたことなどが記されている。
『日中をひらいた男 高碕達之助』 牧村健一郎/著 (朝日選書 2013/12)
 通産大臣や科学技術庁長官などを歴任した政治家、高碕達之助の伝記。高碕は北方領土近海漁業にも尽力し、歯舞諸島昆布漁の安全操業に道を開いた。  ・・・More・・・
『帰れ北方領土』 北方領土百年記念刊行会/編(1968.7.29) (本の表紙はここをクリック
 北方領土問題に関して返還運動関係者等の数ページの解説が多い。
 北島丸事件の寺澤鑑定と一審判決に対する批判記事が数件ある。この裁判が北方領土返還運動に及ぼした影響の深刻さがうかがえる
『還れ北方領土』 高城重吉/著 有信堂(1970.4.30)
 著者はもと択捉島民で、千島歯舞諸島居住者連盟創立者。ソ連軍艦が択捉島沖に現れたとき、単冠湾の位置を教える等、択捉島占領期から引き揚げに至るまでの間、中心的な役割を果たしている。ソ連占領期の択捉島の様子を知る上で、重要な書籍。
 北方領土返還要求では、4島返還論を唱えているが、その、法的、歴史的根拠は我田引水的で読んでもあまり役に立たないだろう。
『呼び返せ父祖の築いた北方領土』 北方領土復帰期成同盟(1973.3.31) (本の表紙はここをクリック
 北方領土返還運動のための70ページほどの冊子。内容の半分は、返還運動大会に参加した母と子の感想文。こういうものは、領土問題理解にあまり役に立つものではない。冊子の中に、松本俊一の講演があるが、日ソ国交回復の事情を知る上で参考になる。
『なぜ帰らぬ30年』 北方を語る会/編(1975.10.30) (本の表紙はここをクリック
 170ページほどの冊子。全体としては、返還運動の問題点を検討しているものと思われる。北方領土問題への国民関心度の調査結果をもとに、北方領土問題への関心度は一般に低いとしている。返還運動の問題点と言う表題の座談会では、北方領土問題へ国民の関心を高める必要が力説されている。
 北方領土返還運動の経緯と展望と言う表題の座談会で、北対協副会長の成田勝四郎氏は、平和条約で日本が放棄した千島列島に北方領土が含まれないかどうかは、あいまいであると説明している。元内閣法制局長官の林修三氏は、二島返還論に対して、それなら日ソ国交回復のときにやればよかったことで、4島返還要求をいまさら変更すべきではないと説明しているが、問題解決に対しては何も述べていない。このような論説を読むと、北方領土返還運動関係者は、実際に解決しようとする意欲が乏しいのではないか、と思えてならない。
『日ロ関係の40年 日ソ国交回復から「東京宣言」まで』 「日ソ関係の40年」編集委員会/編 日本・ロシア協会(1996.10.30)
 自民党の三塚博を会長とする超党派の国会議員で作る日本・ロシア協会による、日ソ、日ロ政治の解説。日ソ国交回復以降が詳しいが、それ以前の北方領土問題の歴史についても説明がある。日ソ国交回復以降の日ソ関係史が詳しい。外務省発行の「われらの北方領土」の学習をさらに深めたい場合に有用。
『北方領土返還運動50年史』 北方領土問題対策協会/編 北方領土問題対策協会(1996.3)
 日本における北方領土返還運動史の説明。
枝村純郎/著『外交交渉回想 沖縄返還・福田ドクトリン・北方領土』(2016/10)吉川弘文館  
 もと、駐ロシア日本大使による外交交渉の回想録。著者は、ソ連崩壊時期に駐ソ連・駐ロシア大使を務めた。本書の内容は、著者が携わった外交交渉全般であるが、著者の経歴のため、ソ連・ロシア関連が多い。  ・・・More・・・  
『これがソ連の対日外交だ 秘録・北方領土交渉 NHKスペシャル』NHK日ソプロジェクト/著 日本放送出版協会(1991.7)
 北方領土交渉にまつわる、日ソ外交関係のうち、主にソ連側の外交交渉が書かれている。出版当時にあっては、新規な情報を含む最新の成果だったかもしれない。しかし、ボリス・スラヴィンスキーの『千島占領』やパノフの『不信から信頼へ 北方領土交渉の内幕』がまだ知られていない時期の出版でもあり、今から見ると事実関係に誤りが散見されることは、残念である。パノフの著書と合わせて読むと、日ソ間の北方領土交渉のいきさつが良く分かって面白い。
『不信から信頼へ 北方領土交渉の内幕』 アレクサンドル・パノフ/著 高橋実、佐藤利郎/訳 サイマル出版会(1992.8)
 ソ連・ロシアの極東問題担当者として、実際に北方領土交渉に携わったパノフによる交渉の内幕。北方領土返還交渉を知る上で第1級の参考書。
『北方領土 特命交渉』 鈴木宗男・佐藤優/共著 講談社(2006.9.25) (本の表紙はここをクリック
 鈴木宗男議員による、これまでの北方領土交渉の経緯。交渉に直接拘った本人の記述であるため近時の北方領土交渉を知る上できわめて重要な文献。ロシアの政治状況についての分析も的確である。たぶんに、我田引水的な解釈はある。
 なお、第四章の一部に「北方領土ビジネス」の項があって、ここでは、北方領土問題を自己の利益のために食い物にしている勢力について触れている。北方領土問題を考える上で、考えさせられる問題です
北方領土交渉秘録 失われた五度の機会 東郷和彦/著 新潮社(2007.5.25) 本の表紙はここをクリック
 元外務省条約局長・欧亜局長による、北方領土交渉の著述。ゴルバチョフ時代から2005年までの北方領土交渉を詳述。この時代は、ソ連崩壊・新生ロシア誕生と、ロシア内政がめまぐるしく変化した。外務省を辞めさせられたものの著書であるため、その点、割り引いて読む必要があるかもしれないが、政策立案者で直接交渉に当たった者の著述であるため、北方領土返還交渉を知る上で、第一級の資料。  (もう少し詳しいコメントはここをクリック
東郷和彦、保阪正康/著 『日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島 (角川oneテーマ21) 』 角川書店(2012/2/10)
 前半は、東郷・元条約局長の、北方領土、竹島、尖閣の領土問題解説。後半は、東郷氏と作家の保坂氏の対談で、おおむね、保阪氏が質問し、東郷氏が答える内容になっている。
 北方領土問題解説では、日ソ・日露の交渉の経緯が詳しい。ただし、東郷氏の著書「北方領土交渉秘録」の概要を説明したような内容なので、同書をすでに読んでいる人には特に目新しいことはないように感じる。交渉経緯のおさらいには良いだろう。東郷氏は日本側の交渉担当者なので、解説は、基本的には、日本側の見方になっている。 ・・・More・・・
東郷和彦/著『危機の外交』角川書店 (2015/7)  
 2002年に退官するまで、外交官として外交問題にかかわってきた著者による、現在日本の外交問題に対する打開策の提言ということになるのだろう。
 次の5つのテーマを各テーマごとに説明している。 「70周年談話」「靖国問題」「慰安婦と徴用工問題」「北方領土問題」「尖閣問題」
 ・・・More・・
孫崎享/著  『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 (ちくま新書 905) 』
 日本の領土問題を扱った本の多くは、日本政府の主張を焼き直して、自分勝手な意見を主張するものですが、この本はそうではなくて、まじめな歴史知識により、現実的な領土問題の解決を目指すものです。 ・・・More・・・
東郷和彦/著『返還交渉 沖縄・北方領土の「光と影」』 PHP研究所 (2017/3)  
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『元外務省主任分析官・佐田勇の告白: 小説・北方領土交渉』 佐藤優/著 徳間書店 (2014/1)
 本の内容は、フィクションということになるのだろうけれど、登場人物の名前も実名が容易に推定できるようになっているし、人間関係を含めて、基本的には、事実をそのまま書いているように感じられる。事実を書くために、あえて、フィクションという形をとったとも思える。
 当然のことであるが、内容は、著者の立場から見た事実であって、その意味では、一面的ではあるが、日ロ交渉を中心とした、日本外交の雰囲気が分かる。
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佐藤優/著 『日露外交 北方領土とインテリジェンス』角川書店 (2017/5)  
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本田良一/著『証言 北方領土交渉』中央公論新社 (2016/12)
 北方領土交渉過程が詳しく記載されている。特に、ゴルバチョフ時代から2016年ごろまでの北方領土返還交渉について非常に詳しい。
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名越健郎/著『北方領土はなぜ還ってこないのか-安倍・プーチン日露外交の誤算』海竜社 (2019/10)
 安倍内閣が二島返還に踏み切り、出口論に方針転換した経緯などが記される。
 ・・・More・・・
駒木明義/著『安倍vs.プーチン 日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか?』筑摩書房 (2020/8)
 安倍内閣では4島返還から2島返還へと転換し、北方領土問題の解決を図った。本書はこの時の経緯と、成果なく終わった原因について記述している。
 ・・・More・・・ 
北海道新聞社/編『消えた「四島返還」 安倍政権 日ロ交渉2800日を追う』北海道新聞社 (2021/9)
 安倍内閣では4島返還から2島返還へと転換し、北方領土問題の解決を図った。本書は交渉と成果なく終わったの経緯について記述している。
 ・・・More・・・

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北方領土問題 北方領土の現状


『密漁の海で 正史に残らない北方領土』 本田良一/著 凱風社(2004.6)
 1965年に起こった北島丸事件から取り上げている。レポ船(日本の情報をソ連に渡して、違法操業を見逃してもらう船)・特攻船(協力エンジンを積んだ高速船で警備を逃れる違法操業船)の実態が詳しく、内容の2/3を占める。残りの1/3は、ゴルバチョフ以降の日ソ・日露領土交渉にさかれていて、鈴木宗男問題等も詳しく説明されている。しかし、この部分は、北方領土周辺海域の漁業とは関係なく、前半の2/3と後半の1/3の関連性が乏しい。ゴルバチョフ時代以降の北方海域の漁業実態にもう少し触れて欲しかった。
本田良一/著 『〈新訂増補版〉密漁の海で』 凱風社 (2011/3/20)
 2004年に発行された、同名の本の改訂新版。最後の章が追加になっている。北方領土海域の漁業問題に関心があるならば、旧版を読んでいる人も多いだろうが、もし、まだ読んでいないのならば、ぜひ とも一読してもらいたい。 ・・・More・・・
『日ロ現場史 北方領土―終わらない戦後』 本田良一/著 北海道新聞社(2013/12)
 本の前半は、北方領土周辺海域での漁業の話。戦後、この地域の漁業を時代を追って説明していて、分かりやすい。日 本漁民の密猟と、加担している水産庁・北海道の関係が描かれている。密漁には、暴力団も深く関与しているが、この話 は多くない。内容的には、2004年に出版された「密漁の海で−正史に残らない北方領土』と重複する点も多いが、北方領 土問題と、地元の関与を考える上で、読む価値はあるだろう。
 本の後半は、終戦末期の占領以降の返還交渉の歴史。時間を追って、かなり詳しく書かれている。外交交渉は秘密のものが多いので、関係者の怪しげな情報や憶測が事実のように伝わっていることもあり、本書に書かれていることも、必ずしも真実であるとは思えないが、返還交渉の歴史を知る上で便利。
 ・・・More・・・ 
鈴木智彦/著『サカナとヤクザ』小学館(2018.10)
 著者は、ヤクザ関係の記事が多いフリージャーナリスト。
 大規模密漁とそこに関与しているヤクザのルポ。6章に分けて、全国の密漁を記述。密漁の話が多く、ヤクザの話はあまり多くない。
 ・・・More・・・ 
濱田武士、 佐々木貴文/著『漁業と国境』みすず書房 (2020/1)
 日本の国境問題と漁業の関連を手際よくまとめている。 ・・・More・・・ 
『新聞が見落としている レポ船の裏側』 山本峯章/著 日新報道出版部(1982.4.5)
 北方領土周辺海域で操業するレポ船(日本の情報をソ連に渡して、違法操業を見逃してもらう船)を取材しているが、取材は不十分である。又、本の後半は北方領土問題の歴史を記述している。この記述も、日本政府の北方領土論の焼き直しに過ぎず、総じて内容の乏しい本である。出版当時はそれなりに意義のある内容だったのかもしれない。
『されど、海 存亡のオホーツク』  土本典昭 1995.7 影書房
 1990年代になるとこれまで日本人の入域が厳しく規制されていた北方領土に、日本人ジャーナリスト・旅行者が立ちれるようになる。このため、1990年代前半には北方領土取材報告が多数出版された。これらの本では、北方領土の現実の姿の一端を知ることができる。ただし、取材は、日本への報道を目的としたものであるため、日本人に好まれるような取材が多い。これらの本は基本的には取材報告であるが、北方領土の歴史の解説も、まじめなものが多い。 
 本書は、映画監督・土本典昭による、日ロ合作映画の作成を目的とした、北方領土や沿海州地域の取材記。  ・・・More・・・
『オホーツク諜報船』西木正明/著 (1980.7) 角川書店
 本書は、レポ船を題材とした小説。それなりに取材がなされていて、ある程度レポ船の実態を反映しているようにも思えるが、何が真実で、何が作り話なのかよくわからない。   ・・・More・・・
『北方四島』 朝日新聞北方領土取材班 朝日新聞社(1991.10)
『北方四島・千島列島紀行』 NHK取材班 NHK出版(1993.6)
『北方四島紀行』 井出孫六・石川洋文 桐原書店(1993.3)
『素顔のサハリン千島』 金丸知好/著 連合出版(1993.6)
『北方四島ガイドブック』 ピースボート北方四島取材班 第三書房(1993.7)
『たったひとりでクリルの島へ(ホームステイでサハリン、北方領土を行く)』 浅井淳子/著 山と渓谷社(1992.9)
『エトロフの青いトマト(素顔の北方領土、エトロフ・クナシリ紀行)』 菅原有悠、石井英二 山と渓谷社(1992.6)

 1990年代になるとこれまで日本人の入域が厳しく規制されていた北方領土に、日本人ジャーナリスト・旅行者が立ちれるようになる。このため、1990年代前半には北方領土取材報告が多数出版された。これらの本では、北方領土の現実の姿の一端を知ることができる。ただし、取材は、日本への報道を目的としたものであるため、日本人に好まれるような取材が多い。ピースボート北方四島取材班の著書は日本政府の方針とは異なった立場で書かれている。
 これらの本は基本的には取材報告であるが、北方領土の歴史の解説も、まじめなものが多い。
 
『千島縦断』 北海道新聞社/編 北海道新聞社(1994.8.20) 
 1990年代に北方領土取材報告が多数出版されたが、この本もその一つ。ただし、北方領土にとどまらず、ウルップ島から占守島までの北千島の取材報告も含まれている。写真も多い。北方領土問題などの政治的な問題はない。千島はこの取材が行われて以降、急激に変化したので、現在の状況とは異なる。
『コースチャから北方領土へ ひらかれるソビエト極東と北海道』 NHK札幌放送局・日ソプロジェクト/編 NHK北海道ビジョン(1991.3.20)
 コースチャとは、やけどを負ったサハリンの少年の名前。彼を札幌の病院で手当をした時の話を初めとして、サハリン・北方領土のいろいろな話題が書かれている。コースチャの話は40ページあまりと詳しいが、それ以外は10ページ足らずと少ない。このため、いろいろな話題が書かれているが、夫々は若干、突っ込み不測の感じがする。
『禁じられた島へ 国後・色丹のたび』 岸本葉子/著 凱風社(1992.4.30)
 戦後、サハリン残留日本人の息子で、色丹島在住のビクトル・ヨシオビッチ・シュストフとの会見を中心に、何人かの、北方領土在住日本人2世を取り上げている。色丹島残留日本人フジイ・ユキオの息子との会見の話もある。
『北方四島貸します 色丹島50年賃貸事件の真相 現地ルポ』 吉岡達也/編著(1992.10)
 1992年に、香港の会社を経営する中国系日本人が、色丹島の土地賃貸契約を結んだ。このとき、背後にKGBが動いているなどと、根拠のないデマをマスコミに吹聴する右翼学者も存在した。本書は、綿密な取材に基づいたルポルタージュ。 
名越健郎/著『北方領土の謎』 (2016/11)海竜社
 本書は、北方領土の現状についての解説。近年では、北方領土の映像を見る機会は多いけれど、映像だけではわからない状況もあるので、本書を読むことは無駄ではない。     ・・・More・・・   
『国境の植民地・樺太』 三木理史/著 塙書房(2006.5.15)
 樺太の歴史、樺太に日露が進出した歴史と、現在の樺太の状況が説明されている。あまり知られていないことも多く書かれており、この分野に関心のある人には役に立つ書籍である。ただし、歴史の話と現在の話が明瞭に分離されて記述していないので、若干読みにくい。
西牟田靖/著 『ニッポンの国境』 光文社新書  2011/7  ・・・More・・・ 
 西牟田靖/著『誰も国境を知らない 揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅 』 朝日文庫 2012年
 著者は北方領土・竹島・尖閣諸島を取材したことがあるノンフィクション作家。北方領土取材では、ロシアのビザを取った上で、サハリン経由で渡航している。また竹島取材は、韓国・鬱稜島経由の入域。いずれの場合も、日本政府の指導を無視した形での入域である。北方領土への渡航は、返還運動関係者に対して、ビザなし渡航が認められているが、ノンフィクション作家である西牟田に対して、日本政府はビザなし渡航を認めなかったため、ロシアのビザを取った上での渡航をした。尖閣の取材は、上陸することが許可されなかったため、飛行機を使っての上空からの取材だった。  ・・・More・・・   
『わが夕張 わがエトロフ』 佐々木譲/著 北海道新聞社(2008.9.5)
 著者のエッセイ。題名は『わが夕張 わがエトロフ』となっているが、夕張・北方領土のエッセイは全体の1/4程度。このほかに、北海道中標津の話や、バルト三国の話がある。北方領土のエッセイは、ビザなし交流で、エトロフ・シコタンを訪れたときの話。
『知られざる日露国境を歩く』 相原秀起/著ユーラシアブックレット(2015/2)
 かつて、日ロの国境だった樺太の北緯50度線には、国境を示す標石が4個置かれていた。本の前半では、この標石が現在どのようになっているか、あるいは、当時置かれていた場所はどうなっているのかを取材した結果を記載している。  ・・・More・・・
『千島列島の植物』 高橋英樹/著北海道大学出版会 (2015/3)
  千島列島の植物を外来種にいたるまで網羅。植物を科ごとに分類し、学名・分布状況などが詳述されている。千島列島の植物を知る上で、最も重要な文献だろう。本書は、学術書であって一般向け啓蒙書ではないので、植物の絵図はなく、本書を理解するためには、ある程度の予備知識が必要。本書のメインは千島列島の植物を網羅することであるが、千島列島の植生の解説も詳しい。   ・・・More・・・
『北千島の自然誌』 寺沢孝毅/著 丸善出版(1995/6)
 北千島の旅行記。「どのように訪れたのか」「動物を中心とした自然がどのようであるのか」このようなことが記述の中心。
 ・・・More・・・
阿部幹雄/著 『北千島冒険紀行』 山と溪谷社 (1992/8)
 ソビエト崩壊直前の1990年に、北千島アライド島、ポロムシル島のスキー登山記録。   ・・・More・・・ 
相原秀起/著『ロシア極東 秘境を歩く』 (2016/11)北海道大学出版会
 内容は「占守島」「サハリン」「シベリア」の3つに分けられ、すべて著者の取材記。 現状を取材したのではなくて、各地に残る日本人の足跡をたどっている。   ・・・More・・・ 
中村逸郎/著 『シベリア最深紀行―知られざる大地への七つの旅』岩波書店 (2016/2)  
 ロシア政治が専門の中村逸郎教授によろシベリア案内。
 シベリアに住む人々を取材したものだが、シベリアの一般像を描いているのではなくて、世捨て人のようなかなり変わった人を対象としている。
  ・・・More・・・ 
井澗裕・他/著・編 『稚内・北航路 サハリンへのゲートウェイ』北海道大学出版会 (2016/7)  
稚内はサハリンとの国境であり、2005年までは定期航路があった。本書は、国境を接する稚内とコルサコフのの問題を扱う。実際には、稚内とコルサコフの歴史観光案内といった趣の本。最近、社会科の先生を引率とした地方の歴史観光散策が盛んだが、本書はこの稚内・樺太版。  
  ・・・More・・・  

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北方領土問題とは直接関係ないけれど、理解の参考になる本


『日ソ戦争への道 ノモンハンから千島占領まで』 ボリス・スラヴィンスキー/著 加藤幸広/訳 共同通信社(1999.8.10)
 日ソが戦争に至った経緯を詳細に説明している。特に、なぜソ連は日本との戦争に突入したのか、この点の説明が詳しい。
 千島の占領に限って言えば、同じ著者による『千島占領』共同通信社(1993.7)の方がずっと詳しい。
 
『中国革命とソ連』 ボリス・スラヴィンスキー、ドミトリー・スラヴィンスキー/著 加藤幸広/訳 共同通信社(2002.11.8)
  1917年のソ連誕生から、1937年の中ソ不可侵条約までの期間の中ソ関係を各時代区分ごとに詳述。
 
『日ソ中立条約』 ボリス・スラヴィンスキー/著 岩波書店(1996)
 
『ソ連が満州に侵攻した夏』 半藤一利/著 文芸春秋(1999.7)
『ソ連が満州に侵攻した夏』 半藤一利/著 文春文庫(2002.8)
 大戦末期、満州における日ソ戦。千島の話はない。
 
『「九人の乙女」はなぜ死んだか  樺太・真岡郵便局電話交換手集団自決の真相』 川嶋康男/著 恒友出版(1989.8) (本の表紙はここをクリック
 この本は北方領土問題とは関係ない。
 太平洋戦争末期、ソ連侵攻のとき、樺太真岡郵便電信局の電話交換手12人のうち9人が集団自決する事件が有った。この事件は映画「氷雪の門」で、美談に仕立て上げられた。実際は集団ヒステリーに襲われた電話交換手のうちの9名が五月雨的に自殺したもので、他の郵便局員には当然のことながら自殺者はいない。戦後、自殺が美談として語られたため、生存した3名のものには、「なぜ死ななかったのか」などとあらぬ非難がなされたとのことである。映画では生存した3名のものは初めから存在しなかったかのように作られている。
 この本では、誤って伝えられ、美談とされた集団自殺のいきさつを正確に伝えることを目的として書かれている。稚内市には映画を記念する碑が立てられ、靖国神社の解説でも、映画が史実であるかのごとき誤った記述がなされている。樺太・真岡郵便局電話交換手集団自決に関心がある人は必読の書。
 
『九人の乙女一瞬の夏』 川嶋康男/著 響文社(2003.4.25)  (本の表紙はここをクリック
 上記『「九人の乙女」はなぜ死んだか』の改訂新版。内容はほとんど同じ。最後に、20ページほど補遺が追加されている。上記図書より出版は新しいが、出版数が少ないため、入手はむしろ困難かもしれない。
 
『完本・太平洋戦争(下)』 文藝春秋社/編 1991.12.1
 太平洋戦争に関する記事を集めたもの。文藝春秋の記事が多い。
 P412〜P420は桜井千代子の『女交換手真岡に散る』。この元記事は、『文藝春秋』昭和49年9月の『女交換手真岡に玉砕す』である。著者は、生き残りである川島の親戚筋に当たる交換手。この記事では、青酸カリは可香谷が恋人の憲兵隊員から入手したものであると、この日非番だった古屋百合子(旧姓八木橋)が可香谷から聞いた話として紹介している。また、川島・堺は青酸カリが少なかったので、死ななかったと説明している。岡田については触れられていない。高石・可香谷と年長者から順に自殺したとしている。
 
『証言・樺太朝鮮人虐殺事件』 林えいだい/著 風媒社 1991.9.1
 真岡攻略に関して発生した瑞穂虐殺事件が紹介されている。(虐殺被害朝鮮人十数名)
 
『樺太朝鮮人の悲劇-サハリン朝鮮人の現在-』崔吉城/著 第一書房、2007年5月
 樺太に残留した朝鮮人の話。聞き取り調査が多いが、学術研究結果を著したものなので、事実を冷静に喜寿すしている。特定の立場に立った意見を一方的に言っているものではない。
 
『悲しみの島サハリン−戦後責任の背景』 角田房子/著 新潮社(1994/3/15)
 戦後サハリンに取り残された朝鮮人の記録。北方領土問題とは直接関係ないが、北方領土でも朝鮮人は取り残されたので、北方領土残留朝鮮人問題を考える上で、参考になる。
 
『樺太朝鮮人の悲劇 サハリン朝鮮人の現在』 崔吉城/著 第一書房(2007.5) (本の表紙はここをクリック
 サハリンの歴史、朝鮮人強制連行、戦争末期の朝鮮人虐殺事件、戦後のサハリン朝鮮人の実態、が書かれている。研究成果をまとめた本なので、冷静・公正に書かれており、好感が持てる。   (もう少し詳しい感想はこちら
 
『「イエスかノーか」若きカメラマンのマレー・千島列島従軍記』 石井幸之助/著 光人社(1994.4.8)
 従軍カメラマンの手記。前半2/3はマレー従軍記で、後半の1/3が北千島・占守の従軍記。著者が北千島に従軍したのは、昭和19年の秋から、昭和20年の4月まで。この期間、北千島では目立った戦闘はなく、米軍相手に若干の衝突があったに過ぎないが、越冬しているので、そのときの様子などは詳しい。。ソ連との戦争の話はない。
 
『三儲軍談 北方派遣軍 下の勇士は語る』 北川省一 1984.9.17 現代企画室
 中千島に出征した兵士による回顧談。著者は日ソ戦以前に国内に配転になったため、日ソ戦の話は無い。
 
『天皇裕仁と地方都市空襲』 松浦総三/著 大月書店 1995.4.14
 昭和天皇独白等では、終戦の原因はソ連参戦であると説明している。
 
『日ソ交渉の舞台裏 ある外交官の記録』 新関欽哉/著 NHKブックス 日本放送出版協会(1989.1.20)
 1971年から1973年まで、大使としてモスクワに駐在した新関氏の日記。外交問題で微妙な話は全くない。大使がいつ誰と会見したのかを調べる上では重要。
 
『戦争責任』 家永三郎/著 岩波書店(1985.7)
  
『日本北方史の論理』 海保嶺夫/著 雄山閣(1974)
『アイヌ民族と日本の歴史』 宮島利光/著 三一新書(1996.7)
『先住民族アイヌの現在』 本田勝一/著 朝日文庫(1993.7)
  これらの書籍は、日本とアイヌの関係、さらには日本の北方進出の歴史を理解するために参考にしました。
  
『アイヌ民族の歴史』 榎森進/著 草風館(2007.3.1) 
 詳しい
 
『静かな大地 松浦武四郎とアイヌ民族』 花崎皋平/著 岩波書店(1988/9)  岩波書店同時代ライブラリー(1993.10.15) 
 幕末、北海道旅行をした探検家松浦武四郎の日誌の説明、当時の和人の横暴とアイヌの困窮を描いている。
 
『アジアの教科書に書かれた日本の戦争東アジア編』 越田稜/編・著 梨の木舎(1990.2)
『全訳 世界の歴史教科書シリーズ31 韓国』 帝国書院(1983)
『全訳 世界の歴史教科書シリーズ6 インド』 帝国書院(1981)
『全訳 世界の歴史教科書シリーズ22 ソヴィエト連邦W』 帝国書院(1981)
『概説韓国の歴史 韓国放送通信大学校歴史教科書』 宋讃燮・洪淳/権 著 藤井正昭/訳 明石書店(2004.1)
 ソ連対日参戦を含む第2次世界大戦を、日本周辺各国の教科書はどのように記述しているのか、これらの書籍を参考にした。
 
『帝国書院の復刻版地図帳』 帝国書院(2004.3)
 帝国書院がかつて発行した学校教科書地図の復刻版。昭和9年、昭和25年、昭和48年の地図がある。
   
『大日本帝国郵便始末』 篠原宏著/著 日本郵趣味出版(1980.3)
『明治郵便局名鑑』 二重丸印の会 二重丸印の会(1983/11)
『丸一印の分類と楽しみ方』 田中寛/著 日本郵趣味出版(1986/10)
『樺太の郵便』 山下精一/著 日本郵趣味出版(1978.7)
『わかりやすい外国郵便の手引き』 浜野寅四郎 財団法人国際通信文化協会(1982)
『「日専」を読み解くシリーズ 軍事郵便』 玉木淳一/著 日本郵趣協会(2005.7.20) 
 
『北海道の100年』 永井秀夫他 山川出版社(1999)
『北海道の歴史』 田端宏他 山川出版社(2000)
 北海道の歴史を知る上で、参考にしました。  

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北方領土問題 こんな本もあります(特にお勧めしない本)


『日本の領土 北方の島々』 北方領土問題調査会(1983.2)
 北方領土問題解説書には大判・布張りで厚い紙を使っている本が多い。このような形態の本は、概して内容が乏しい。半分は、日本政府の北方領土問題解説冊子と同じような内容で、残りの半分は戦前の北方四島の写真が掲載されている場合が多い。右翼・やくざ・政治家などが、資金集めのために発行し、企業や自治体などに高額で売りつけるために作られたことが多い。
 この書籍は、大判・布張りで厚い紙を使っていて、本の前半は、日本政府の北方領土問題解説冊子と同じような内容で、後半は戦前の北方四島の写真である。ただし、北方領土問題に取り組んでいる複数の人の解説が掲載されているなど、このような体裁の本の中では、いくぶんまともな内容ではある。
 
『北方領土解決の鍵 元北千島師団参謀の実証と提言』 水津満/著 謙光社(1987.2)
 事実関係の誤解・曲解がはなはだしい。捏造と思われる記述も多い。事実の誤った理解により、北方領土は日本の領土であることを主張している。
   
北方領土奪還への道』 水津満/著 日本工業新聞社 (1979.8)
 上記と所と同じような内容の本です。
 
『知られざる北方領土秘史  ソ連は最初北方四島は諦めていた 四島返還の鍵はアメリカにあり』 戸丸広安/著 第一企画出版 (1991.2) 
 南千島占領ソ連部隊と、北千島占領部隊とは異なっていた。このため、南千島はソ連占領地ではなかったとの俗説があった。ソ連崩壊後の資料公開により、このような俗説は完全に否定されている。この本は、誤った俗説を事実として、領土返還論を組み立てている。なお、誤った俗説は水津満の著書から出ているようである。
 
数多久遠/著『北方領土秘録 外交という名の戦場』 祥伝社 (2018/12)
 フィクション  ・・・More・・・
 
『日本固有の領土 北方領土をとりもどす 北方領土問題がわかるQ&A』 日本会議事業センター/編 明成社 (2013/03)
 56ページの薄い本。 本の表題から、北方領土を取り戻す対策を示しているのかと思ったら、そういうことはなくて、日本に都合の良いことを一方的に主張するだけのもの。こんなことでは、国際社会を説得できないどころか、北方領土問題を学習したものにとっては、ばかばかしい、虚言に過ぎない。     ・・・More・・・
 
証言 私の昭和史 5 東京12チャンネル編集部/編 学芸書林(昭和44年10月31日)
 テレビ放送をまとめた本のようである。戦争中のいろいろな証言。日ソ関係は少ないが、水津満の証言が掲載されている。ただし、この部分は全体で10ページであり、話の多くは占守島の戦闘に費やされている。水津がウルップまで行った話も有るが少ない。 
 
『私たちの北方領土』 財団法人 日本経済教育センター/編集・発行 (1994.8)
 22ページの薄いパンフレット。総務庁北方対策本部の協力で作成されている。外務省が発行している『われらの北方領土』の内容を薄くしたようなもの。
 
『レーニンと下田条約―北方領土問題のレーニン主義的解決の提案』清水威久/著 原書房 (1975)
 ソ連の百科事典等を中心に北方領土問題を検討しているが、解釈や解説は精緻さを欠き、我田引水の独善的であり、あまり参考にならない。
   
『北方領土 軌跡と返還への助走』 木村汎/著 時事通信社(1989.9)
 著者はソ連問題が専門の学者であるので、日本とソ連との領土意識の違いを踏まえて、北方領土返還運動をどのように行うべきかを解説している。しかし、本書は、ゴルバチョフ時代に書かれたものであり、その時代の処方箋に過ぎないので、現在では、この処方箋は、あまり役に立たないだろう。
 著者の日本の領土意識の認識は、かなり皮相的である。日本人の領土感の説明を、山本七平氏の著書を引用する形で説明している(P4)が、分析不測の感は否めない。さらに、戦後日本の国際紛争の解決法や自国の安全保障政策を、憲法9条の堅持と憲法9条精神であるとの説明がある(P28)。日米安保条約を無視したこのようなナイーブな議論は、国内政治の現実から遊離した、一面的で役に立たない議論だろう。
 1956年に締結された日ソ共同宣言の認識も、現実政治をもう少し深く検討したうえで、議論して欲しいように思う。この点に関しては、 岩下明裕/著『北方領土問題 4でも0でも、2でもなく』中公新書(2005.12) が、はるかに詳細な検討をしている。
 
『北方領土と日本海経済』 板橋守邦/著 東洋経済新報社(1991.3.14)
 ゴルバチョフ末期(ソ連末期)の極東・サハリン・千島の経済状況の解説書。当時としては、特に経済界には、有用な情報だったかもしれない。北方領土の話は多くない。
  
『日・米・ロ 新時代へのシナリオ』 木村汎/グラハム・T・アリソン/コンスタンチン・O・サルキソフ/著 ダイヤモンド社(1993.3.18)
 本の前半は、『北方領土を読む』 木村汎/ほか プラネット出版(1991.4)と同様な視点で書かれた、解説。史的事実は正確であるが、なぜか、アイヌに対する考慮が全くない。本の後半は、ロシア側のいくつかの論文を紹介している。ただし、日本の北方領土返還論に単純に迎合しているような論文のみで、史的事実や政治的・経済的分析も不十分である。
 出版当時としては、有用な情報だったかもしれないが、今となっては、あまり価値はないだろう。
 
『北方領土を読む』 木村汎/ほか プラネット出版(1991.4)
 ゴルバチョフ政権下、北方領土が日本に返還される期待が高まったことがある。この時期に、当時の政治状況を複数の研究者が多角的に解説し、近未来を予測している。当時としては、有用な情報だった。
   
『北方領土の真実 300年の歴史と将来への提言』 中名生正昭/著 南雲堂(1996.4.20)
 著者は読売新聞編集者です。北方領土は日本の領土であるとの主張に見受けられます。
 北方領土日本領を主張する論者の中には、自分の主張に都合の良い事実だけを集めて、いい加減な解釈をする人がいますが、そのような人と比べても、論旨がいい加減に過ぎる本だと思います。以下、2例をあげます。
 @エブレイノフとルージンの千島地図に、オストロフ・ヤポンスキヤ(日本島)とあることから、「当初、ロシア人は、千島は日本のものである、という明確な認識を持っていた」と説明している。当時、ロシアでは、日本に至る航路を発見することが重要だった。エブレイノフとルージンは「日本の一部に到達した」と自分達の手柄を強調するために、オストロフ・ヤポンスキヤと書いたのであって、当時、そこが日本か否かの知識は、ロシアには、なかった。
 A「クリル」の語源について、以下の説明をしている。「松前家などが古くから千島をアイヌ語からきたと思われるクルミセと呼んでいたことに関係すると見た方が適切であろう。」ちょっと考えたら、これがデタラメな説であることが分かるだろう。日露の接触よりも、クリルの用語のほうが古いのだから、クリルの語源に松前家が関係ないことは明白である。「クリル」は、人を意味するアイヌ語の「クル」のカムチャツカにおける言葉から来ていることは、いまや定説である。松前家は関係ない。ちなみに、「松前」の名前もアイヌ語から来ている。
 
『日露外交』 斎藤勉/著 角川書店(2002.9.20)
産経新聞に連載された記事をまとめたもの。本の題名は日露外交だが、内容はソ連崩壊以降10年間の旧ソ連圏のルポがメインである。日ロ関係については、最初の1/4程度。ソ連崩壊期以降の日ロ外交について書かれている。北方領土問題では、鈴木宗男の二島返還論を批判しており、四島返還論絶対視の立場。
 
『北方領土は泣いている』 斎藤勉・内藤泰朗/編著 産経新聞出版(2007.7) (本の表紙はここをクリック
 4島一括返還論以外は絶対だめであると主張し、最近の現実的解決を目指そうとする論調を攻撃している。論拠は、50年間使い古された日本に都合の良い一方的主張で、まったく新味は無い。しかも、類書に比べても、論証は緻密さを欠いている。  (詳しいコメントはここをクリック
 
『日本の領土 そもそも国家とは何か』 田久保忠衛/著 PHP研究所(1999.2.11)
 北方領土、竹島、尖閣、沖縄について記述されている。北方領土問題では、日本政府の説明をそのまま繰り返しているような感じ。外務省発行『われらの北方領土』の説明を超えるものではない。北方領土問題のみを知りたいのであるならば、『われらの北方領土』を読んだほうが良いかもしれない。
 
『日本の領土問題』 田久保忠衛/著 PHP研究所( 2007.4.2) (本の表紙はここをクリック
 上の本の改訂新版。 (詳しいコメントはここをクリック
 
『日露領土紛争の根源』 長瀬隆/著 草思社(2003.5)
 北方領土問題を厳密に解説しようとする体裁の本が多い中、ちょっと異色です。
 論説・解説として読むと、しっかりした論証ではなく、単に、思い込みで書いているように思われます。小説として読むと、文章が面白くありません。随筆として読むと、話題がマイナーすぎて、興味が持てません。このように、中途半端で、どのように評価したら良いのか戸惑います。
 最後の章は、和田春樹氏らに対する、感情的とも言える批判です。和田春樹氏が嫌いな人は、一緒になって罵倒するとストレス解消になるかもしれません。
 
『「北方領土」上陸記』 上坂冬子/著 文芸春秋 (2003.10)
   ちょっとした読み物です。歴史的、法的内容には、もうすこし、まともに取り組んではしかった。
 
『これでは愛国心がもてない』  上坂冬子/著 文芸春秋 (2007.1)
   本の題名からして、自分の主張を根拠もなく一方的に言っているだけのような気がしたが、事実関係が誤りで、その上に自分勝手な主張では話にならない。 本の内容は、前半が2006年8月に起きた、日本漁船に対するロシア銃撃事件。後半は靖国問題である。 
 著者の上山冬子は、違法操業でロシア警備艇から銃撃を受けた坂下登船長にインタビューを行い、当時のマスコミ取材と同様な説明を得ている。上山冬子は坂下の説明の信憑性を全く考えることなく、坂下はすべて真実をありのままに発言しており、ロシアの公式説明はすべてが虚偽であるとの前提で、日本国民に愛国心を求めているのだろうか。坂下が日本の法律に違反していたことが、日本の検察当局によって認定された現在、この本を読む価値は全くないだろう。 (もう少し詳しいコメントはここをクリック
  
『イラスト・北方領土 100問100答』 木村汎/監修 深澤賢治/編集 人間の科学社(1991.5)
 書名のとおり、イラストとちょっとした解説のみ。知識が乏しく、読書が嫌いな人に、日本に都合の良い北方領土返還論を、無批判に信じ込ませるためには、最適。北方領土問題をまじめに考えようとする人にとっては、役に立たない。
   
『島国ニッポンの領土問題』 中澤孝之/日暮高則/下條正男/著 東洋経済新聞社 (2005.8)
   日本の領土問題全般を扱った薄い本。北方領土問題も少し扱っているが、内容が乏しい。北方領土は日本領との立場で書かれているようである。
 
『日本の国境』 山田吉彦/著 新潮新書(2005.03)
 日本の領土問題全般を扱った新書本。北方領土問題も少し扱っている。内容は、外務省国内広報課発行『われらの北方領土』と同様であるか、むしろ説明が乏しい。
 
『日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記』 山本皓一/著 小学館(2007/5/31)
  (本の表紙はここをクリック)  (コメントはここをクリック
 
『還らざる島 北方領土の真実』 北海みちお/著 文藝出版(2007年06月)
 この本を読むことを勧めません。特に学校図書館には絶対に置かないことを強く勧めます。 (詳しいコメントはここをクリック
 
『北方領土とボランティア 「理」は「我」にあり』 小谷豪冶郎/著 丸善株式会社 (2000.4)
 題名からも推察できるように、北方領土が日本の領土であると言う日本側だけの主張を一方的に展開している。しかし、日本側の資料には、既に誤りであることが分かっているようなものも、真実であるかのように提示しており、議論がずさんすぎる。出版が2000年と古くないはずなのに、なぜ、このような本が出版されるのだろうか。
 
『千島と日本人』 脇哲/著 北苑社(1970.4.25) (本の表紙はここをクリック
 日本の北方領土進出から終戦で失うまでの歴史を、日本人(和人)の立場で描いている。日本人の行為は常に好意的なのは仕方ないとしても、奥州藤原の黄金はシベリアからもたらされたのではないかなど、夢物語で日本を美化している部分が散見される。
 歴史の解説としては、一応まともで、詳しい。しかし、古い本なので、いまさら、この本を取り立てて読む必要は無いだろう。
 
『日本の島々、昔と今』 有吉佐和子/著 集英社(1981.4)
 日本の離島の旅行記。北方領土問題は番外編として触れられている。この文章は、北方領土の歴史解説と、納沙布取材である。歴史解説は、そつなく纏められているようにも感じるけれど、正しく知りたい人は別の歴史書を読んだほうがよいだろう。取材記の中で、著者は貝殻島は「橋をかければ車で五分もかから無い距離」と紹介しているが、貝殻島は満潮時には水没する岩礁なので、橋をかけることはできないだろう。単なる娯楽本だとしても、せめて、地図ぐらい調べてから書いて欲しかった。
 
『北方領土と三池藩』 岡本種一郎/著 時事新書(1971.6.1) 
 
『北方領土物語』 吉井宣/著 みやま書房(1973.7.30) (本の表紙はここをクリック
 北方領土の地理・歴史およびソ連の占領を幾つかの話題を取り上げて記述。統一的に学習するための参考書にはならないが、取り上げている話題に関しては参考になる。
 
『北の隣人 日ソ国交回復30年』 北海道新聞社/編 北海道新聞社(1986.10.15)
 出版当時の民間の日ソ交流の説明。北方領土問題とは、直接関係ない。
 
『日ソ関係 領土外交と経済協力』 高山智/著 教育社(入門新書)(1978.8.20)
 4章のうち、第1章はロシア革命以降の日ソ関係史の概略、第2章が北方領土問題の解説に当てられている。北方領土問題の解説は、北方領土の地理的概要から始まり、両国の主張に及んでいるが、ページ数・内容ともに少ない。しかも、出版があまり新しくないので、今となっては、取り立てて学習する価値はないだろう。
 
『国際法から見た北方領土の問題』 北海道総務部領土復帰北方漁業対策本部(1967.3.27/1969.3)  (本の表紙はここをクリック
 国士舘大学教授田村幸策氏の解説。北方領土は日本の領土であるとの日本の主張を国際法から説明。この分野でも、いろいろな解説が出ている現在、説明の論理があまりのも貧弱で、自分勝手な主張をしているだけであるかのような印象は否めない。
 
山本皓一/著『日本の国境を直視する 2  竹島・北方領土』 (2012/12) KKベストセラーズ
この本は、読むことをお勧めしない。  同じシリーズに、『1 尖閣諸島』がある。どちらも全体の半分弱が写真。尖閣の写真は珍しく、できばえも良 かったが、北方領土や竹島では、写真や動画はそれほど珍しくもなく、また、本書の写真のできばえが特に優れて いることもないので、写真集として見た場合、たいしたことはない。  本文の半分が竹島問題で、残りの半分が北方領土問題。日本に都合の良い解釈だけであるうえ、事実関係も正確 さを欠くため、この本を読むよりは、無料で外務省が配布しているパンフレットやpdfファイルを見たほうがずっ と正しい理解が得られるだろう。 ・・・More・・・
 
いまこそ日本人が知っておくべき「領土問題」の真実 国益を守る「国家の盾」  水間 政憲/著  PHP研究所 (2010/12/1)
著者が特定の思想・立場で執筆するのは当然ではあるが、前提となる知識が薄弱では、単なる思い込みの駄弁にな ってしまう。  そういう意味で、この本を見ると、日本の領土問題について解説したものでも、領土問題に対する政策提言をす るものでもなく、一部の無知なネット右翼に呼びかけて、特定の思想傾向を導きだそうとするものだろうか。  それにしても、もう少し、日本の領土問題をきちんと調べてから執筆してほしかった。 ・・・More・・・
 
歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか 保阪正康/著 (朝日新書 2011/8/10)
 2010年は、中国漁船が尖閣周辺海域で逮捕されたり、メドベージェフ大統領がクナシリ島を訪問するなど、領土 問題への関心が高まる事態が相次いだ。このため、領土問題関連の図書の出版が続いている。本書もそうした本の ひとつで、歴史小説等を手がけるノンフィクション作家による執筆。日本に領土問題が生じた経緯、北方領土問題 、竹島問題、尖閣問題について、書かれている。  特に、右よりでも、左よりでもなく、中立的な立場での記述であるが、領土問題の解説よりも、著者の日本の領 土に対する思いが感じられる。このため、ノンフィクション作家の歴史小説あるいは領土問題に対する感想として 読むならば、十分な内容かもしれないが、領土問題を正確に理解したい者にとっては、不十分な内容だ。 ・・・More・・・
 
『北方領土は泣いている』斎藤勉・内藤泰朗/編著(産経新聞出版 2007.7)
 今回出版された、産経新聞の本は、4島一括返還論以外は絶対だめであると主張し、最近の現実的解決を目指そ うとする論調を攻撃している。論拠は、50年間使い古された日本に都合の良い一方的主張で、まったく新味は無 い。しかも、類書に比べても、論証は緻密さを欠いている。 ・・・More・・・
 
山本皓一/著 『日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記』小学館 (2007/5/31)
著者は写真家です。この本は、著者が撮影のために行った、日本の国境係争地の上陸記です。写真家の著書である ため、若干の写真も掲載されていますが、写真は多くありません。  写真の本としてみると、これら地域の写真としては、出色のできですが、写真の掲載点数が少なすぎます。  上陸記として見ると、それほど興味ある文章では有りません。まあ、この点は、好みによりますが。  領土問題の解説も、安倍総理との対談を含めて、かなりのページ数に上ります。しかし、内容は、日本の政治家 の政治宣伝や、簡単なパンフレットをそのまま書いているような程度です。 ・・・More・・・
 
上坂冬子/著『これでは愛国心がもてない』
本の題名からして、自分の主張を根拠もなく一方的に言っているだけのような気がしたが、事実関係が誤りで、そ の上に自分勝手な主張では話にならない。  本の内容は、前半が2006年8月に起きた、日本漁船に対するロシア銃撃事件。後半は靖国問題。 ・・・More・・・
 
『雲流る・国後』 村田吾一/著 根室春秋社(1970.9.1)
 もと国後島居住者の国後島の思い出。
 
『北方領土復帰実現への方向』 北方領土復帰期成同盟/編(1969.3.20) (本の表紙はここをクリック
 北方領土交渉に関する松本俊一の講演会記録
 
『根室市における北方領土復帰運動の現状』 北海道根室市(昭和42年3月30日) (本の表紙はここをクリック
 ソ連占領以降の北方領土問題の歴史の説明と、書籍出版当時の返還運動の状況・北方領土問題への根室市民アンケート結果。
 
『日本民族の世界的課題 北方領土の復帰なくして戦後は終わらない』 北方領土復帰期成同盟(昭和46年2月15日) (本の表紙はここをクリック
 松本俊一(北方領土復帰期成同盟会長)と小谷秀二郎(京都産業大学法学部教授)の北方領土問題の一般向け講演会の記録。
 
『こだま 第2集』  根室市総務部企画課領土対策係/編 北海道根室市(1969.7.1)
 北方領土返還運動の激励文集。
 
『アラスカ物語・氷原  新田次郎全集14』 新田次郎/著 新潮社(1970.12.25)
 新田次郎全集のこの巻の中に、『北方領土』が収められている。この小説は、根室における北方領土返還・墓参を題材としている。
 
『択捉海峡』 畑山博/著 文藝春秋(1993.1.21)
 エトロフ島の生活を描いた小説
 
『北の水路誌 千島列島と柏原長繁 1850〜1900』 外崎克久/著 清水弘文堂(1990.9.15)
 明治25年から27年に、盤城艦長として千島列島を測量航海した柏原長繁の伝記。
 
『桜花を見た』 宇江佐真理/著 文藝春秋(2004.6.30)
 北海道に関連した小説。この中の『夷酋列像』は蠣崎広年の伝記をもとにした小説。史実とは言いがたいので歴史を知る上であまり役に立たない。なお、蠣崎広年とは、クナシリメナシの乱に際して夷酋列像を描いた画家で、松前藩主・松前道広の弟で、松前藩重役。
 
『遊就館図録』 靖国神社 (本の表紙はここをクリック
 北方領土問題とは関係ない。

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その他

・ビデオ 
 『最新映像 これが北方領土だ!』 TBSビジョン 1991.4

・DVD
 『NHKスペシャル 樺太地上戦 終戦後7日間の悲劇』(2018/7)NHKエンタープライズ
  ・・・More・・・

 『ジョバンニの島』 DVD (ポニーキャニオン)
   2014年2月、同名のタイトルの物語が出版された。 このDVDは、本をアニメ化したもの。本とアニメで若干異なっているところはあるが、おおむね、同じ内容。
 ・・・More・・・


・その他
 さらにインターネットページ等を参考にしました。特に重要なものを掲載します。
 国立公文書館アジア歴史資料センター
 国会会議録検索システム


最終更新 2022.2



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