北方領土問題参考書

松本俊一/著、佐藤優/著『【増補】日ソ国交回復秘録 北方領土交渉の真実』朝日新聞出版(2019/3)


 1956年の日ソ国交回復の時の外交の責任者の一人だった松本俊一は、十年後に「モスクワにかける虹」を朝日新聞社から出版した。この本は交渉経過を詳しく記したものである。
 その後しばらく絶版だったが、2002年「ゆまに書房」から復刻された。2012年、佐藤優は「モスクワにかける虹」に解説を付して、「日ソ国交回復秘録 北方領土交渉の真実」の書名で朝日選書より出版した。2019年、さらに解説を付して、増補版として出版したものが本書である。
 
 本書の内容は次の通り
  松本俊一/著「モスクワにかける虹」と同じ内容。p11〜p264
  日露間領土問題の歴史に関する共同作成資料集(1992年版)(日本国外務省、ロシア連邦外務省)日本語版 p265〜p330
  日露間領土問題の歴史に関する共同作成資料集(2001年版)(日本国外務省、ロシア連邦外務省)日本語版 p331〜p364
  佐藤優の選書版解説 p365〜p424 
  佐藤優の増補版解説 p425〜p452
 
 安倍・プーチン会談以降、歯舞・色丹の二島返還で解決しそうな雰囲気がある。佐藤優の増補版解説はこれに対応したもの。
 松本俊一による日露国交回復交渉の過程を読めば、2島返還以外にはないことが分かるが、選書版解説もそのような立場での解説だ。増補版解説は選書版解説が現実的になった状況を説明するもの。
 
 なお、日露間領土問題の歴史に関する共同作成資料集(1992年版)(2001年版)は外務省のホームページで公開背れている。
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/ryodo.html

最終更新 2022.2


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