小林 弘忠/著『満州開拓団の真実』七つ森書館 (2017/8)
長野県高社郷出身の500人にのぼる集団自決の原因と経緯を解明したもの。太平洋戦争末期、ソ連が対日参戦すると、現地日本軍は開拓団民に対して退去するように命令した。しかし、高社郷出身者の開拓団では集団自殺することを決め、退去しなかった。このため、日本軍は再び退去を命令したため、命令に従って退去をしたが、逃げ遅れ、日本軍と合流することができなかった。その後、各地をさまよい、最終的に、多くの自殺者を出した。
本書は「もっと早く知らせていたら自殺者を出さなかった」との見解のようであるが、最初の命令を無視して、集団自殺を選んだのだから、集団自殺の主因は開拓団員らにあるような気がする。
満州開拓団は、開拓団とは名ばかりで、現地人の土地の略奪者だったので、現地住民の怒りを買っていた。このため、日本軍がいなくなれば仕返しをされるのは明白なことだった。
そういうわけで、本書の内容には、あまり興味を持てなかった。