日ロ平和条約締結の活路


望月喜市/著『日ロ平和条約締結の活路―北方領土の解決策』 (ブックレットロゴス No. 11)(2015.10)

 ソビエト経済学者・望月喜市氏により日ロ関係改善の提言。

 本書は、日ロの歴史を概説した後、北方領土問題についてふれ、平和条約の必要性と条約締結の障害について論じている。90ページ余りと薄い本なので、あまり詳しい内容はないが、日ロ交流史や北方領土問題・解決提言と、基本的なことはしっかり押さえられている。この問題を冷静に考えたい人には、参考になるだろう。

 日本とロシアは隣国同士として、貿易を振興すればお互いの利益になることは明らかだろ。しかし、日本側に政治的な障壁があって貿易は進んでいない。1956年以降、日本は4島返還を主張しているが、サンフランシスコ条約で放棄したクナシリ・エトロフが日本の領土に復帰する可能性はない。いつまでも空虚な4島返還にこだわらずに、平和条約を締結・2島返還・2島共同開発・正常な日ロ関係の発展を目指すべきだろう。この点、著者の考えには全く同感だ。