北方領土問題参考書

樺太(サハリン)・シベリアに生きる 戦後60年の証言 小川よう一/編著 社会評論社(2005.8.15)


本書の内容は、サハリン残留日本人とシベリア残留日本人の話。

 敗戦後、サハリンの日本人の多くは帰国したが、一部の人はそのままサハリンに残留した。第1章では、サハリン残留日本人数名の座談会。どのような理由で残留したのか、あるいは、残留後の苦労話など、個人的な事情が語られている。個人的な話なので、サハリン残留問題の全体像は分からない。
 第2章では、残留日本人に日本政府の援助が遅れた状況を説明している。日本政府は、残留が個人の自由意思であるとの理由で、援助をしてこなかった。民間団体が、帰国援助をするようになったのは、1989年からで、政府の委託事業となるのは1999年以降だった。
 第3章、第4章はシベリア残留日本人の話。第3章は、第1章同様に、残留日本人の座談会で、シベリアに残留することになった、個人的事情が詳細に示されている。第4章は第2章同様の説明。
 日本もソ連も悪い意味で官僚主義の国だから、苦しんでいる人がいて、容易に助けられるはずでも、救済制度が無ければ、何もしない。一般の国民も他人のことは知らない、マスコミも話題になる内容でなければ興味を示さない。そういうことの連続で、救済が遅れた。


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