北方領土問題参考書


ニッポンの国境 (光文社新書) 西牟田靖/著 2011/7



 著者は北方領土・竹島・尖閣諸島を取材したことがあるノンフィクション作家。北方領土取材では、ロシアのビザを取った上で、サハリン経由で渡航している。また竹島取材は、韓国・鬱稜島経由の入域。いずれの場合も、日本政府の指導を無視した形での入域である。北方領土への渡航は、返還運動関係者に対して、ビザなし渡航が認められているが、ノンフィクション作家である西牟田に対して、日本政府はビザなし渡航を認めなかったため、ロシアのビザを取った上での渡航をした。尖閣の取材は、上陸することが許可されなかったため、飛行機を使っての上空からの取材だった。
 本書の内容は、北方領土・竹島・尖閣、日本の抱える3つの領土問題の解説。取材したときの様子も書かれているが、少ない。
 北方領土問題の解説では、いくつかの優れた参考書があるが、本書の北方領土問題の解説は、これらの本を参考に、まとめられている。さすがに、作家だけあって、読みやすく、理解しやすい。内容も、一部の考えに偏向するのではなく、事実を中心に書かれているので、北方領土問題をあまり知らない人には、一読の価値がある。
 竹島・尖閣問題についても、同様なスタンスで書かれているが、北方領土の章に比べ、著者が読んだ参考文献が乏しいのではないかとの印象を受けた。



西牟田靖/著『誰も国境を知らない 揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅 』(朝日文庫)



2008年に情報センター出版局から出版された本の文庫化。2012年8月に尖閣諸島沖を取材したルポを新たに加筆。前書にあった硫黄島と小笠原諸島の章は割愛されている。

本の内容は、著者が訪れた地域の取材記。北方領土、竹島、尖閣、沖ノ鳥島など普通の日本人が訪れることができない場所を取材している。北方領土には、二度、ロシアのビザを取っての訪問である。
著者は、取材した事実を客観的に書いており、好感が持てる。
日本の国境問題を考えるためには、実際に国境地域がどのようになっているのかを知ることが重要だ。日本の領土問題を考える上で、実際にその地域がどうなっているのかを知る上で、たいへん参考になる本だ。


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