北方領土問題参考書


舟田次郎/著 千島問題を考える 1979.4 たいまつ新書(たいまつ社)





 北海道新聞記者による北方領土問題の解説。北方領土は日本固有の領土であり、日本の権利回復要求として、叫ばれているが、このような単純な図式に疑問を持った視点で、北方領土問題が捉えられている。
 本の内容は、国際法上の問題、返還交渉の経緯、地元の利益と密漁など、筆者独自の視点で描かれている。特に、法理の章では、北島丸事件と寺沢鑑定を取り上げることにより、日本に都合の悪い事実もまじめに取り上げて、検討しようとする態度に、好感が持てる。
 本書は、出版からだいぶ経ち、すでに、絶版となって久しいが、今なお、学習の価値は失われていない。

 本書の中で、寺沢一/著「北方領土の法理と外交」(世界、昭和36年12月号)の紹介がある。こちらも、一読の価値はありそうだ。
 また、本書によると、北洋鮭鱒漁業の乱脈ぶりを始めて伝えた大手新聞記事は、78年2月6日の朝日新聞がおそらく最初であろうと記されている。こちらの記事も、一読の必要があるだろう。


 寺沢一/著「北方領土の法理と外交」(世界、昭和36年12月号)は、次の本に収録されている。
 寺沢一/著「国際法と現代」日本評論社(昭和43年10月) P157〜P179


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