樺太に生きたロシア人
セルゲイ・P.フェドルチューク/著、板橋政樹/訳『樺太に生きたロシア人 故郷と国家のはざまで…』 日本ユーラシア協会北海道連合会「サハリン研究会」 (2004/05)
日露戦争・ポーツマス条約で南樺太が日本へ割譲されると、ロシア人の多くは本国へ帰国した。しかし、数百人のロシア人は帰国することなく南樺太にとどまった。また逆に、ポーツマス条約後に、南樺太に移住したロシア人も存在する。当時、ポーランドはロシアの領土だったため、残留ロシア人の中にはその後ポーランド国籍を得たものも存在する。
本書は南樺太残留ロシア人(ポーランド人などを含む)の13家族を対象に、彼らがなぜ留まったか、日本領時代をどのように生きたか、第二次大戦後どのように生きたか、このような点を詳述する。
南樺太残留ロシア人について、ほとんど知られていないので、この問題に関心がある人には有用な著書だ。