北方領土問題参考書
山県泰三/著 なぜ「北方領土」か 三省堂(1983.1)

お勧め本とは思えない。
北方領土の地誌、領土問題の発生のいきさつ、千島列島の歴史、領土交渉など、北方領土問題について幅広く扱っている。著者はそれなりに、詳しい知識を持っているように思える。
しかし、知らないことに、自分勝手な、推論を展開して、独りよがりな結論に達している点が多々見られる。
極め付きは、著者の千島とクリル論である。著者は、千島とは、国後択捉を含むと力説しているが、歴史的に見た場合著者の論は正しい。ところが、クリルは、ウルップ以北を指すと根拠薄弱な推論をしている。クリルの範囲が疑問ならば、江戸末期の日本の地図や、現代に至る国内外の地図を検証すればよいのに、そのようなことをせずに、いい加減な主張をしているのには、あきれ返る。さらに、根拠薄弱で誤った結論をもとに、北方領土が日本の領土であると結論付けているが、あまりにも、雑な議論である。
これ以外にも、分からないこと、知識不足な点を自分勝手な推論で結論を導き出している点が多々あるので、北方領土問題に詳しくない人には、どこまでが正しい知識で書かれていて、どこからが、著者の独りよがりな推論なのかを判別することは困難だろう。
著者の経歴を見ると、教師だったそうである。教師は生徒に聞かれたら「知らない」とは言いにくいので、知ったかぶりをして、いい加減な知識を披露する者も多い。そういう教師は、生徒にとっては、最低最悪であるが、どうも著者の論を見ていると、このようなダメ教師の授業風景のように思えてくる。
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