井澗裕・他/著・編 『稚内・北航路 サハリンへのゲートウェイ』北海道大学出版会 (2016/7)
稚内はサハリンとの国境であり、2005年までは定期航路があった。本書は、国境を接する稚内とコルサコフのの問題を扱う。実際には、稚内とコルサコフの歴史観光案内といった趣の本。最近、社会科の先生を引率とした地方の歴史観光散策が盛んだが、本書はこの稚内・樺太版。
歴史観光ガイドブックとして読むと、それなりに面白い。しかし、国境の町の地域創生・町おこしを考える参考としては物足りない。稚内は人口希薄のため、サハリン観光や貿易の拠点にはなりえないだろう。日本人がサハリンに行くためには、稚内よりも便利な空港を使った方が良いので、人の移動の拠点にもならない。