吉武輝子/著『置き去り サハリン残留日本女性たちの六十年』(2005.6)海竜社
終戦後、ソ連に支配されたサハリンや千島に在住していた日本人は希望すれば帰国することができたが、朝鮮国籍のものは帰国が許されなかった。このため、朝鮮人と結婚した日本女性は子供を置いて離婚して帰国するか、サハリンに滞在するかの選択を迫られた。本書は、サハリンに残留した日本人女性の話で、個々の事例が詳しい。ほとんどの場合は、朝鮮人と結婚したために残留している。歴史的経緯の説明もかなりの分量を割いているが、この部分については、他の専門的な歴史書で学習した方が良いと思う。