標高から、見渡せる距離を求める計算式


地球を完全な球と考えて、空気屈折率の影響を無視すると、標高から、見渡せる距離を計算するための計算式を、容易に導くことができます。ここでは、三角関数を使った厳密解を求める方法と、三平方の定理から近似解を求める方法を示します。三平方の定理から近似解を求める方法は、中学生の範囲で理解できるないようです。


厳密解を求める方法

三平方の定理から近似解を求める方法




空気屈折率の影響

 光は屈折率が大きいほうに曲がる性質がり、大気は上層の方が屈折率が小さいため、大気中の光は地面に沿う方向に屈折します。このため、光が直進するものとして計算した見渡せる距離よりも、実際には遠くまで見渡せます。
 空気屈折率は気象条件によって異なるので、実際に見渡せる距離は、気象条件によって異なります。一般には、早朝は見通せる距離が若干伸びます。

 標準的な空気の状態で見渡せる距離を計算するときは、簡易的に、地球の半径を1.16倍する方法が使われます。ただし、この値は厳密には気象条件によって変化するので、1.16は平均的な、おおよその値です。(電波通信では、1.33程度の値が使用されます。)
 実際の地球半径は6357〜6378kmなので、地球半径を7370〜7400kmとして計算すると、標準的な空気の状態で見渡せる距離が計算できます。