江戸幕府が寛永通宝を発行するまで、日本の銭貨には渡来銭が使われていた。長期間にわたって多種の渡来銭があったが、多くは宋銭である。
国立歴史民俗博物館の渡来銭展示にしたがって、日本での発掘された埋蔵渡来銭枚数第11位の洪武通宝から、第20位の元符通宝を掲示する。
第11位 洪武通宝(明銭)
明建国の年、すなわち、明・初代皇帝・洪武帝の洪武元年(1368年)に発行された。真書体のみ。
永楽通宝とならび明銭の代表。洪武通宝に限ったこてではないが、日本で私鋳された鐚銭も多い。
洪武通宝の一部には裏面に鋳造地を示す文字がある。「浙」「福」「桂」「北平」などである。また「一銭」「二銭
」などの文字入りもある。
「治」の文字入りは、鹿児島県加治木町で作られた鐚銭。
第12位 祥符元宝(宋銭)
第3代皇帝・真宗の大中祥符元年(1008年)発行。真書体のみ。第12位、13位、14位、16位、18位と真宗時代のものが続く。
第13位 景徳元宝(宋銭)
第3代皇帝・真宗の景徳元年(1004年)発行。真書体のみ。
第14位 天禧通宝(宋銭)
第3代皇帝・真宗の天禧年間(1017年〜)発行。真宗最後の銭貨。真書体のみ。
第15位 嘉祐通宝(宋銭)
第1位の皇宋通宝,第7位の天聖元宝を発行した仁宗の時代のもの。嘉祐元年(1056年)発行。真書体・篆書体がある。
第16位 咸平元宝(宋銭)
第3代皇帝・真宗の咸平元年(998年)発行。真宗即位後、最初の銭貨。真書体のみ。
第17位 治平元宝(宋銭)
第5代皇帝・英宗の治平元年(1064年)発行。真書体・篆書体がある。
第18位 祥符通宝(宋銭)
第3代皇帝・真宗の大中祥符2年(1009年)発行。真書体のみ。第12位には祥符元宝がある。
第19位 至道元宝(宋銭)
第2代皇帝・太宗の至道元年(995年)発行。真書体・行書体・草書体がある。
第20位 元符通宝(宋銭)
第7代皇帝・哲宗の元符元年(1098年)発行。第4位の元祐通宝、第8位の紹聖元宝も哲宗時代のもの。真書体・篆書体がある。
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