江戸幕府が寛永通宝を発行するまで、日本の銭貨には渡来銭が使われていた。長期間にわたって多種の渡来銭があったが、多くは宋銭である。
国立歴史民俗博物館の渡来銭展示にしたがって、日本での発掘された埋蔵渡来銭枚数第31位の乾元重宝から、第40位の淳祐元宝を掲示する。
第31位 乾元重宝(唐銭)
第7代皇帝・粛宗の乾元2年(759年)発行。唐銭は開元通宝の残存数が多く第5位であるが、乾元重宝は第31と多くない。真書体。粛宗は玄宗の子。
第32位 至和通宝(宋銭)
第4代皇帝 仁宗の至和元年(1054年)発行。第1位の皇宋通宝、第7位の天聖元宝、第21位の景祐元宝などを発行した仁宗の時代のもの。第24位の至和元宝と同じ年の発行。真書体・篆書体がある。
第33位 宋元通宝あるいは宋通元宝(宋銭)
宋初代皇帝・太祖の建隆元年(960年)発行。宋の建国建国年に発行された、宋の初代貨幣。真書体のみ。
第34位 宣和通宝(宋銭)
第8代皇帝・徽宗の宣和元年(1119年)発行。第9位の政和通宝、第10位の聖宋元宝、第23位の大観通宝を発行した徽宗の時代のもの。真書体・篆書体がある。
第35位 慶元通宝(南宋銭)
第4代皇帝・寧宗の慶元元年(1195年)発行。寧宗の時代のものには、第30位の嘉定通宝がある。
第36位 宣徳通宝(明銭)
第5代皇帝・宣徳帝の宣徳8年(1433年)発行。
第37位 紹熈元宝(南宋銭)
第3代皇帝・光宗の紹熈元年(1190年)発行。光宗即位直後の発行。
第38位 正隆元宝(金銭)
40位以内に入る金の唯一の銭貨。第4代皇帝・海陵王の正隆3年(1158年)発行。金は女真族の国で、海陵王の時代に、会寧府から燕京に遷都した。
第39位 紹定通宝(南宋銭)
第5代皇帝・理宗の紹定元年(1288年)発行。南宋は理宗の没後15年で滅亡する。
第40位 淳祐元宝(南宋銭)
第5代皇帝・理宗の淳祐元年(1241年)発行。第39位紹定通宝を発行した理宗時代のもの。
次点(第41位) 朝鮮通宝(朝鮮銭)
朝鮮半島では、高麗時代の12世紀初頭から「東国通宝」などの銭貨を鋳造したが、あまり普及していない。朝鮮王国建国後の1425年から鋳造された「朝鮮通宝」も、国内ではそれほど普及していないが、日本へもある程度は渡来しており、日本での発掘渡来銭の第41位になっている。
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