センカクアオイといろいろなカンアオイ
ウマノスズクサ科カンアオイ属の植物は、日本各地に固有種・固有変種が分布し、絶滅危惧種も多い。
センカクアオイは尖閣諸島・魚釣島の固有種。
国立科学博物館筑波実験植物園には、珍しいカンアオイ類が栽培されている。
最終更新:2025/6
和名:センカクアオイ
学名:Asarum senkakuinsulare Hatus. ウマノスズクサ科カンアオイ属
分布域:尖閣諸島(魚釣島)
環境省・絶滅危惧種 CR(絶滅危惧IA類) 沖縄県・絶滅危惧種 CR
もともと自生地と個体数が限られていたが、右翼団体が野放しにした野生化ヤギによる踏みつけと森林の破壊により、絶滅が危惧される。
センカクアオイ
撮影場所:国立科学博物館 筑波実験植物園 熱帯山地雨林温室(2022.2撮影)
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センカクアオイの花
撮影場所:国立科学博物館 筑波実験植物園 絶滅危惧種温室(2025.5撮影)
センカクアオイはウマノスズクサ科カンアオイ属カンアオイ節の植物。近縁には、カンアオイ、タマノカンアオイ、ランヨウアオイ、ヒメカンアオイなど、日本各地に50種12変種程度の固有なカンアオイ類が分布する。
センカクアオイ | 尖閣諸島魚釣島の固有種 |
ヤエヤマカンアオイ | 西表島の固有種 台湾にも分布しているとの説がある |
エクボサイシン | 西表島の固有種 |
オモロカンアオイ | 石垣島の固有種 |
モノドラカンアオイ | 西表島の固有種 |
ヒナカンアオイ | 沖縄本島北部に分布する沖縄本島の固有種 |
奄美群島のカンアオイ ←ここをクリック
奄美大島から徳之島には、11の固有種が分布する。
フジノカンアオイ | 奄美諸島 |
オオバカンアオイ | 奄美大島、徳之島 |
グスクカンアオイ | 奄美大島 |
カケロマカンアオイ | 奄美大島・加計呂麻島・請島・与路島 |
ミヤビカンアオイ | 奄美大島 |
ハツシマカンアオイ | 徳之島 |
トクノシマカンアオイ | 徳之島 |
アサトカンアオイ | 奄美大島 |
タニムラアオイ | 徳之島 |
トリガミネカンアオイ | 奄美大島 |
ナゼカンアオイ | 奄美大島 |
トカラカンアオイ | トカラ列島に分布 |
クワイバカンアオイ | 屋久島固有種 |
ムラクモカンアオイ | クワイバカンアオイの変種 種子島固有種 |
ナンゴクアオイ | 鹿児島県宇治群島・大隅諸島 |
サンコカンアオイ | 鹿児島県西部の下甑島 |
フクエジマカンアオイ | 長崎五島列島 |
サンヨウアオイ | 中国地方・四国・九州に分布 |
キンチャクアオイ | サンヨウアオイの変種 九州に分布 |
オナガカンアオイ | 宮崎県に分布 |
ウンゼンカンアオイ | 九州北西部に分布 |
マルミカンアオイ | 熊本県・宮崎県に分布 |
ツクシアオイ | 九州北西部に分布 |
タイリンアオイ | 中国地方西部、九州北部に分布 |
シジキカンアオイ | サンヨウアオイの変種 長崎平戸に分布 |
ヤクシマアオイ | 屋久島に分布 |
サツマアオイ | 鹿児島県薩摩半島に分布 |
トサノアオイ | 高知県東部に分布 |
サカワサイシン | 四国東南部に分布 |
ミヤコアオイ | 本州西部と四国に分布 |
ホシザキカンアオイ | サカワサイシンの変種 高知県西南部に分布 |
ツチグリカンアオイ | ミヤコアオイの変種 四国南東部の極めて限られた場所だけに特産する種 |
イセノカンアオイ | オトメカンアオイの変種 三重県志摩半島固有 |
サンインカンアオイ | 西日本日本海側に分布するカンアオイの総称 |
タイリンアオイ | 中国地方西部、九州北部に分布 |
サンヨウアオイ | 中国地方・四国・九州に分布 |
カントウカンアオイ | 関東南部から紀伊半島 |
ヒメカンアオイ | 本州(長野県〜広島県)、四国(高知県) |
コウヤカンアオイ | 紀伊半島南部に分布 |
ナンカイアオイ | カントウカンアオイの変種 近畿・四国に分布 |
ジュロウカンアオイ | 三重県尾鷲市に分布 |
アツミカンアオイ | 三重県・和歌山県に分布 |
スズカカンアオイ | アツミカンアオイの変種 岐阜県・三重県に分布 |
スエヒロアオイ | 三重県に分布 |
コトウカンアオイ | 三重県・滋賀県に分布 |
カントウカンアオイ | 関東南部から紀伊半島に分布 カンアオイとも言う |
ヒメカンアオイ | 本州(長野県〜広島県)、四国(高知県)に分布 |
タマノカンアオイ | 東京都・神奈川県の多摩丘陵と周辺地域に分布 |
ランヨウアオイ | 東京都多摩地域、神奈川県、静岡県東部、山梨県南部 |
コシノカンアオイ | 本州の日本海側に分布 |
アマギカンアオイ | 伊豆半島の林地に分布 |
ミチノクサイシン | 東北地方と新潟県、栃木県に分布 ミヤマカンアオイとも言う |
カキガタアオイ | 静岡県の中西部および山梨県南部に分布 |
シモダカンアオイ | アマギカンアオイの変種 伊豆の狭い範囲に分布 |
オトメアオイ | 神奈川県西部から静岡県東部に分布 |
ズソウカンアオイ | オトメアオイの変種 静岡県東部から神奈川県南西部に分布 |
クロヒメカンアオイ | 新潟県西部から富山県東部に分布 |
ユキグニカンアオイ | 新潟県・福島県西部に分布 |
アラカワカンアオイ | ユキグニカンアオイの変種 新潟県北部・山形県に分布 |
イワタカンアオイ | 愛知県東部に分布 |
ミヤマアオイ | ミチノクサイシンの変種 長野・富山・岐阜県に分布 |
ツルダシアオイ | ミチノクサイシンの変種 栃木・群馬県に分布 |
トコウ | 中国東部に分布。カンアオイの仲間としては唯一落葉性。 |
アサムル・イチャンゲンセ | 中国南東部に分布。 |
ホウライアオイ | 台湾北部に分布 |
フタバアオイ
徳川家の家紋・三つ葉葵はフタバアオイをデザインしたものと言われている。
フタバアオイ(学名: Asarum caulescens Maxim.)は、ウマノスズクサ科カンアオイ属フタバアオイ節の植物。カンアオイやセンカクアオイはウマノスズクサ科カンアオイ属カンアオイ節。
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徳川家の家紋 | フタバアオイ 撮影:日光植物園 2022/8/19 |
ウスバサイシン
ウスバサイシン(学名 Asarum sieboldii)はウマノスズクサ科カンアオイ属ウスバサイシン節の植物。
漢方薬の小青龍湯などに含まれる細辛はウスバサイシンの根・根茎から取ることができる。ただし、ウスバサイシンは少ないので、中国・朝鮮に自生する同属のケイリンサイシンから取った細辛が一般的。
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